本田、前節の不在で改めて示された存在感。研ぎ澄まされた刀は首位ユーベに。鍵はハードワークと一体感

4月9日(土)15時2分 フットボールチャンネル

不在で改めて示された本田の存在感

 「足の状態がよければ、そして彼の刀が研ぎ澄まれていればプレーするだろう。そうでなければ刀は腰につけたままで、見せないほうが良い」

 8日、ユベントス戦の前日会見に応じたミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督は、本田の出場についてジョークを交えつつ、コンディション次第という慎重な見方を示した。もっとも、今週の練習はフルにこなし、地元紙では先発復帰が予想されている。ポジションはやはり、4-4-2の右サイドハーフだ。

 前節のアタランタ戦は、右足首の打撲で欠場。そのポジションには、マッティア・デ・シーリオが先発出場した。MFでないところが意外だったが、「あのポジションでは他に代えがいなかったからだ。それに左なら、ジャコモ・ボナベントゥーラが故障した場合はルカ・アントネッリを一列前に上げているところだった」とミハイロビッチ監督は説明していた。あのポジションにはサイドの頻繁な上下動と、守備の時には戻ってスペースを固められる規律の高さが要求されているということである。

 もっとも守備を本職とするデ・シーリオは、残念ながら前線の攻撃に厚みを加えられてはいなかった。開始早々フリーのシュートを外したほか、臨機応変に中央へと絞ってくる本田と違って縦のランニング中心になるので、相手にも守備をされやすくなる。

 もちろん、中盤のパスの組み立てという面でもマイナスになる。アタランタにも守りやすく、「(動きの読みづらい)本田だったら、我われのDFはその動きを捕まえるのに苦労したかもしれない」と試合後の記者会見でエドゥアルド・レーヤ監督が話している。これは前回にもお伝えしたところだ。

 守備ではサイドで規律を守って働きながら、攻撃では臨機応変にポジションを移してくる。左のボナベントゥーラと両サイドでそういった動きをすることが、現在のミランでは戦術上非常に重要なものとなっている。

懲罰合宿明けのミラン、敗戦なら指揮官は解任?

 だが、今回の相手はユベントス。相手を圧倒する攻撃力を持ちながらも、守備の際には容赦なく引いてガチガチに自陣を固めることも厭わない。戦術家のマッシミリアーノ・アレグリ監督は緻密に相手のプレーを研究しながら、細かく潰してくる。8日、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで本田は「ユーベは典型的なイタリアのチーム」と語っていたが、こういった部分を指してのことだろう。

 相手は3バックが濃厚だ。本田が右に構えれば左ウイングバックのアレックス・サンドロが付いてくる。一方で内側に絞ればポール・ポグバがプレスに手を貸す。外側でも内側でも、本田の動きを緻密に消しにかかるだろう。

 そんなチームに対し、重要なのは駆け引きだ。「相手を支配して勝つ」というシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長の嗜好はさておき、現実的にミランとしては守備を固めてカウンター主体で攻めたいところ。うまく相手にイニシアチブを譲りわたし、攻めに掛かってきた裏を攻略したい。そういう形に持っていけば、本田の臨機応変な攻撃面での動きはカウンターで生きることになる。

 ミランは、懲罰合宿明けの一戦だ。ユーベに無様な破れ方をしたらミハイロビッチ監督は解任とも噂されている。しかし同監督は、近年のミランにないハードワークと一体感をチームにもたらした。ユーベ戦攻略の鍵はそこにある。監督から厚い信頼を受けた一人として、本の方向性の正しさをアピールできるか。本田にとっても頑張りどころである。

(取材・文:神尾光臣)

【了】

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