否定意見なんの!西武「ロン毛」コンビが野球界の固定観念打破へ快投連発

2023年4月14日(金)17時3分 ココカラネクスト

 投球よりも髪型に目がいってしまうというファンも少なくないだろう。西武の今井達也がトレードマークの長髪をなびかせ、4月13日のロッテ戦で2安打11三振の完封勝利。8回1死、安田に左前打を許したが、「あと5人」でノーヒットノーランの快投だった。県営大宮球場での完封は、西武だと「ロン毛」先輩にあたる高橋光成が2016年5月26日楽天戦で達成して以来7年ぶりだ。

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 競うように髪を伸ばす2人は、ともに先発投手として今シーズン好スタートを切った。今井は2戦2勝で16イニング無失点。開幕投手を務めた高橋は、4月8日ソフトバンク戦で8回3安打無失点、11三振で今季初勝利をマーク。13日時点で防御率は今井が0・00でリーグトップ、高橋が0.56で3位。奪三振でも今井19、高橋18でリーグワンツーと、髪型だけでなく成績でも目立っている。

 メジャーリーガーばりの風貌で、個性を前面に出す。春季キャンプで「チーム・ロン毛」を結成し、高橋が部長、今井が副部長としてメンバー募集を呼びかけた。高橋は前橋育英から14年に西武ドラフト1位入団。2年後、今井は作新学院からドラフト1位で西武に指名された。ドラ1だけでなく、甲子園の優勝投手、北関東出身の高卒入団など共通点の多い2人が、「ロン毛」の絆でつながった。

 そもそもは高橋が「負けるまで髪を切らない」と宣言した21年から始まった。開幕からの連勝が5で止まった後もゲンを担いで伸ばし続け、いまでは肩まで届く長さに。プレー時は髪を後ろでまとめ、ポニーテールのようにしていることが多い。今井は髪を結わず、投球時も長い茶髪をふりかざす。投手としての助言を受けるようになったダルビッシュ有がかつてロン毛にしていた時期があっただけに、あこがれの存在から感化された可能性もある。

 ロン毛の評判についてSNSでは賛否両論だ。「個性的でかっこいい」「ライオンズだけに獅子のタテガミみたい」「似合えばいい」といった肯定的な意見もあれば、「違和感がある」「清潔感がない」「髪にばかり目がいって集中できない」と抵抗を感じているファンもいる。高校野球は丸刈りといったイメージや、帽子から髪がはみ出すようなロン毛の野球選手を日本では見慣れない影響もあるかもしれない。

 男性のロン毛は、芸能界の木村拓哉江口洋介らの存在で流行した時期もあったが、今ではめっきり少なくなった印象。時代と逆行するスタイルで、活躍が伴わないことには、ただの「見た目だけ派手な選手」になってしまう。外部のさまざまな声は2人も受け止めているはず。野球界の固定観念とも闘う「チーム・ロン毛」が、髪の毛も、勝ち星も伸ばし続ける。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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