ドルトムント、“無意味”だったバイエルン戦。香川欠場…視線はCLモナコ戦へ

4月9日(日)14時19分 フットボールチャンネル

覇気のないドルトムント。全体的に躍動感なく…

 現地時間8日、ボルシア・ドルトムントはアウェイでバイエルン・ミュンヘンと対戦した。普段ならば注目の集まるビッグゲームだが、この日はドルトムントに覇気がなく大差がついた。しかし、状況を考えればトーマス・トゥヘルの選択は妥当だったとも考えられる。(取材・文:本田千尋【ミュンヘン】)

———————————–

 まだ前哨戦に過ぎない。

 2017年4月8日のブンデスリーガ第28節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでバイエルン・ミュンヘンと戦った。

 しかし“戦った”という表現はこの日のドルトムントに、まるで当てはまらなかった。開始早々の4分、あっさりとバイエルンに先制を許す。右サイドを上がったフィリップ・ラームからのマイナスの折り返しを、フランク・リベリーが難なく右足で合わせてゴールを決める。10分にはロベルト・レバンドフスキに直接FKをゴール左下に決められて、早くも2失点目。

 怪我人が相次ぐ中、ユリアン・ヴァイグルと香川真司も遠征に帯同しないなど、苦しいチーム事情が続くドルトムント。だからなのか、試合前の練習中からナーバスな雰囲気が漂っていた。そしてそういったことを差し引いても、試合が始まるとピッチ上の選手たちからあまり戦意が感じられなかった。より正確に言えば、消耗を避けたがっている、といったところだろうか。

 ドルトムントの十八番である“ゲーゲンプレッシング”は鳴りを潜めた。先鋒となるべきピエール=エメリク・オーバメヤンのプレスは迫力がない。前半戦でバイエルンをホームで迎え撃った時のような、堂々たる躍動は皆無。20分にはラファエウ・ゲレイロが弾丸ミドルで1点を返したが、追い上げムードは起こってこない。30分、バイエルンのカウンターにも選手たちは戻ろうとせず、前線に残ったまま。アリアンツ・アレナにはどこかシラけた空気が漂い、元気がいいのはドルトムントのサポーターたちだけだった。

 もっとも、リーグ戦での立ち位置と過密日程を考えれば、こうしたドルトムントのスタンスを責めることはできないだろう。特に直前に試合が行われたホッフェンハイムの状況が、戦略に大きな影響を与えたのではないか。

リーグ戦に影響がなかったバイエルン戦。あくまで視線はCLに

 バイエルン戦は現地時間で18時30分にキックオフした。その時点でドルトムントは勝ち点50の4位。先立って行われた15時30分キックオフの試合で、3位のホッフェンハイムはハンブルガーSVに1-2で敗れて勝ち点51の3位。仮にバイエルンに敗れたとしても、ホッフェンハイムとの勝ち点差は1のまま、ということになる。残りのブンデスリーガの日程で、十分に逆転を狙うことは可能だ。

 同様に15時30分キックオフの試合でマインツに1-0で勝利したフライブルクは5位に浮上したが、勝ち点は41。ドルトムントがバイエルンに敗北しても勝ち点差は9ポイント。まだまだ余裕はある。

 ピッチ上のドルトムントの選手たちとすれば、忸怩たる思いがなかったわけでないだろう。しかし、このバイエルン戦の結果が、リーグ戦の立ち位置にほとんど影響を与えないのであれば、ここで近視眼的に目の前の勝利にこだわる必要はなかった。

 必然的に力を入れるべきゲームは、3日後にホームで迎えるチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝モナコ戦の1stレグとなる。ただでさえミュンヘンに移動して負担があるのに、さらにバイエルンを相手にプレスをガンガン仕掛けて体力を消耗して、大一番で空っぽでは元も子もない。

 トーマス・トゥヘル監督の交代策も、このバイエルン戦の逆転を狙うものではなく、CLを意識したものだった。46分、セバスティアン・ローデを入れてゴンサロ・カストロを下げる。59分、エムレ・モルを入れてウスマヌ・デンベレを下げる。69分、サビン・メリーノを入れてゲレイロを下げる。ローデ、モル、メリーノに何か戦術的なタスクを持たせたようなところはなかった。

バイエルン戦は来るべき決戦の“前座”

 試合後の会見でトゥヘル監督によれば、カストロは内転筋に問題を抱えての交代とのことである。デンベレとゲレイロについては消耗を最小限で食い止めるため、と考えて差し支えないだろう。なおトゥヘルは、モナコ戦に向けて「ユリアン・ヴァイグルとシンジ・カガワが戻って来ることを望んでいる」と語っている。

 最終的にドルトムントは1-4でバイエルンに敗れた。後半にアリエン・ロッベンとレバンドフスキのゴールで次第に勢いを取り戻したアリアンツ・アレナは、ドルトムントの選手たちを尻目に歓喜に沸いた。

 しかし、惨敗だった、とは言い切れない。

 今回のバイエルン戦は、ドルトムントにとって、位置付けるならば“モナコ戦の前座”だった。CLを目前にして昨季王者が相手という、スケールの大きな前座だ。そこでスコアはあまり意味をなさないだろう。

 バイエルンと決着をつける場は残されている。26日に行われるDFBポカール準決勝。場所は再びアウェイのミュンヘンだ。

 つまり、4月8日に行われたブンデスリーガ第28節のバイエルン戦は、来たるべき決戦の前哨戦に過ぎなかったのだ。

(取材・文:本田千尋【ミュンヘン】)

フットボールチャンネル

「ドルトムント」をもっと詳しく

「ドルトムント」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ