鶴岡慎也氏が語るルーキー時代の大谷翔平秘話 「直球を投げさせなかった理由」とは

2023年4月16日(日)11時0分 ココカラネクスト

投打二刀流、唯一無二の存在感を示している大谷。(C)Getty Images

 14年ぶりの世界一奪還を果たし、今春、日本中が歓喜の渦に包まれたWBC。

 全ての試合で圧倒的な存在感を見せたのは、二刀流、大谷翔平(エンゼルス)だろう。投打にわたって活躍、米国との決勝戦では9回のマウンドに上がり、同じチームの盟友、マイク・トラウトを空振り三振に斬って取るという「筋書のないドラマ」も話題を呼んだ。

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 そんな大谷のルーキー時代にバッテリーを組み、このWBCではブルペンキャッチャーとしてチームに貢献した鶴岡慎也氏が、昨年出演した古田敦也氏のYouTubeチャンネル「フルタの方程式」内でルーキー時代の大谷の配球について、あるエピソードを披露している。

 今では様々な球種を投げ分ける大谷だが、何といっても160キロ超えの迫力あるストレートは、自身が持つ球種の中でも軸となるものの一つだろう。

 プロ1年目からストレートは、すでに157 km/hをマークをしていたが、当時バッテリーを組んでいた鶴岡氏は、大谷の武器とも言えるこの球種を、試合の中ではあまり要求せずにいたという。

 周囲からは、「なんでもっとストレートを投げさせないのか?」という声も上がっていたというが、これについて鶴岡氏はこのように振り返る。

「ストレートは、5球に1球は指にかかった素晴らしいボールが来るんですが、確率が低かったんです。ストライクが入らないと試合にならないので。逆にスライダーやカーブの方がカウントを取れたので、そっちを軸に組み立てていました」

 球速はあるものの、コントロールが不安定だったゆえに変化球中心の配球をしていたという鶴岡氏。

 そんな鶴岡氏の配球に、当時対戦した元中日ドラゴンズ・和田一浩氏から、試合中にこんな言葉をかけられたという。

「和田さんの打席でカウント3-2となった時に、僕はスライダーを要求したんです。ストレートはストライク入らないだろうなと思ったので。そのスライダーがボールになって結果フォアボールだったんですが、その時和田さんに『もっと真っ直ぐ投げなさいよ』と言われたんです。僕は心の中で『和田さん、そうじゃないんですよ』と思いましたが、それだけやはり皆さん大谷はストレートのピッチャーだと思っているんですよね」

 当初はコントロールが安定しなかった大谷だが、年数を重ねるごとに改善され、今やどの球種も超一級品のボールにもなっている。

 後に日本ハムからソフトバンクに移籍し、対戦相手として打席で大谷のストレートを目の当たりにした鶴岡氏は、「絶対に打てないと思いました。反射神経限界の球が来ますから」と、改めて脱帽したという。今や投打二刀流で、米メジャーでも「ユニコーン」といわれるほどの存在になった大谷のルーキー時代を知る人物だからこそ語れる、貴重な証言だった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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