阪神・藤浪はどの部分が「未完」なのか データから見える課題とは

4月11日(火)13時14分 フルカウント

数字から見える藤浪晋太郎の「未完」な一面

 雨が心配ではあるが、今日11日、阪神の藤浪晋太郎は横浜スタジアムでの今季2度目の先発が予定されている。

 前回登板では9四死球の大乱調。試合では乱闘騒ぎまで引き起こしてしまった。WBC代表にも選抜されたが、不安定な投球のため、登板は1度だけ。同い年の大谷翔平とともに期待される大型選手ながら、藤浪は「未完の大器」のイメージがついて回る。

 藤浪は、どんな部分が「未完」なのか、実はデータでもはっきりわかる部分がある。2つの指標でそれを示そう。

 投手の優秀さは「防御率」という数値で示される。防御率は9回完投したとして何点奪われるかを示した数値だ。ただし、防御率は「失点」ではなく「自責点」で算出される。自責点には、野手の失策絡みで失った点は含まれない。被安打や被本塁打、与四球など投手の責任とされるリザルトによって失った点=自責点に基づいている。

 藤浪の防御率は、規定投球回数に達した2014年以降、3.53、2.40、3.25。抜群の成績とは言えないが、優秀ではある。しかし、藤浪は防御率に表れない失点、つまり失策絡みの失点が非常に多いのだ。

セ・リーグ過去3年の「自責点にならない失点率」

 過去3年のセ・リーグ、「自責点にならない失点率」を見ていこう。計算は「失点率-防御率」。

○2014年
1 内海哲也(巨)0.00
2 久保康友(De)0.10
3 山井大介(中)0.10
最下位 藤浪晋太郎(神)0.83

○2015年
1 前田健太(広)0.04
2 ジョンソン(広)0.14
3 メッセンジャー(神)0.19
最下位 藤浪晋太郎(神)0.77

○2016年
1 石田健大(De)0.00
2 黒田博樹(広)0.12
3 小川泰弘(ヤ) 0.17
最下位 藤浪晋太郎(神)0.91

 上位の選手は毎年変わるが、藤浪は、3年連続で規定投球回数以上の投手で最下位。失策絡みでの失点が非常に多いのだ。これでは防御率は優秀でも、チームへの貢献度は高いとは言えない。

 藤浪のこの数値には2つの説明が可能だ。1つは、藤浪は、失策で走者が出ると気落ちして打ち込まれやすい可能性があるということ。ピンチで踏ん張ることができないメンタル面の傾向があるのではないかということだ。

 2つ目は、藤浪の投球テンポが悪くて、野手陣の失策を誘発しているのではないかということ。藤浪は無駄球が多く、守る時間が長くなる傾向にある。このことがバックスに影響している可能性はあるかもしれない。

フィールディングの問題も…

 さらに、藤浪はフィールディングの問題も見られる。以下は、過去3年間の規定投球回数以上の投手の守備率。

〇2014年
1 山井大介(中)ら5人 1.000
最下位 藤浪晋太郎(神) .857(守備機会42、6失策)

〇2015年
1 ジョンソン(広)ら7人 1.000
最下位 藤浪晋太郎(神) .915(守備機会47、4失策)

○2016年 
1 菅野智之(巨)ら7人 1.000
最下位 藤浪晋太郎(神) .930(守備機会43、3失策)

 先発投手は年間、40数回程度しか守備機会がない。守備率100%も珍しくない。その中で藤浪の守備率は際立って低いと言えるだろう。年々守備率は向上しているが、まだ他の選手とは開きがある。自分の恵まれた体をうまく使うことができていないというのが率直な印象だ。また、守備機会で焦ってしまう、メンタル面も影響している可能性がある。

 数は多くはないが、自らの失策で失点するという防御率には現れない失敗も散見される。藤浪晋太郎のこうした課題は、一朝一夕に改善されるわけではない。しかしこうした弱点を意識することで、努力の方向性が見えてくるのではないだろうか。

*データは筆者独自計算に基づく

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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