F1キャリア33勝目を狙うアロンソ。レッドブルとの差を認めつつも、チーム内の“緊張”に乗じて隙をつけるか
2023年4月12日(水)8時0分 AUTOSPORT web
アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、実力でレッドブルを倒すことはほぼ不可能だとわかっているが、レッドブル内の緊張が高まったら、F1における待望の33勝目への扉が開く可能性がある。
これまでのところ、アストンマーティンは2023年シーズンの驚異となっており、アロンソは今年の開幕戦から3戦連続で表彰台を獲得している。しかしながら、圧倒的優位にあるレッドブルのRB19は抜きん出ており、見たところアストンマーティンやメルセデス、フェラーリといったライバルたちは手が届かないようだ。
だがアロンソは、レッドブルに混乱の瞬間が生まれたり、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスの間にちょっとした争いがあったりすれば、その隙間をすり抜けて勝利をもたらすチャンスを掴める可能性があるだろうと述べている。
「優勝が実現することを願っている。33回目の勝利についてはずいぶん話題になっているからね」とアロンソは『DAZN』に語った。
「でも現実的にならなければいけない」
「今のレッドブルははるか前にいることはわかっている。でも何かが起きることもあるかもしれない。信頼性の問題や、彼ら同士の接触なんかがね。彼らが緊張した環境にいるという話を多く聞いているから、注意を払っていくよ」
確かに最近フェルスタッペンとペレスの間には、何度か緊迫した瞬間があった。昨シーズンのモナコGPでの予選でペレスがフェルスタッペンを妨害したと疑われ、同年のサンパウロGP(ブラジルGP)ではフェルスタッペンがレース終盤のチームオーダーに従わなかったということがあった。さらに最近では、サウジアラビアGPで優勝したペレスは、フェルスタッペンがプッシュを止められていたにもかかわらずレース終盤でファステストラップを記録し、ボーナスポイントを奪ったことを知って驚いた。
レッドブルの現在の覇権は、今シーズンにチームが激しい内部対決に直面する可能性があることを暗示している。しかしチーム代表のクリスチャン・ホーナーは、フェルスタッペンとペレスの間が手に負えなくなるとは考えていない。
「ふたりは非常に成熟したドライバーだ」とホーナーはサウジアラビアGPの後に語った。
「彼らは以前からうまく仕事をしてきた。事前にレースをシミュレーションし、最終的に展開することになる、問題のシナリオについても話し合った」
「その際には、『レースは自由にしていいが、交戦規定として優先されるべきはチームだ。互いに敬意を払い、ドライブしているマシンを尊重するように。最大限のポイントを持ち帰ることを求める』と言った。そして彼らはそうしたのだ」
それでもアロンソは万が一に備えて見守っており、攻撃に出る準備を整えている。