【米国はこう見ている】田中将大に手術は必要? “経験者”のカ軍エースは「受けるべきではない」

4月12日(日)12時16分 フルカウント

ウェインライトが指摘「手術を回避し、まだ支配的でいられる」

 ヤンキースの田中将大投手が6日(日本時間7日)の開幕戦ブルージェイズ戦で4回5失点(自責4)と乱調に終わり、地元のNYメディアは厳しい批判を繰り広げている。

 特に痛烈だったのは、地元紙デイリー・ニューズの記事。田中が新たに取り組んでている90マイル(約145キロ)前後のツーシーム主体の投球内容に苦言を呈し「小手先のピッチャーとして乗り切れるという希望にすがり、不可欠なことを遅らせる価値はあるのか」と指摘。見出しでは「マサヒロ・タナカがこんな投球をするのなら、ヤンキースは今、彼にトミー・ジョン手術を受けさせるべきだ」と言い切っている。

 米国内では、昨年7月に右肘靭帯部分断裂と診断されて約2か月離脱した田中に対して、早く靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)に踏み切るべきという声は根強い。一方で、保存療法を選んだヤンキースの決断を支持する声もある。

 地元紙ニューズデイは、開幕前の3月28日に「アダム・ウェインライトいわくマサヒロ・タナカは手術を回避し、まだ支配的でいられる」と題して特集。田中と同じように、手術をせずに6年間に渡ってメジャーで活躍を続け、通算120勝を誇るカージナルスのエース右腕への取材を基に記事を掲載している。

 記事では、ヤンキースが今年のプレーオフに進出し、田中がより素晴らしい投球をする可能性について「それは可能だ。なぜなら以前にも起こっているから。アダム・ウェインライトに聞いてみよう」としている。

ウェインライトは手術を回避して6年活躍、その間に2度のサイ・ヤング賞候補に

 ウェインライトは靭帯部分断裂が見つかりながら、メスを入れずに活躍を続けた。「彼は1度ではなく、2度もそれをして、2010年にトミー・ジョン手術が必要となるまでに6年間、メジャーリーグの打者を支配した」。最終的には右肘にメスを入れたが、それまでMLBで超エース級の投手として君臨。そして、手術から復帰後も圧倒的な投球を続けている。

 ウェインライトが最初に右肘靭帯損傷と診断されたのは高校生の時だという。ただ、手術をすることなく、2000年のドラフト直前のMRI検査をパス。カージナルスに1巡目(全体29位)指名を受けて入団した。

 その後、3Aまで昇格した段階で右肘に異常を感じたというウェインライトだが、医者は手術回避を提案。記事では「ウェインライトは1年間の離脱を避けられる保守的な道に喜んで進んだ」としている。

「彼ら(医師)は、私には平均よりもチャンスがあると言った。最初(高校生)の時よりも少し広範囲な傷だったが、手術なしで以前と同じような強さで戻ってくる、少なくとも60%のチャンスがあった。だから、そうしたんだ」

 同紙の取材に対して、本人はこう語っている。さらには「私は以前と同じか、それ以上にハードに投げられるようになった」とも言及。約6週間のリハビリを行ったというが、肩や腕、筋力を鍛えることで肘を守り「完璧に癒やされた」としている。

 記事では、ウェインライトが2005年にメジャーに昇格後、右肘靭帯損傷を抱えながら99試合の先発を含む182試合に登板したことを紹介。20勝を挙げた2010年はサイ・ヤング賞投票で2位、19勝を挙げた2009年には3位に入っており、2009年シーズンの233イニングを含め、874イニングを投げたことにも触れている。

 また、「田中とウェインライトが同一のケースと考えるのは不可能だ」とも指摘。確かに、2人の靭帯の傷の程度が同じとは考えられない。ウェインライトが3Aでリハビリを始めた際には、投球が不可能になるほどの痛みを感じた場合、手術が必要になるとも告げられていたという。単純に比較することはできないものの、ウェインライトの例は田中がこのまま活躍を続けられるという根拠の1つにはなりそうだ。

「多くの人は、トミー・ジョン手術の手順やリハビリの大変さを理解していない」

 ウェインライトはメジャーで6年間活躍し、2010年シーズン終了後に手術を受けた。本人は「最終的には手術を行った。木を切り倒すときに、同じ場所を(斧などで)打ち続ければ、倒れるものだ」としており、自然治癒しないとされる靭帯がさらに傷ついていくことは避けられないという。

 ただ、ウェインライトは手術後も完全に復活し、2013年に19勝(9敗)、昨年は20勝(9敗)を挙げている。防御率も2.94、2.38と抜群の安定感を誇る。

「もし無事にカムバックする大きなチャンスがあるのなら、手術を受けるべきではない。多くの人は、トミー・ジョン手術の手順やリハビリの大変さを理解していない。手術を受けるべきだという理由が、高い成功率が確認されていることだとしても、健康な状態でカムバックできない選手がわずかにいるんだ」

 ウェインライトはそうコメントしている。

 周囲の雑音を封じられるのは、田中の投球だけ。ウェインライトのような圧倒的な実績を残せば、開幕戦の1試合だけで大批判を繰り広げるNYメディアを黙らせることが出来るはずだ。今季2試合目の登板は12日午後8時5分(日本時間13日午前9時5分)開始の宿敵レッドソックス戦。エースの逆襲は始まるだろうか。

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