DTM王者ブルーノ・スペングラー、初参戦のスーパーGTを楽しむ「クレイジーなレースだったね!」

2023年4月16日(日)23時15分 AUTOSPORT web

 4月16日、岡山国際サーキットで開催されたスーパーGT第1戦岡山の決勝レース。序盤からの雨、さらにレース途中のドライアップ、さらに度重なるセーフティカーランや赤旗中断と荒れたレースとなったが、Studie BMW M4から初めての決勝に臨んだ2012年DTMドイツ・ツーリングカー選手権王者ブルーノ・スペングラーは、初めてのスーパーGTを大いに楽しんだ様子だった。


 今季、大黒柱の荒聖治のパートナーとして2012年DTM王者のスペングラーと柳田真孝を起用したBMW Team Studie ×CRS。BMWワークスドライバーの来日は大きな話題となったが、3月の岡山公式テストで初めてチームに加わると、スーパーGTの環境にもすぐに対応していった。


 この第1戦は、スペングラーにとって2回目のチームとの仕事だったが、早くも打ち解けた様子でリラックスした様子でレースウイークを戦っていった。雨の中のアタックとなった4月15日(土)の公式予選でも3番手を獲得しその実力を発揮。「すごくクレバーですし、タイヤの使い方がうまい」と鈴木康昭代表もその仕事ぶりを賞賛した。


 迎えた4月16日の決勝では、いきなりのスタートドライバーを担当する。日本ではスタート方法が海外と異なる部分もあるがそつなくこなし、3番手をキープしていた。


 ただ11周を過ぎるころになると、急速に雨脚が強まってきた。そんななか、ダブルヘアピンふたつめでスペングラーは片岡龍也がドライブするグッドスマイル 初音ミク AMGと接触しスピン。片岡にはその後ドライブスルーペナルティが出されている。


 この時の状況について片岡は「雨が降ってきて彼のペースが落ちてきて、ブレーキが早くなっていたこともあり、少し強引にインを差しにいきましたが、ブレーキで飛び込みきれずスピンさせてしまいました」という。


 結果的にペナルティが出ていたこともあり、片岡は自らのスティントを終えたあと、スペングラーに謝罪に向かったという。ただ、スペングラーは「雨が降り出すなかでスリックで走っていたからね。この状況では起きうることだ」と気に留めていなかった。


 ちなみに、スペングラーはこうした謝罪に慣れていなかったのか、片岡によれば「レース後に謝罪に行きましたが、わざわざ謝りに来ることが珍しいのか、『サンキューベリーマッチ』と3回ほど言われて僕は帰ってきました(苦笑)」という。またスペングラーも「あとで彼(片岡)が謝りに来てくれたんだけど、とても良い人でナイスガイだね(笑)。問題ないよ。レースだからね!」と語った。このあたりは日欧のレース文化の違いというところだろうか。


 その後スペングラーはウエットでも安定した走りをみせ、38周を走りピットイン。荒聖治に交代した。終盤まで荒は3番手を走行し、表彰台獲得も目前かと思われていたが、赤旗リスタート後の一斉ピットインのなかで、Studie BMW M4は混雑に巻き込まれ順位を落とし、6位でレースを終えることになった。


 ただそんな結果にも関わらず、スペングラーは「最高だったよ! クレイジーなレースだったね。こんな展開は初めてだ。このチャンピオンシップを楽しんでいるし、スーパーGTに来られて誇りに思っている」と初レースを終えて笑顔をみせた。


「それに今はすごくポジティブなんだ。僕たちのパッケージはウエットでもドライでもすごく強力だったからね。今回のレース展開は僕たちにとってはアンラッキーだった。最後のピットインではピット位置が真ん中で混雑しており、良くなかった。でもこれからも戦っていきたい」


「表彰台を獲れなかったのは残念だったけれど、シリーズを考えれば6位はポジティブなリザルトだ。次の参戦は鈴鹿になるけど、またプッシュしていきたいね!」


 第1戦ではその速さとともに、好漢ぶりをみせてくれたブルーノ・スペングラー。言葉にもあったとおり、次回の参戦は屈指のドライバーズサーキットである鈴鹿。そこではどんな感想を残してくれるだろうか。

2023スーパーGT第1戦岡山 Studie BMW M4
2023スーパーGT第1戦岡山 Studie BMW M4

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