F1バーレーンGP技術解説(2):ジェームス・キー加入のマクラーレンがバージボードをアップデート。トロロッソ・ホンダも同様の改善施す

2019年4月10日(水)11時48分 AUTOSPORT web

 2019年F1第2戦バーレーンGPでは、各チームが早くもアップデートを持ち込んだ。技術解説第2回目の今回は、フェラーリ製パワーユニットのトラブルの原因、マクラーレンやトロロッソ・ホンダの空力アップデートを紹介していく。


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(4)フェラーリのエンジントラブル
 バーレーンGPではフェラーリ製パワーユニットのトラブルによって、シャルル・ルクレールの初優勝はお預けとなってしまった。レース中の無線交信を聴く限りは、原因はMGU-Hと思われた。ところがその後マッティア・ビノット代表は、「終盤46周目に、1気筒の燃焼に問題が生じた」とコメント。「しかしなぜそれが起きたのかは、現時点ではわからない」とのことだった。


「この種の不具合が起きた場合、エンジンマッピングに変更を加えたりして、回復を試みる。今回も様々な方法をトライしたが、ダメだった。それで出力を落としたまま、走らざるをえなかった」


「今後マラネロで徹底的に原因分析を行うが、エンジンそのものにダメージはないと思われ、中国GPの初日にそのまま使う予定だ。そのデータを見て、そのまま使い続けるかどうかを決定する」

フェラーリ製パワーユニット


(5)マクラーレンの精力的な空力変更
 長くガーデニング休暇を強いられていたジェームズ・キーが、マクラーレンのテクニカル・ディレクターとして初めてレース現場に姿を見せた。長い低迷から脱出しようと、マクラーレンはバーレーンGPでもいくつかの空力アップデートを持ち込んでいた。

マクラーレンがバーレーンでアップデートを施したウイング


 そのひとつがバージボードで、新たに6枚のデフレクターを装着し(黄色矢印)、ベース部分に深い切れ込みを入れた(赤矢印)。さらに上方のミニウィングは、ブーメラン型に形状を変更している(青矢印)。

アップデートを施したバージボード


(6)トロロッソ・ホンダ
 キーを奪われたトロロッソも、負けていない。同じように、バージボードに変更を加えている。上方切れ込みが6枚から5枚へとシンプルになったのに対し(黄色矢印)、逆にベース部分の形状は複雑さを増している。車体の構造的なパーツではないバージボードは、比較的安価に、そして短時間でアップデートしやすい。そのためシーズンを通じて、この部分の形状は目まぐるしく変化する。

トロロッソ・ホンダがバーレーンGPで使用したバージボード


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