大谷翔平と水原氏、最後の時間は卑劣な「偽装」依頼と、断固とした拒否だった

2024年4月15日(月)11時50分 ココカラネクスト

前代未聞と言える水原氏の所業は、金額もさることながら手口も驚愕のものだった(C)Getty Images

 ドジャース・大谷翔平の口座から違法賭博による借金返済へ不正送金したとして、銀行詐欺容疑で訴追された元通訳の水原一平氏について、『New York Times』紙が現地4月13日付で衝撃的な続報を伝えた。

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 水原氏は3月20日、韓国・ソウルでのパドレスとの開幕戦の試合後、大谷やチームメンバーの前で過去の賭博行為について告白したと伝えられていた。英語での説明をうまく理解できず、当時大谷は戸惑って別の通訳に詳細を問いただしたとされていたが、チーム宿舎に戻った後に2人は1対1で話し合い、そこで借金を肩代わりして送金していたことにしてほしいと「偽装」を依頼されていたというのだ。

 水原氏は同日、ナイターであるパドレス戦の試合前に、スポーツ専門局『ESPN』の取材に答えている。そこでは「借金の肩代わりを大谷選手がしてくれた。彼は二度としないことを約束に、あなたに渡すと使ってしまうからと自分で送金してくれた」などと答えていた。ところが、同局が記事の公開間近になった21日未明になって前言を撤回。「あれは全て嘘。大谷選手は関係なく、全て一人でやったこと」と答えを一変させていた。

 これが日米ファンやメディアを混乱させ、大谷へのあらぬ疑いの目を向けさせた。今回の『New York Times』紙の報道は、その「空白の時間」についてのレポートにあたる。

 大谷は水原氏からの「偽装」の最後のお願いを拒否し、すぐに代理人のネズ・バレロ氏や、別の通訳らを読んだという。そこで初めて、水原氏の違法賭博問題や、借金返済へ違法送金されていた事実を知ったという。

 一連の報道で、当初大谷の口座から水原氏が違法送金していた金額は450万ドル(約6億8000万円)以上と報じられていた。ところが米連邦地検によると、実際には1600万ドル(約24億5000万円)以上が違法送金されていたという。『New York Times』紙が報じた2人の最後の面会で、水原氏が不正送金の額としていくらと大谷に伝えていたのかは明らかになっていない。とはいえ、6億8000万円でも、24億5000万円でも、相当なショックを受ける裏切り行為だったには違いない。その上で「偽装」までお願いされ、離別は決定的になった。

 水原氏が連邦地裁に出廷した12日(日本時間13日)、大谷は松井秀喜氏に並ぶ日本人選手歴代最多のメジャー通算175号アーチをかっ飛ばした。同時に『New York Times』紙の取材に対し「捜査に感謝している。個人的には一区切りとし、野球に集中したい」と語った。事件が報じられてから、まだ1か月足らず。激動の時を過ごしながらも、その打棒はこれまで以上の鋭さをみせている。今後も続報の類は続くだろうが、グラウンド上でのプレーだけに専念し、頂点を目指していく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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