CLベスト8、2ndレグ。マンCとPSG、対峙する強欲なまでの野望。UAE対カタールの金満頂上対決

4月12日(火)10時51分 フットボールチャンネル

1stレグの2-2。過去のデータではシティ有利

 現地時間12日、チャンピオンズリーグ(CL)ベスト8の2ndレグでマンチェスター・シティとパリ・サンジェルマン(PSG)が対戦する。1stレグでPSGのホームで2-2と引き分け、2ndレグではシティのホームで行われる。近年豊富な資金力で国内リーグを制した両チームにとって、CL優勝はまさに野望である。中東資本で急成長を遂げた2つの金満クラブが、雌雄を決しようとしている。
(文:今関飛駒)

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 現地時間12日、CLベスト8の2ndレグでマンチェスター・シティとPSGが対戦する。“ビッグイヤー”(大きな耳、の意。CL優勝トロフィーを指す)を懸けた戦いも終盤戦に差し掛かっている。

 PSGのホームで行われた1stレグでは、PSGにズラタン・イブラヒモビッチのラッキーなゴールもあったが、アウェイのシティが2つのアウェイゴールを持ち帰る2-2という結果に終わった。2ndレグでは、勝利チームが文句なしの勝ち抜け、引き分けならスコア次第で決まる。

 一見すると2-2というスコアは両チームにとって50%-50%にも思えるが、“アウェイゴール”というルールがそれをイーブンにさせていない。それこそが、CLの醍醐味でもあるのだ。

 現行のCLに名称が変更されてから、ホームでの1stレグの結果からベスト4進出の可能性を占ってみる。

0-0 9勝21敗
0-1 1勝22敗
0-2 0勝12敗
0-3 0勝5敗
0-4 0勝1敗
0-5 0勝3敗
1-0 23勝13敗
1-1 13勝21敗
1-2 1勝5敗
1-3 0勝6敗
1-6 0勝1敗
2-0 18勝2敗
2-1 13勝10敗
2-2 2勝11敗
2-3 0勝6敗
2-4 0勝1敗
2-5 0勝1敗
3-0 7勝2敗
3-1 8勝6敗
3-2 1勝6敗
3-3 0勝2敗
4-0 6勝0敗
4-1 6勝1敗
4-2 1勝1敗
5-1 1勝0敗
5-2 2勝0敗

 過去のCLでホームでの1stレグを2-2で終えたケースは13回あるが、そのうち突破できたのは2回だけ。PSGにとっては不利なデータとなる。

難を抱える守備、ホームでの勝負弱さ…不安要素の多いシティ

 ブックメーカー『ウィリアムヒル』では、1stレグ前のオッズがPSG:1.44倍、シティ:2.62倍だったが、試合後にはPSG:2.37倍、シティ:1.53倍と逆転している。1stレグの結果を受けてファンも心変わりしているのがわかる。

 PSGは、突破のために最低でも1得点を奪うことが絶対条件。0-0または1-1であればシティの突破が決まるため、PSGは3-3以上の引き分けでも突破となるが、現実的にアウェイでの勝利を目指してくるだろう。

 シティはできるだけ失点を抑え、ロースコアでの勝負を挑みたいところだが、守備にやや難を抱えている。今季のCLで完封できたのはベスト16・2ndレグのディナモ・キエフ戦だけであり、10試合で11失点を喫している。

 守備の支柱であるキャプテンのヴァンサン・コンパニの欠場が大きく響いており、1stレグでも不在の大きさを感じさせた。2ndレグでも欠場となるため、PSGの強力攻撃陣をエリアキム・マンガラとニコラス・オタメンディのセンターバックコンビが抑えられるかどうかは勝負を分けるポイントとなりそうだ。

 また、シティはホームでの勝負弱さも目立つ。今季のリーグ戦ではホームで5敗を喫しており、アウェイでの4敗よりも多い。ホームでの敗戦はウェストハム、リバプール、レスター、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドといった上位陣や強豪チームとの対戦であり、グループステージではユベントスにも敗れている。力の拮抗した相手に競り負けることが多く、ホームといえども慎重な試合運びを心掛けたい。

 直前のリーグ戦ではウェストブロムウィッチ戦で2-1の辛勝。接戦だっただけに、主力選手の多くを起用せざるを得ない状況だった。エースのセルヒオ・アグエロは後半アディショナルタイムまでプレーし、ヘスス・ナバス、フェルナンドといった選手はフル出場となった。

 ただし、1stレグを欠場していたヤヤ・トゥーレは30分出場して試運転は完了。今季で退団濃厚といわれているが、攻撃に厚みを持たせることができる大黒柱の復活がチームに与える影響は小さくはないはずだ。

UAEとカタール、強力な中東資本を得た両チーム

 この大一番に万全の状態で臨めるのは、やはりアウェイのPSGだろう。すでに史上最速でのリーグ1優勝を決めているPSGは、直前のリーグ戦でギャンガン相手に先発7人を入れ替えて2-0で勝利する余裕を見せている。

 攻撃の要であるイブラヒモビッチやエディンソン・カバーニ、守備の中心であるチアゴ・シウバら主力は揃って温存。来たる大一番では休養十分で挑んでくる。

 だが、ブレーズ・マテュイディとダビド・ルイスが出場停止、ハビエル・パストーレとマルコ・ヴェラッティが負傷のため欠場となる見込みとなっている。特に豊富な運動量で攻守に奔走できるマテュイディは相手にとって脅威となる存在だけに、ローラン・ブラン監督は中盤の構成に頭を悩ませることになるかもしれない。

 それでも、国内リーグ優勝を決めてCLに100%集中できるPSGに比べ、シティは来季のCL出場権内となる4位争いの真っただ中におり、周囲の結果にも一喜一憂している状況下にある。

 クラブ史上初のベスト4進出を目指すシティと同じく初の優勝を目指すPSG、どちらも懸ける意気込みは強いはずだが、そういった背景の中で両チームともCLへのモチベーションがどれだけ発揮できるかが注目のひとつとなる。

 近年、この2チームは急激な成長を遂げている。数年前までCLベスト8到達は夢のまた夢だった両チームだが、シティはUAE、PSGはカタールの中東資本を得て一躍国内リーグを席巻。欧州トップ4の座に王手をかけた。

「お金でタイトルを買うことはできない」とはフットボールの世界でしばしば聞かれる常套句だが、彼らは豊富な資金力でわずか数年でビッグクラブに肩を並べる存在に登りつめている。強欲なまでに自らの野望を遂げようとする両雄だが、彼らがその歩みを止めることは決してない。

 たとえ、“大きな耳”を手に入れて世界中から羨望の声を聞くことになったとしても。

(文:今関飛駒)

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