F1で10年を過ごしたグロージャン。ロータス時代には上り調子から一転「いいシートを獲得するのは難しかった」
2021年4月15日(木)18時20分 AUTOSPORT web
![](https://news.biglobe.ne.jp/sports/0415/1443677395/ats_1443677395_1_thum800.jpg)
ロマン・グロージャンは、10シーズンにわたりF1でレースをしたことを嬉しく思っているが、F1での終盤においてハースで最後尾を走ることには喜びを感じなかったと認めている。
グロージャンはモータースポーツの最高峰であるF1でのキャリアのなかで10回表彰台を獲得しているが、それはすべてロータス時代のことだ。その合計数は、彼が優勝候補に近いところにいたことを示しているかもしれない。だが、彼自身によって損なわれたレースがあまりにも多くあった。
「10年もF1にいてそのことを喜ばないなんてありえないよ」とグロージャンは『RaceFans.net』の最近のインタビューで語っている。
「僕はレースで優勝し、タイトルを獲れるクルマを持てなかったことを後悔しているか? それはイエスだ。でもそれは僕の手にあっただろうか? もしかしたら少し。もしくはなかったのかもね」
今になってみると、2013年シーズンが結果の面でグロージャンの“ピーク”だった。それ以降は下降していき、並行してロータスの財政事情も悪化していった。
「2013年をあれほど強力に締めくくることができたが、チームの方は財政的に難しい状態にあった。エンジンレギュレーションの変更に合わせることが問題になったんだ」
「上り調子だったのに、結局グリッド上で最低のマシンに乗ることになった。いいシートを獲得するのは困難だった」
グロージャンは何事もないかのように振舞っていたが、ロータスはその後数年かけて消滅に向かった。グロージャンがハースに加入したのは2016年のことで、ハースはそのシーズンにグリッドに初参戦したチームだった。
ハースは最初はF1で立派な結果を出していた。しかし限られた資金と、マシンのパフォーマンス不振や一貫性がないことなどを含む様々な状況により、グロージャンとチームメイトのケビン・マグヌッセンが2021年にチームから放出されるまでの数シーズンは、ランキングの下位に落ちていた。
「F1は素晴らしい、偉大なものだ」と34歳のグロージャンは語った。「でも、僕はルイス(ハミルトン)が今年8度の世界チャンピオンになる方へお金をかけるよ」
「僕はF1での時代を本当に楽しんだ。素晴らしいキャリアを手に入れたよ。でも僕はやりたいと思っていた場所で最後尾にいた」
「あらゆることの調子が素晴らしくいいときに、ハースをQ1から先に進めることが、僕にせいぜいできることだった。それは楽しいことではなかった」
グロージャンはグリッドから去ってアメリカに行き、2021年はデイル・コイン・レーシングからインディカーシリーズに参戦する。そのため昨年バーレーンで“炎の中から歩いて出てきた男”には新しいエネルギーが吹き込まれている。また、何年かぶりにライバルたちと同等のレースをするチャンスを楽しんでいる。
「僕が前回他のドライバーたちと同等のツールを持つチャンスがあったのは、2011年のGP2でのことだ」
「F1では何度か優勝寸前までいったけれど、僕は(キミ)ライコネンと(セバスチャン)ベッテルがすべてを支配している時代にいたんだ。何度かは近づいたけれど、でも毎レースではなかった」
「トップドライバーがいる偉大なシリーズだと思うよ。トップレベルでのトップレースだ。友達やライバルと同じツールを大体は手に入れるチャンスがあるだろう」