本田、首位ユーベに“スピリット”示すも攻撃の見せ場なし。求められる危険性

4月10日(日)14時22分 フットボールチャンネル

「技術では昔の名選手に及ばない。だからプロの姿勢で彼らを超える」

 ミランは現地時間9日、セリエA第32節で首位のユベントスと対戦し、1-2で逆転負けを喫した。試合前にプロとしての精神を語っていた本田圭佑は、ユベントス相手にそのスピリットを見せるが、攻撃で見せ場を作ることができず途中交代となっている。本田には、今後も攻撃面での危険性が求められる。(取材・文:神尾光臣)

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「『ガゼッタ・デッロ・スポルト』の本田のインタビューを読んだよ。とても感銘を受けた。彼はとてもインテリジェントな人物だね」

 イタリアサッカーを専門に取材し、ユーロスポーツフランスサッカー誌『SO FOOT』日刊紙『ル・パリジャン』など複数のメディアに寄稿するフランス人ジャーナリスト、バレンティン・パウルッツィ記者から話しかけられた。

 ミランの本田圭佑は8日、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューに応え、冷静な現状分析と考察を率直に語っていた。

「選手はみんな、チャンピオンズリーグに出てタイトルも勝ち取りたいもの。ですが現実を直視なければいけない」

「イタリアの文化では過去の成功にこだわりすぎる。他のヨーロッパの国のような改革も必要。日本でも、自分がまだ30に満たないにも関わらず、もう本田の後をどうするかということが話題になっている」

「技術の上で僕は昔の名選手たちには到底及びない。だからせめて、プロとしての姿勢は彼らを超えるようでないと。本来クラブが伝えないといけないメンタリティーもこういうことだろう」

 本田がミランで定位置を再奪取した理由はチームプレーヘの貢献にあるが、その裏側にある精神について彼は主に語っていたのである。そしてそれは、広くイタリアサッカーを観察した立場の外国人ジャーナリストの目にも興味深く映ったようだ。

本田、首位ユーベ相手に攻撃の見せ場作れず

 9日のユベントス戦でも、本田はそのスピリット通りのプレーを見せていた。積極的にサイドを走り、SBイニャツィオ・アバーテのカバーに入り、また中央の守備が乱れているとなれば中へ絞って味方の穴を埋める。こうした動きはこの試合でも、戦術上効いていた。非常に攻撃的なサイドアタックを武器とするアレックス・サンドロが、この試合では全く攻めに行けていないかった。

 本田のこうした貢献もあって、ミランはチームとして60分間はユベントスを抑え、中盤でも走り勝っていた。だがこれまでと違ったのは、攻撃で見せ場を作れなかったことだ。ゴールはおろか、クロスも上げさせてもらえなかった。

 さすが、首位ユベントスの守備は緻密で堅かった。対面にはアレックス・サンドロが張り付き、前を抑えられているので前が向けず苦しむ。

 また裏のスペースもジョルジョ・キエッリーニの故障でチャンスが巡ってきた新鋭DFのダニエレ・ルガーニにカバーされていたために、縦にボールが出せずにいた。さらにユベントスは前線からのプレスも厳しいため、DFラインからのパスも阻害される。結果、攻撃の場面でボールが持てなくなっていた。

指揮官は手応えも…追及すべき攻撃の危険性

 それでも前半33分には、左足でミドルシュートを放っている。GKの手前で落ち、処理の難しいバウンドとなったシュートで点を取ったジェノア戦のゴールと似たものだった。しかし今回、コースが甘かった上に立ちはだかったのはあのジャンルイジ・ブッフォン。コースに着実に入り、バウンドしたボールを冷静に処理をして手中に収めていた。

 結局それ以上にチャンスをは作れず、逆転を食らった後半には真っ先に交代を命じられる。残念ながら、攻撃面で物足りないというシーズン前半戦からの課題が再び露呈してしまった。

 チームも逆転負け。しかしシニシャ・ミハイロビッチ監督は「今日は精神の面で、最近の試合と違うものが見られた。この日の開始から60分間のプレーをすれば、上位には肉薄できるしコッパ・イタリア決勝でも堂々とユベントスに戦えるだろう」とポジティブに語っていた。

 その前半では、本田も確かによく奔走していた。しかしその時間帯で、良い攻撃ができなかったのはやはりマイナスポイントか。攻撃におけるさらなる危険性も追求してほしいものだ。

(取材・文:神尾光臣)

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