バイエルン戦、ユーベ戦…大一番で先発できない理由。香川に求められる“存在の証明”

4月9日(木)11時10分 フットボールチャンネル

一時の最下位、後がない状況でも先発できず

 古巣ドルトムントに復帰を果たした香川真司。しかし、かつての勇姿は取り戻せず、重要な一戦で先発を外されるケースが続いている。今季も残りわずか、自らの存在を証明することができるだろうか。

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 4月4日のブンデスリーガ第27節、バイエルン・ミュンヘン戦、ボルシア・ドルトムントの先発メンバーの中に、香川真司の名前はなかった。代わってトップ下で先発したのはロイスだった。もう少し広く眺めると、4-2-3-1の2列目には右からブワシュチコフスキ、ロイス、カンプルが並んだ。

 今季のドルトムントの試合に限って見た場合だが、香川は重要なゲームで先発として使われない傾向がある。何を持って重要なゲームとするかは難しいところだが、ここではブンデスリーガ昨季王者のバイエルン戦、CL決勝トーナメント1回戦のユベントス戦、そして最下位に転落して迎えた12月5日のホッフェンハイム戦を、今季のドルトムントにとっての重要なゲームとする。

 バイエルン戦は、昨年11月のアウェイでの一戦こそ先発したものの、先に触れたように4日のホームの試合では、ベンチからのスタートとなった。

 ユベントス戦では、アウェイでの1stレグ、ホームでの2ndレグ、双方の試合でベンチスタートとなり、ウォーミングアップを続けてピッチ外から試合を眺めたまま、試合終了の笛のホイッスルを聴いている。

 そして最下位ともはや後がない状況で、クロップも「真昼の決闘」と古いハリウッド映画のタイトルまで持ち出して挑んだホッフェンハイム戦では、トップ下に入ったのは、ボランチが本職のギュンドアンだった。

 マンチェスター・ユナイテッドから復帰後、パフォーマンスは一向に上がらず、チームもどん底の状態だった前半戦に行われたホッフェンハイム戦で、香川が先発として使われなかった理由は腑に落ちる。不調の選手に、土俵際に足の踵が掛かっているチームのトップ下を任せることは出来ない。

CLユーベ戦で出場機会なし。戦術、体調面以外の理由も

 少し意表を突かれたのは、2月24日、トリノで行われたユベントス戦だった。

 2月に入って好調を維持して、7日のフライブルク戦から香川は先発に返り咲いた。単に先発に戻っただけではなく、周囲の選手との連携も良い。前線に連動性をもたらして、チームの攻撃を活性化させた。

 ユベントス戦の直近の試合となったシュトゥットガルト戦の後では、イタリア王者について「最高の相手」、「やりがいを感じる」と話し、「しっかりと準備して楽しんで行きたいなと思います」と、香川も自身の状態について手応えを感じていた。しかしユベントス戦でトップ下に入ったのは、ムヒタリヤンだった。

 もっとも、ユベントス戦でドルトムントは、ピルロを中心とする3ボランチに対して、サヒンを1ボランチに、ギュンドアンを前に出して2列目を4枚とも取れる変則的なスタイルで臨んではいる。それでも、ドルトムントのプレッシングスタイルを理解する香川であれば対応出来たはずである。

 直後のシャルケ戦では、再びトップ下に入り、内田篤人も舌を巻いたパフォーマンスを見せていることを考えれば、コンディション面で問題があった訳でもなさそうだ。

 つまり、戦術面と体調面以外の理由で、ユベントスとの第1戦で先発から外されたことになる。クロップが単にローテーションを採用しただけとも取れる。

 香川は3月に入ると、再びパフォーマンスを落としてしまう。3月7日のハンブルガーSV戦では、前半45分のみで途中交代となった。もっとも、続くケルン戦でもそうだったように、とことんバイタルエリアのスペースを消してくる相手の戦略もあった。

絶対的な地位を取り戻せるか

 そして再びユベントス戦を迎える。ベスト8進出を懸けた大一番だった。トップ下には、ムヒタリヤンが入った。先発に香川の名前は無く、90分間を通しても出番はなかった。第1戦とは違って、第2戦で先発に起用されなかったことは、3月の低調なパフォーマンスを考えれば、仕方のないことだろう。

 そしてハノーファー戦ではゴールこそ決めたものの、日本代表戦の一時帰国から戻った直後のバイエルン戦では、先発メンバーの中に名前はなかった。

 こうして振り返ってみると、香川が重要なゲームで先発として使われない傾向は、パフォーマンスに一貫性がなく、安定性のなさに依るところが大きい。

 とは言え、それは香川に限ったことではない。今季のドルトムントの攻撃陣はおしなべて不調で、ようやく1トップがオーバメヤンに定まったが、2列目ではロイスを除けば、未だにクロップは日替わり定食A、B、C…を順繰りに選んでいるようなところがある。

 もっとも、香川がドルトムントの中で、ロイスのような絶対的な立ち位置を確保出来ていないことも事実だ。

 しかしこうしたことは、香川本人が一番理解しているのではないだろうか。45分間で交代となったハンブルガーSVとの一戦の後で、周りの選手から活かされるために、「自分を出していかないと行けない」と香川は言葉を残した。

 それは、周囲との連携を深めるためだけの言葉なのだろうか。それはトリノでのユベントス戦で、先発としてピッチに立てなかったことにも通じるように思える。

 今季も残りあとわずかとなったが、4月11日の3位ボルシアMG戦、5月16日の2位ボルフスブルク戦といった上位勢との対戦が控えており、またドイツカップの決勝といった可能性もある。

 存在を証明するためのゲームは、まだ残されている。

フットボールチャンネル

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