前田健太、次は“運命の対戦”? Dバックス社長が明かす争奪戦撤退の理由

4月9日(土)10時19分 フルカウント

Dバックスのホール社長が明かす、前田争奪戦から撤退したワケ

 ドジャースの前田健太投手は6日(日本時間7日)の敵地パドレス戦でメジャーデビューを果たし、6回5安打無失点4奪三振無四球の快投で初勝利を飾った。驚きのメジャー初本塁打で白星に花を添えた日本人右腕は、12日(同13日)の本拠地ダイヤモンドバックス戦で2度目の先発を果たす予定となっている。

 ダイヤモンドバックスは昨季、首脳陣が来日し、広島で前田の登板試合を視察。デイブ・スチュワートGMは「マエダを愛している」と話すほど高い評価を与え、争奪戦に乗り出す方針を打ち出していたが、実際に獲得オファーは出さなかった。デリック・ホール球団社長は単独インタビューの中で、“運命の対戦”を迎える日本人右腕の争奪戦からの撤退について語った。

「東京で話したように、我々は今季、先発ピッチャーを探していました。先発ローテーションの強化が急務でした。我々はマエダサンを含めたフリーエージェント(FA)をリストアップしていましたが、今回の市場に出ている最高の投手はグリンキーでした。我々はオファーを出したところ、幸運にも獲得が実現したのです。

 グリンキーを獲得すると、我々の計画に変更が生まれました。もう1人先発投手を獲得する必要があったのですが、グリンキー獲得で他のフリーエージェント獲得に十分な資金がなくなってしまいました。そこでシェルビー・ミラーのトレードに動きました。彼は若い。25歳で年俸もリーズナブルです。契約年数もまだまだ残されている剛腕です」

「撤退は完全に資金面の問題。彼に対する評価は極めて高いものだった」

 ダイヤモンドバックスはドジャースからFA市場最大の大物とされていたザック・グリンキー投手をドジャース、ジャイアンツなどとの争奪戦の末に6年総額2億650万ドル(約288億円)の大型契約で獲得した。平均年俸約3442万ドル(約37億円)はメジャー史上最高。準備していた強化費の大半を新エース右腕に投じたために、補強戦略は方向転換を余儀なくされた。

「シェルビー獲得にはこちらも代償を払いました。プロスペクト2人にレギュラーをトレードで出しました。ですが、マエダサンからの撤退は完全に資金面の問題です。彼に対する評価は極めて高いものでした。

 我々はロサンゼルス、シカゴ、ニューヨークのようなマーケットの大きなチームではありません。補強で大失敗をできる余地はありません。経営計画を破綻させる強化はできません。こういう補強を選んだのですから、それがいい方向に働くことを祈っています。我々はグリンキーと契約ができていなければ、マエダサンの獲得という以前の方針で動いていたでしょう」

 ホール球団社長は前田獲得を見送った裏側について、こう説明した。

 前田はドジャースとの契約交渉の途中、球団側に提出したメディカルレポートで肘や肩への懸念が発覚したと報じられた。前田獲得への各球団の動きは予想よりも鈍いものだったが、健康問題が影響を与えたのだろうか。

「マエダサンに関しては肘や肩の懸念があるとアメリカで報じられていました。実際のところ、我々は知りませんでした。そういう情報は持っていないのです。その選手の獲得で合意したチームがメディカルレポートを見ることができるのです。交渉中であれば、メディカルレポートの提出を求めることもできますが、基本的には移籍で合意したチームのみが選手の健康状態を知ることができます。ですから、我々の撤退は彼のメディカル面への懸念ではありません。純粋な資金的な問題です」

前田は「素晴らしい選手です。恐ろしい」

 前田のメディカル面について知る立場にあったのは獲得の意思を表明し、合意に達していたドジャースだけだったという。そして、前田は同地区の強敵に移籍することになった。

「ドジャースは私の古巣ですが、無尽蔵な大金で選手をどんどん獲得する。我々のファンにとっても最大のライバルなのです。スタジアムでは“ビートLA!(LAを倒せ!)”の合唱になります。そこにマエダサンが行ってしまった。

 素晴らしい選手です。恐ろしいです。彼のオープン戦での初先発は我々のチームが相手でした。すごくいいピッチングを見せていました。運命でしょうか。彼は素晴らしいボールをたくさん持っています。とてもスマートな投手です。彼には大きな敬意を表しています。そして、メジャーで成功してもらいたいと思っています。できれば、我々のチームとの対戦ではケンタサンには好投してもらいたくないのですが……」

 こう言って笑顔を見せたホール社長は、かつて野茂英雄氏が活躍していた時代のドジャースで広報部長を務めていた経緯がある。この時に野茂氏が全米に巻き起こしたトルネード旋風がホール社長に「日本人選手をロースターに入れたい」と語らせる原動力でもある。

 前田は3月5日、キャメルバック・ランチで行われたダイヤモンドバックスとのオープン戦でメジャー初の実戦のマウンドに立った。ミラーとの注目の投げ合いとなったが、前田は2回1安打2奪三振で無失点と好投し、ミラーは2回5安打2失点と明暗を分けていた。

 メジャー2戦目のダイヤモンドバックス戦で、前田は再び好投を見せることができるだろうか。

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