【巨人】なぜ戸郷翔征はプロワースト、10失点KOされたのか 「狂ったメカニズム」「今後の道」とは
2025年4月12日(土)12時16分 ココカラネクスト

戸郷はプロワーストの10失点、ここから巻返せるか(C)産経新聞社
衝撃的なシーンだった。
11日の広島戦(マツダ)に先発した戸郷翔征は今季3度目の先発で4回途中10安打10失点と大炎上。今季2度目の開幕投手を託された若き右腕が開幕から悪夢の3連続KOとなり、試合後に2軍降格が決まった。
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今度こそー、巨人ファン誰もが勇姿を期待した試合。
しかし戸郷は広島打線につかまる。1点リードした2回一死二、三塁の場面。菊池涼介にレフト線へ2点適時二塁打を許すなど、この回3失点。
さらに4回には2四球、長短打含む6安打7失点。しきりに戸郷もマウンドで首をひねるもそれでもベンチも救援陣をあえて送り込まず、一方的に失点が重ねられる光景にマツダスタジアムも異様な空気となっていく。
2−9の4回一死二塁、野間に三者連続となる適時打を浴びて10失点目。続くファビアンに安打を許したところで、指揮官の阿部慎之助監督がゆっくりベンチから出ていく。
交代を告げられた戸郷はマウンドでうつむきながら、ベンチに引き上げ戦況を見守った。
戸郷にとって10失点はプロ7年目にして自己ワースト。今季の登板では幾度となく首をかしげるシーンも目立つが、パフォーマンスを示すことができない。
昨季はノーヒットノーランも達成し、12勝をマーク。自身2度目となる最多奪三振のタイトルを獲得と4季ぶりのV奪回を果たしたチームをけん引した。
また戸郷の持ち味といえば、テンポ良く投げ込み、直球とフォークのコンビネーションで打者を抑えていくというもの。
ただ今季は基本の直球に球威がなく、この日も140キロ台、直球が走らないことで変化球も見極められるという悪循環が続いている。3月15日に行われたドジャースとのプレシーズンゲームでは1イニング3被弾されたことも大きく話題を集めたが、フォーカスする球種が少なくなれば、相手打者からしたら攻略もたやすくなる。
試合後、阿部監督は戸郷の2軍降格を決めた。序盤から試合を壊してもあえて投げさせ続けた采配も批判覚悟で、現状を知ってもらいたいという親心も感じさせる。
いずれにせよ投手陣の柱である戸郷が浮上しないことにはチームも乗っていかない。
2軍に落ちたことで改めてフォームの改善点を洗い出し、体のキレを出す作業にも着手することになりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]