NBA3連覇か、黄金時代の終焉か。王者・ウォリアーズの「不安要素」

4月12日(金)16時55分 Sportiva

 ゴールデンステイト・ウォリアーズは、1990年代以降ではシカゴ・ブルズ、ロサンゼルス・レイカーズに次ぐ3連覇を達成できるのか。現地時間4月13日から始まる2018−19シーズンのNBAプレーオフにおける最大の見どころは、現代の最強チームの行方になるだろう。

 ケビン・デュラント、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンを擁するチームは、昨オフにニューオーリンズ・ペリカンズからFAになったデマーカス・カズンズを獲得してさらにパワーアップしたはずだった。しかし、全ポジションにオールスター経験者を揃えたにも関わらず、シーズンの勝率.695(57勝25敗)はこの5年間では最低。3年前にはシーズン73勝を挙げたスター軍団が、やや低調なレギュラーシーズンを過ごしたことは事実だ。


シーズン終了後の移籍が噂されるデュラント

 今季はシーズンを通して故障者が多発し、エースのカリーは13戦、守備の要であるグリーンも16戦を欠場。このように主力選手がケガに苦しんだ原因として、4年連続でNBAファイナルに出場し、6月までプレーを続けたことによる疲労の蓄積を指摘する声も出ている。

 また、コンディションの問題と同時に、今季終了後にプレーヤーズオプションでFA権を得るデュラントの去就を巡る話題もチームを騒がせてきた。

「FA戦線はゲームの一部だし、NBAの楽しい部分でもある。だから、何も知らないふりをするつもりはない。ただ、僕の仕事は毎晩、可能な限りベストのプレーヤーでいることなんだ」

 デュラントは昨秋のニューヨーク・ニックス戦時にそう語り、今季中はプレーに集中したいと強調していた。しかし一方で、開幕前後からさまざまな形でFAに関してのコメントも残してきており、それに関してウォリアーズの一部の同僚がフラストレーションを感じたとしても、やむを得ないところだろう。

 昨年11月12日には象徴的な事件が起こった。この日のロサンゼルス・クリッパーズ戦の途中、グリーンとデュラントがゲーム終盤のプレーに関して舌戦を展開。言い争いの最中、グリーンはデュラントに「お前なんて必要ない。俺たちはお前抜きでも優勝したんだ。FAで出ていけばいい」とまで言い放ったというのだから穏やかではない。

 この試合後、グリーンは1試合の出場停止処分を受けて決着。その後、デュラントとグリーンは表向きは和解し、力を合わせて優勝を目指していくことを誓った。それでも、こんな”不細工な一件”があれば、ウォリアーズのケミストリーが疑われるのも仕方のないことだ。

 今季終盤に、スポーツジャーナリズムの米ウェブサイト『The Athletic』が発表した選手間投票で、「来季のデュラントはどのチームでプレーすると思うか」という項目があった。その上位3位までの結果は以下の通りだ。

 1位 ニューヨーク・ニックス(63.3%)
 2位 ゴールデンステイト・ウォリアーズ(20.2%)
 3位 ブルックリン・ネッツ(4.5%)

 この問いに答えた109人のNBAプレーヤーのうち6割以上は、デュラントが一部の噂どおりに「ニックスに移籍する」と考えているということ。そんな未来が予想されている状況で、優勝を目指してチーム一丸となるのは簡単ではあるまい。
 
 黄金期を築いた”パワーハウス”が、内部から崩れていくことは珍しくない。マイケル・ジョーダンがチームを離れた後の1990年代のブルズ、シャキール・オニールとコービー・ブライアントの確執に揺れた2000年代のレイカーズもそうだった。だとすれば、ウォリアーズ王朝が今季中に終わる可能性も否定できない。

 もっとも、多くの故障者、チーム内のトラブルに見舞われながら、ウォリアーズはウェスタン・カンファレンスで1位の勝率を残してきた。この結果は、このチームの底力を証明しているという考え方もできる。

 4月10日、メンフィス・グリズリーズとのレギュラーシーズン最終戦後、デュラントは自信に満ちた表情でこう述べた。

「自分たちの立ち位置を気に入っているよ。シーズン最後の数週間でみんなが自身の役割を確立してきたと思う。スティーブ・カーHCも、僕たちがどんなプレーをしたらいいかを間違いなくわかっている」

 百戦錬磨のベテランチームが、実際にプレーオフ開始以降にさらにギアアップしても不思議ではない。ウォリアーズを脅かす強力対抗馬が、ウェスタン・カンファレンスに存在するわけでもない。ニコラ・ヨキッチを軸に躍進を遂げたデンバー・ナゲッツはまだ経験不足だし、ラッセル・ウェストブルック、ポール・ジョージを擁するオクラホマシティ・サンダーは、もうひとつ勢いがない。そんな中、5年連続のファイナル進出に向けた”最大の難敵”を挙げるとすれば、ヒューストン・ロケッツだろうか。

 1年前のプレーオフでは、ウォリアーズ相手に一時は3勝2敗と王手をかけたロケッツ。今季は序盤こそ出遅れたものの、大事な時期に計ったように調子を上げてきた。リーグ得点王のジェームズ・ハーデンを軸に、2月23日以降は20勝4敗と快進撃。順当ならばカンファレンス・セミファイナルで実現するであろうウォリアーズとロケッツの因縁の対決は、今季の覇権を左右する大勝負になるだろう。

 プレーオフの階段を上る過程で、史上最高級のスター軍団に真のケミストリーは生まれるのか。ウォリアーズのメンバーがまとまりさえすれば、ファイナルで対戦するイースタン・カンファレンスの強豪も恐れるに足らない。

 今季終了後に本当にデュラントが去るとすれば、現型のウォリアーズが見られるのは今春が最後。2009年にカリーが入団して以降に始まった”グロリアス・ロード”は、もうすぐクライマックスを迎える。

Sportiva

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