飛躍が期待される選手も パ・リーグ所属の「東京六大学野球」出身者は?

4月8日(土)7時10分 フルカウント

早大出身者は2人が今年の開幕投手、慶応出身は日ハムの2人のみ

 選抜高校野球が大阪桐蔭の優勝で幕を閉じ、同時にプロ野球が開幕。8日には東京六大学野球も開幕を迎える。

 現存する大学野球リーグの中では最も古い歴史を持ち、かつては日本野球の人気の中心を担っていた東京六大学野球は早稲田大学、慶応義塾大学、明治大学、法政大学、東京大学、立教大学で構成されている。この六大学野球リーグでプレーしたのち、プロの世界へ飛び込んだ選手たちも多数いる。今回の「パ・リーグ インサイト」では、パ・リーグに所属する東京六大学野球出身選手をピックアップしてみたい(以下、選手名は卒業年度順)。

【早稲田大学】

 和田毅(福岡ソフトバンク)、大谷智久(千葉ロッテ)、大石達也(埼玉西武)、斎藤佑樹(北海道日本ハム)、横山貴明(楽天)、有原航平(北海道日本ハム)、中村奨吾(千葉ロッテ)、高梨雄平(楽天)、茂木栄五郎(楽天)、石井一成(北海道日本ハム)

 パ・リーグにおいては、東京六大学野球出身者は早稲田大学が最多の10選手。六大学史上最多通算476奪三振の記録を持つ和田、現役選手の中では六大学最多の通算31勝を挙げた斎藤佑、そして2000年の上重聡氏(当時立大、現日本テレビアナウンサー)に続いて六大学史上3人目の完全試合を達成した高梨など、そうそうたる記録を持つ選手たちが揃う。

 投手では和田、有原が今季の開幕投手を務め、大谷と大石もチームでリリーフ陣の一角を担うなど、チームの主力として定着。野手では昨年新人王に迫る活躍を見せた茂木と、チームの顔「背番号8」を背負うことになった中村が、チームの期待も高い。正念場を迎える斎藤佑はもちろんだが、今季新たにプロ入りを果たした高梨、石井一も、先輩たちに続けるか。

【慶應義塾大学】

白村明弘(北海道日本ハム)、横尾俊建(北海道日本ハム)

 慶應義塾大学出身選手はセ・リーグでは伊藤隼太選手(阪神)や、福谷浩司投手(中日)など計4選手が在籍しているが、パ・リーグは現在、北海道日本ハムに所属する2名のみ。白村・横尾ともに6位指名と、いずれも下位指名から活躍を期している。

 白村は150キロ台の快速球を武器に2015年には50試合に登板。昨年は22試合の登板にとどまったが、巻き返しが期待されている。横尾はチーム期待の右の大砲候補。虎視眈々と定位置獲得を狙う。

 なお慶應OBは故・水原茂氏、故・藤田元司氏、故・別当薫氏、山下大輔氏、高橋由伸監督など指揮官を務める傾向がある。現在、埼玉西武でコーチを務める佐藤友亮コーチも慶應出身だが、いずれは先輩たちに続くことになるのだろうか。

パ・リーグ在籍選手なしの大学は?

【明治大学】

島内宏明(楽天)、岡大海(北海道日本ハム)、関谷亮太(千葉ロッテ)、山崎福也(オリックス)、上原健太(北海道日本ハム)、中道勝士(オリックス)。

 楽天・星野仙一取締役副会長の印象が非常に強い明治大学。多数のプロ野球選手を輩出しており、現在では早稲田大学に次ぐ6選手がパ・リーグには在籍。山崎福(2014年)、上原、阪神・高山(阪神、いずれも2015年)、柳(中日、2016年)と、昨年まで3年連続でドラフト1位選手を輩出している。また最年長にあたる楽天・島内も現在27歳と、今後が楽しみな選手がそろう。

 島内は昨年、自己最多の114試合に出場し、楽天の生え抜き選手として初の2ケタ本塁打にあと1本と迫った。ライバルは多いが、思い切りのいい打撃と守備で定位置確保を狙う。

 野手ながら「エースナンバー」背番号18を背負う岡は、大学時代は投手と野手の「二刀流」。球史に残る二刀流・大谷が所属する北海道日本ハムに入団したのは奇遇ながら何かの縁だろう。陽岱鋼(現巨人)が抜けた外野の定位置争いでリードをしていきたいところだ。

 関谷と山崎福の日大三高出身の2投手、そして大型左腕・上原は、まず1軍に定着するためにも確かな結果が欲しいところ。ドラフト1位で入団した山崎福と上原はそうだが、JR東日本経由で入団した関谷もドラフト2位。チームの期待に応えるシーズンとしたい。

 なお北海道日本ハム・的場コーチ、楽天・柳沢コーチ、オリックス・三輪コーチはいずれも明治大学出身で、現在全員1軍、あるいは2軍でバッテリーコーチを務めているという共通項もある。

【法政大学】

在籍者なし。

 山本浩二氏、新井宏昌氏、江川卓氏、最近では稲葉篤紀現北海道日本ハムSCO(スポーツ・コミュニティ・オフィサー)など、球史に残る選手たちを輩出してきた法政大学。セ・リーグには横浜DeNAを中心に計10選手が在籍しているが、意外なことに現在パ・リーグには法政大出身者はゼロという状況だ。

 かつては阿部真宏現埼玉西武コーチが大阪近鉄、オリックス、埼玉西武とパ・リーグを渡り歩き、G.後藤武敏(DeNA)が埼玉西武に在籍。大引啓次(ヤクルト)はオリックスと北海道日本ハムでつなぎ役を担った。

 なお、日本で初めてシンカー、ナックルを投げたと言われ、晩年に毎日オリオンズに所属してプロ通算237勝を挙げた若林忠志氏、南海ホークスを率いて黄金時代を築いた鶴岡一人氏、当時の西武とダイエーでチーム強化に尽力した根本陸夫氏、当時の近鉄で投手・野手双方でオールスターに出場経験のある関根潤三氏など、パ・リーグにまつわる偉人がOBには並ぶ。

立大は一気に3選手がパ・リーグ球団に加入

【東京大学】

在籍者なし。

 日本一二の学力を争う東京大学は、難関の試験があるため有力な野球選手が簡単には入部できない。しかし、その関門を潜り抜け、さらに選手としても実力を伸ばしてプロ入りした選手は過去5人。パ・リーグにまつわるのは、千葉ロッテへ入団した小林至氏(1991年)、当時の日本ハム入団の遠藤良平氏(1999年、現北海道日本ハムGM補佐)、当時横浜から北海道日本ハムへ加入した松家卓弘氏の3選手だ。

 OBによるプロでの実績はほぼない状況ではあるが、最速150キロを誇る左腕エース・宮台康平投手が現在4年生として在籍している。進路にも注目が集まるが、話題性ではなくその実力で、「赤門軍団」の歴史を変えるような活躍が期待される。

【立教大学】

戸村健次(楽天)、大城滉二(オリックス)、田中和基(楽天)、田村伊知郎(埼玉西武)、澤田圭佑(オリックス)

 戦前のプロ野球を盛り上げた景浦將氏、「ミスタープロ野球」長嶋茂雄巨人終身名誉監督、「南海のエース」杉浦忠投手といった、かつてのプロ野球を沸かせた選手たちが巣立った立教大。なかなか上位の牙城を崩せない時期が続いたが、最近になって再び優勝争いにも絡むようになってきた。その争いで実力を磨いた選手たちが、プロの世界にも飛び込み始めている。

 一足先に2009年のドラフト1位で楽天に入団した戸村は、2015年に先発・中継ぎにフル回転して計37試合に登板。昨年はケガの影響で11試合の登板にとどまったが、今年は巻き返しを狙う。オリックスの大城は沖縄・興南高校2年生時に甲子園春夏連覇に貢献後、立教大学に入学。大学史上5人目のリーグ通算100安打を達成してオリックスに入団を果たした。前年まで谷佳知氏が付けていた背番号10を背負うなど、チームの期待も高い。

 そして今年、一気に3選手が立教大学からパ・リーグのチームへ加入。楽天・田中は3拍子揃ったスイッチヒッターとして外野の定位置争いを、埼玉西武・田村は力のあるストレートを武器に貴重なリリーフの一角として、そしてオリックス・澤田は安定感ある投球で1軍での登板機会を狙っている。

 なお大学卒業後にMLBのクリーブランド・インディアンスで1勝を挙げ、その後、北海道日本ハムで活躍した多田野数人投手(現独立リーグ・石川ミリオンスターズ)も立教大出身。在学時に記録した通算334奪三振は六大学史上8位タイ、立教大学史上最多の金字塔となっている。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

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