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CL4連覇に近づくロナウド。アヤックスの「甘い夢」をぶち壊す

4月11日(木)16時55分 Sportiva

 チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第1戦アヤックス対ユベントス。注目はクリスティアーノ・ロナウドに集まっていた。アトレティコ・マドリードとの決勝トーナメント1回戦第2戦を、ユベントスは0−2(第1戦)の劣勢で迎えながら、ロナウドがハットトリックを達成。エースが逆転勝利の立役者として圧倒的な存在感を発揮したが、3月25日に行なわれたユーロ2020予選セルビア戦で右太ももを故障。このアヤックス戦に間に合うか、微妙な状態だと言われていた。

 相手のアヤックスが、古巣のレアル・マドリードにまさかの逆転勝利を収め、その4連覇の夢を砕いていたことも、彼への関心に輪を掛けていた。レアル・マドリードの4連覇という夢は潰えたが、ロナウド個人には残されている。これは、チャンピオンズカップ(CLの前身)草創期にレアル・マドリードが5連覇した当時のメンバーの中でも、アルフレッド・ディ・ステファノら、数人しか成し得ていない大記録だ。4連覇への関心は、レアル・マドリードからロナウド個人にすっかり移行していた。

 34歳といえば大ベテランの域に入る。ケガの治りも遅くなりがちだし、運動量の低下も必至だ。しかもロナウドはFWであり、消耗の激しいアスリート系だ。後方の選手より限界が早く訪れたとしても不思議はない。レアル・マドリードが手放した理由も年齢的な問題と無関係ではないはずだ。


アヤックス戦で先制ゴールを挙げたクリスティアーノ・ロナウド

 ところがアヤックスの本拠地、ヨハン・クライフ・アレーナに、ロナウドは颯爽と登場し、前半45分、ユベントスに貴重な先制点をもたらした。

 ピッチの中央左寄りでロドリゴ・ベンタンクールからボールを受けると、右サイドを走るポルトガル代表の後輩、ジョアン・カンセロにパスを送る。その足ですかさず、相手のゴール前に見出したスペースに走り込み、ポジションを確保。そしてリターンとなるクロスボールに、筋肉質の身体を鋭く反応させた。

 先制弾となるヘディングシュートが決まった瞬間だが、なにより前半終了間際という奪った時間帯がよかった。

 前半、主導権を握っていたのはアヤックスで、少なくとも18分にハキム・ジエク、25分にドニー・ファン・デ・ベークが放った2本のシュートは決定的だった。そうした流れのなかで、アヤックスは相手のエースにアウェーゴールを奪われてしまった。ショックは大きかったに違いない。

 それは両者の関係が露わになったシーンでもあった。準々決勝を前に、ユベントスはブックメーカーの優勝予想で1番手に祭り上げられていた。一方、アヤックスは7番手。好チームではあるが、強チームではない。ユベントスにはレアル・マドリードのような穴はない——というブックメーカーの判定は、正しいように見えた。

 だが、後半開始直後、それを覆すシーンが訪れた。最近ブラジル代表にも選ばれた左ウイング、ダビド・ネレスが、小柄な身体を活かし、左サイドからスルスルと切れ込む。そして振り幅の狭いミドルシュートを放つと、ボールは逆サイドの右隅に、きれいな弾道となって吸い込まれたのである。

 1−1。ユベントスは最高の時間帯に先制しながら、最悪の時間帯に同点弾を許した。そしてその後、嫌な気配を感じながらプレーすることになった。いい気分でプレーしたのは結局、1分程度にとどまった。

 アヤックスに番狂わせを許したレアル・マドリードは、その第1戦のアウェー戦を1−2の勝利で折り返した。第2戦を1−4で落として敗れ去ったわけだが、第1戦だけの比較で言えば、内容的にもスコア的にもレアル・マドリードはユベントスに勝っていた。

 これは、この間のアヤックスの成長を物語っている。7番手ながら、本命ユベントスを相手にしても、バタつくことはない。引かずに前に出る。そのパス回しは一段と洒脱になっていた。

 アヤックス対ユベントスと言えば、アヤックスが優勝した1994−95シーズンではなく、準優勝に泣いた1995−96シーズンを思い出す。ローマのオリンピコで行なわれた決勝戦。その対戦相手がユベントスだった。ユベントスのファブリツィオ・ラバネッリとアヤックスのヤリ・リトマネンがそれぞれゴールを決め、1−1から延長、PK戦に及んだ一戦だ。

 試合内容は五分五分。優勝したその前シーズンのメンバーから、何人かを引き抜かれても、アヤックスはユベントスと拮抗した関係を築いていた。パス回しは当時も冴えていたが、それはどちらかと言えば展開力という意味で、狭い局面での崩しは、今回のチームのほうがイカしている。

 唯一、足りないのは決定力。今回のチームには、リトマネン、パトリック・クライファート、ヌワンコ・カヌがいない。ほぼ完全に崩さないとゴールは決まらない仕組みになっている。

 日本代表に近いサッカーとも言えるが、逆に言えば、決まった時はその分、鮮やかだ。前戦のレアル・マドリード戦で奪った5ゴールはその産物になる。決定力は高くないのに勝ってしまった。アヤックスの魅力が凝縮された一戦だった。

 ユベントスはレアル・マドリードより力関係が接近している。第1戦終了後のスコアも1−2ではなく1−1だ。1−1のスコアからPK戦で敗れた1995−96シーズン決勝の借りを返す機会と言ってもいいだろう。

 もしあの時、アヤックスが勝利を収めていれば、CL2連覇だった。1988−89、1989−90のミラン以来、2連覇を達成したチームが、一昨シーズンのレアル・マドリードまで、27シーズン現れなかったことを考えると、その間にアヤックスは2連覇にもっとも近づいたチームということになる。繰り返すが、メンバーを何人か抜かれたにもかかわらず、だ。

 今回のチームにも似た運命が待ち構えている。シーズン後、このメンバーは散り散りになっているはずだ。ユベントスとの第2戦が見納めになるかもしれない。

 そんな感傷に浸りたいファンにとって天敵になるのがロナウドだ。34歳になっても甘い空気をぶち壊すFWとしての力は健在だ。個人としてCL4連覇を達成することができれば、6度目のバロンドール獲得も夢ではない。第2戦を楽しみにしたい。

Sportiva

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