中日・小笠原2軍監督が明かす、指導者としての強みと日の丸を背負った意味

4月11日(火)9時45分 フルカウント

2軍指揮、選手の変化、日の丸の意味…小笠原道大氏が語る監督業の日々

 昨シーズン、19年ぶりの最下位に沈んだ中日。しかし、ウエスタン・リーグではソフトバンクに次ぐ2位と好成績を残し、12年から3年連続最下位、15年4位と苦しんでいた低迷期から脱出した。

 チームを浮上に導いたのは、昨季から就任した小笠原道大2軍監督。現役時代は日本ハム、巨人、中日でプレーし、日本代表として日の丸を背負ったこともある指揮官に、自身が影響を受けた出来事や指導者などを聞いた。

 昨年は監督として指揮を執った初めてのシーズンだったが「経験豊富なコーチ陣がいるので、監督としてのプレッシャーは少なかった」と話す。

「1軍の場合は結果が全てですが、2軍なので、やることをやるだけです。そこまでのプレッシャーはないですね。コーチの方たちと相談しながらやっています。1日1日が勉強の毎日です。色んなチームを見てきているコーチがいるので、困らなかったですし、サポートしてもらっています。皆さんのおかげで、思い切ってできています」

 現役時代は朝早くに球場入りしていた小笠原2軍監督。指揮官になってからは、生活スタイルも変わったという。

「ナイターがありませんから、規則正しい生活になりましたね。それに、練習をしなくてよくなったので(笑)、現役時代とは多少変わりましたね」

 千葉県の暁星国際高校から社会人のNTT関東を経て1996年のドラフト3位で日本ハムに入団。社会人を5年間経験してからのプロ入りだった。自身がプロ入りした当時と比べ、選手の考え方にも変化が出てきていると感じている。

「20年以上経っていますから、選手の気持ちがわかる部分もあれば、わからない部分もありますね。選手の生活、環境にも変化が生じています。こちらが普通に思っていることが、違うことも多いです。その時々で対応していかなくてはいけないですね」

プロ入りへのルートも増、「諦めずに頑張って欲しい」

 社会人チームの数も大幅に少なくなったが、代わりに独立リーグができたことでプロ入りへの手段が増えた。小笠原2軍監督はそのことにも言及し、プロを目指す選手へエールを送る。

「そこでチャンスを掴めばプロに入れる。手段は1つではないですね。ドラフトを通らなければいけないところは変わりませんが、高校、大学、社会人だけではなくなった。諦めずに頑張って欲しいと思います」

 自身は高校、社会人、日本ハム、巨人、中日、日本代表といくつものチームを経験。采配を振るう上で、さまざまな監督の指導法が参考になっているという。

「監督ごとにオリジナリティがあり、みんな素晴らしい方でした。いろいろなパターンの監督と接して来られました。状況に応じて、その方たちから学んだ、さまざまな引き出しを利用できます。たくさんチームを渡って、いろいろな野球を勉強できた。たくさんの監督と接したことで、勉強になりました」

 2004年のアテネ五輪、2006年、2009年の第1回、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、日本代表として日の丸を背負った。

「日本代表はいい経験でした。プロは最初から『チーム』と言っても、ピンと来ないところがあります。余裕がなく自分の成績だけになってしまい、みんなで同じ方向を向いてやるということがなかなかありません。アテネ五輪が初めての代表でしたが、インパクトが強く、この時の経験は大きかったですね」

 侍ジャパンが4強で敗退した第4回WBCに出場した岡田俊哉投手、平田良介外野手には「チームに帰ってきたらいい影響を与えてくれれば」と期待する。

「他の選手も、チャンスがあるなら目指してもらいたいですね。現状で満足せず、高いレベルを求めて欲しい。そういう気持ちでいれば、所属しているチームにもプラスになります。いろいろなことに興味を持って、チャレンジして欲しいと思います」

豊富な経験も「勉強の毎日」と話す小笠原2軍監督

 数々のチームでプレーし、日本代表としても戦った経験は、何物にも代えられない。その経験を選手たちに伝えている。

「経験した人と、していない人の言葉は違うと思います。逆に、自分でも経験していないこともありますから、正しい言葉が出るかどうかは、勉強中です。経験したことはそれに基づいて、なおかつ、かみ砕いて『彼らに伝わるのか。理解して行動に移してもらえるのか』ということを考えて、選手たちに接しています」

 30歳を超えても2軍にいる選手もいる。1軍に上がったことのない選手もいる。1軍に上がっても、入れ替えで落ちてくる選手もいる。それぞれを把握しなくてはいけない、2軍監督ならではの苦労もあるという。

「コミュニケーションの取り方も選手によりますね。365日、全員に話しかけられるわけではないので、遠くから見て観察しているときもありますし、タイミングをみてコミュニケーションは取っています。メリハリはつけていますね」

 ナゴヤ球場内には2軍PRのため、小笠原2軍監督のポスターが掲示されているが、これについて聞くと「恥ずかしいですね」とはにかんだ。

「ポスターになるのは、普通は選手で、2軍の監督というのはないですよね。ありがたいとだと思います。球団のPRになって、一人でも多くの人に球場に足を運んでもらえるように、出来る限りの協力はしていきたいと思っています」

 質問にひとつひとつに丁寧に答え、自身が世話になった監督、そして現在、共にチームをまとめるコーチ陣への感謝の言葉を忘れない。数多くのチームで戦い、豊富な経験がありながらも「勉強の毎日」と話す小笠原2軍監督の姿は、1軍を目指し切磋琢磨する選手たちにも心強い存在になっているはずだ。

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki

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