香川、恩師との再会で不出場の理由。ドローでも満足、指揮官が見据える180分間の勝負

4月8日(金)11時52分 フットボールチャンネル

勝負を決めに行かなかったトゥヘル

 4月7日のヨーロッパリーグ準々決勝1stレグ、ドルトムント対リバプールの一戦は1-1のドロー。ホームのドルトムントにとっては、アウェイゴールを許しての手痛いドローとなった。だがトゥヘル監督はこの試合の勝利よりもアウェイゴールを許さないことを優先した。(取材・文:本田千尋)

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 監督トーマス・トゥヘルは、勝負を決めようとしなかった。試合後に「結果はオーケーだ」と振り返っている。2016年4月7日のヨーロッパリーグ準々決勝、1stレグでボルシア・ドルトムントはホームにリバプールFCを迎えた。

 試合開始からドルトムントが多くのチャンスを作る。12分、フンメルスがドリブルで持ち上がって、エリア内のムヒタリアンにパス。トラップが流れてしまい、ミニョレにキャッチされる。

 17分には、シュメルツァーの折り返しをエリア内でムヒタリアンがシュート。サコがブロックしたボールをバイグルがシュートを打つが、ミルナーに阻まれる。

 リバプールは、これまでELの決勝トーナメントで対戦したポルト、トッテナムに比べるとインテンシティの高い相手だった。積極的にプレスを掛けてくる。トゥヘルが「正確性を欠いていた」とも振り返ったように、ドルトムントのパスがずれることもあった。それでも奪われれば奪い返して、BVBはチャンスを作っていった。

 こうして前半は、ドルトムントが比較的優勢に試合を進めたが、先制したのはリバプールだった。36分、モレノからのボールをミルナーがフリック。抜け出したオリギがゴールを決める。0-1。

 後半に入るとすぐにドルトムントが同点に追い付く。48分、ショートコーナーから、ムヒタリアンがゴール前に入れたボールを、フンメルスが頭で合わせる。1-1。

 51分過ぎのリバプールの猛攻をバイデンフェラーがビッグセーブを連発して防ぐと、65分頃からリバプールは少し重心を低くする。アウェイゴールを奪っていることを考えれば、1-1でも構わないと敵将ユルゲン・クロップは判断したのかもしれない。

 そのまま1-1で終えると、試合後には「だいたいにおいて私はとても満足している」と振り返っている。そして、それはトゥヘルも同様のようだ。

指揮官のリスク回避で香川に出番は訪れず

 同じ1-1でも、アウェイゴールを奪われているのであれば、BVBはリバプールに比べれば不利な状況ではある。しかし76分に、トゥヘルはオーバメヤンに代えてプリシッチを、ベンダーに代えてソクラティスを投入した。

 既に後半開始時には、ドゥルムに代えてシャヒンを投入している。つまり最後の交代枠で、ボランチが本職でCBを務めていたベンダーに代えて、CBが本職のソクラティスを入れた。守備の安定性を重視した。

 1-1で終えた後で、トゥヘルは「2ndレグに道は開かれている」と振り返っている。トゥヘルはこれ以上の失点を避け、リスクを負って1stレグで勝負を決めに行くよりは、2ndレグで決着を付けることを選んだようだ。

 だから、今回のリバプール戦で、香川真司に出番が訪れなかったとも言えるだろう。香川はリバプール戦の90分間をベンチで過ごした。2日のブレーメン戦では1-1の状況で香川に出番が回ってきたが、1試合毎の勝ち点を争うリーグ戦とは違い、ELの決勝トーナメントはホームとアウェイの2試合を終えた後の合計スコアを争うものだ。

 もし1stレグで1-2という状況であれば、まだ分からなかったかもしれない。しかし1-1であれば、そのままでも「2ndレグに道は開かれている」。無駄な失点を避け、無理に得点を必要としなかったからこそ、最後の交代はソクラティスで、香川ではなかった。

 次戦は、10日のブンデスリーガ第29節、シャルケとのレヴィア・ダービーである。リバプール戦で出場がなかったが、香川には、決して集中を切らすことなく、再びの出場に向けての準備が求められるところだ。

(取材・文:本田千尋)

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