水原氏が野球賭博に手を出さなかったのは「とても奇妙」 米記者が胴元の視点で分析「悪いビジネスだった」

2024年4月16日(火)6時0分 ココカラネクスト

ありとあらゆる視点から事件の内情が分析されている水原氏。(C)Getty Images

 時代の寵児となったスターと、その「盟友」と見られていた男の関係性に注目が集まっている。大谷翔平(ドジャース)の元専属通訳だった水原一平氏による違法賭博問題だ。

 お茶の間を震撼させた騒動は現地時間4月11日に一つの“区切り”を迎えた。

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 現地時間4月11日、米ロサンゼルスの連邦検察は、大谷の銀行口座を不正に使用し、違法賭博のブックメーカーに1600万ドル(約24億5000万円)分の負債返済を行っていた元専属通訳の水原氏を「銀行詐欺罪」で訴追。翌12日に連邦地裁に出廷し、2万5000ドル(約382万5000円)での保釈された同氏は、マイケル・フリードマン弁護士を介して「大谷選手に謝罪したい」と声明を発表した。

 日ハム時代に縁を結んだ大谷とは、2018年から専属契約。二人三脚で歩んでいた——ように見えていただけに、当人との接触禁止を命じられた現況には事件の恐ろしさを感じる反面、どこか虚しさが募る。

 いずれにしても、水原氏が行っていた裏切りは悪質なものだった。日本の国税庁にあたる内国歳入庁(IRS)の報告書によれば、2021年12月から2024年1月までの間に1万9000回もの賭けを実施し、総損失額は1億8290万ドル(約279億8370万円)というスケールの大きさだ。その過程で自身が登録情報を独自に変更した大谷の銀行口座から身勝手に資金を盗用していたのだから、衝撃的である。

 そんな水原氏の不正行為において注目を集めているのは、ありとあらゆるスポーツ賭博に手を出していた同氏が、野球にだけは賭けていなかったという点だ。

 米版『Yahoo! Sports』のジェイク・ミンツ記者は、IRSの報告書に記載された情報をふまえたうえで、「これはとても奇妙だ。現実から凄まじく切り離され、あそこまで無謀な行動をとっていた人間が、いったいどうやって(野球に対する)規律を保ち、一線を越えずにいられたのか?」と指摘。水原氏に負債の支払いを求めていた胴元側の視点に立ち、分析している。

「(胴元は)ミズハラがどんな人物で、彼の仕事はオオタニと親密になれるもので、MLBに関する内部情報を知りうる立場であることを知っていた。ミズハラに野球の試合への賭けを許可することは、単純に言って、悪いビジネスの決断だっただろう。ミズハラが勝てば、胴元は負けるのだ」

 胴元にとっても水原氏が野球賭博で儲けを出すことが「都合が悪いことだった」としたミンツ記者は、「いずれにせよ、証拠は圧倒的であり、野球の試合にお金が賭けられたことを示すものはまったくない。MLBは幸運なスターたちに感謝すべきだ」と論じた。

 最終的に水原氏がいかなる罪に問われるのか。大スキャンダルの結末には、世界中が熱視線を注がれる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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