ホープがぶち当たった壁 迷える若鷹・上林誠知はヤフオクドームでこそ輝く

4月8日(金)14時35分 フルカウント

開幕1軍を期待されるも2軍で28打席無安打、苦しむプロ3年目の今

 ソフトバンク2軍は、今シーズンから「タマホーム スタジアム筑後」をホーム球場とし、こけら落としのカープ戦でサヨナラ勝ち、その後も2試合連続サヨナラ勝ちをおさめるなど、連日見応えのあるゲームを展開している。

 その中で苦しんでいる1人の若鷹がいる。プロ入り3年目の上林誠知だ。

 仙台育英高校から2013年のドラフト4位で入団した上林は、昨シーズン、ウエスタン・リーグの首位打者と盗塁王の2冠に輝くとともに、1軍公式戦15試合に出場して44打数14安打、打率.318の成績を残した。何よりも衝撃的だったのは、プロ入り初本塁打を逆転満塁弾で飾った“もってる度”の高さだ。プロ入り2号本塁打も打った瞬間にそれとわかる一打で、周囲の期待は一気に膨らんでいった。

 春季キャンプでも主力中心のA組に振り分けられ、開幕1軍だけでなく開幕スタメンも期待されたが、オープン戦で結果が残せずに2軍落ち。そこで上林を待っていたのは、思いもよらぬスランプだった。

 3月24日から4月1日にかけて28打席ノーヒット。1日の試合の第2打席に泳いだような当たりが内野安打となり、久々にHランプを灯すと、次の打席には右翼へ豪快な本塁打。翌2日の試合では三塁打を含む猛打賞を記録して、長いトンネルを抜けたかに見えたが、その後もノーヒットが続くなど、一進一退を繰り返している状態だ。

一番底までは落ちていない、「どん底であれば、打てる球にも手が出ない」

「納得できる打撃ができていません。狙って打ったボールでも詰まったりする。それはバッティングバランスの問題もあるし、やっぱり悩んでいるからなんでしょうけど」

 プロ3年目の20歳は「打席で構えるときに右肩を入れすぎてもダメだし、開きすぎてもダメ」と、体の開きについても試行錯誤を繰り返す。ただ、決して一番底まで調子が落ちているとは思わないという。

「どん底であれば、打てる球にも手が出ない。今はバットに当てることができている分だけいいのかな、と」

 5日にはヤフオクドームで今季初の親子試合が行われ、2軍選手たちは久々に“活躍すべき舞台”でゲームを行った。ホームランテラスを除くヤフオクドームと同サイズのタマスタ筑後に慣れてきた若鷹たちは「テラスがある分だけ(外野フェンスが)近く感じる」と口を揃える。

 昨季までの本拠地・雁の巣球場と比べると、ヤフオクドームは確かに大きな球場で、威圧感も感じていたことだろう。だが、それを狭く感じる今は、ヤフオクドームで活躍する自分をイメージしやすくなった。

「以前できていたことを今できないはずがない」

 昨年、ヤフオクドームで2本の本塁打を記録した上林は、特に相性のよさも感じているようだ。

「筑後の方が広く感じるし、風もないのでヤフオクドームの方がいいですね。ボク自身、ヤフオクドームに合っていると思うので、早く1軍に上がってここでプレーしたい」

 イチロー選手に憧れ、球団も「鷹のイチロー」となることを期待して入団時から背番号51を背負わせた。藤井康雄1軍打撃コーチも「大きいのも狙える1番打者として期待できる」と、春季キャンプでは付きっきりで指導を続けた。

「今は『以前できていたことを今できないはずがない』と信じて頑張るだけです」

 4年目の春にぶち当たった大きな壁。今は必死にもがけばいい。それを突き破ることで、上林はきっとさらなる進化を遂げるだろう。ホークスファンで埋まったヤフオクドームこそ、期待の若鷹が本当に輝く場所だ。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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