原英莉花は3Wから58度まで中調子シャフトで統一　でもドライバーだけは手元しなり、なぜ？【女子プロセットのどこマネる⁉】

ドライバーのヘッドは、『パラダイム Aiスモーク◆◆◆ MAX』（9度）を使用。シャフトのチョイスが面白かった！（撮影：米山聡明）

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パワフルなショットを武器に通算5勝を挙げる原英莉花のセッティングを分析。アマチュアの参考になる点を、フィッター兼クラフトマンの吉田智に聞いた。

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原プロのセッティングで面白いのは、3Wから58度のウェッジまで、手元がしっかりしている真ん中部分がしなる中調子系シャフトで統一している点ですね。全部のしなり方が同じで、真ん中だけしなるので番手ごとの振り感が統一されています。

球の高さを出したい3Wは、『ジ・アッタスV2 6S』を採用しています。ロフトが立っていて芝から打つ3Wは球が上がりにくいのですが、それをシャフトで補おうという意図が見えますね。アイアンシャフト『アッタスFF 85』は、しなりが少なくてラインが出しやすいモデルです。

ウェッジシャフト『アッタスFF 95』は、アイアンシャフトよりも10gほど重めで、ゆっくりヘッドを動かしてアプローチをコントロールしたい意図が分かります。重量フローも完璧で3W以下のそろえ方は是非アマチュアの参考にしてほしいセッティングです。

ただ、ドライバーシャフトの「LIN-Q ブルーEX」だけは、手元が動きやすい中元調子。先端がしっかりしておりヘッドが暴れないので、意図しない引っかけが出にくいシャフトです。ドライバーだけ違うタイプを選んでいるのは、ティアップした状態で打つため、別のクラブだと考えているのでしょう。あまりアマチュアにはオススメしないチョイスです。ラウンド中に突然スイングリズムが狂う原因となるので、注意してください。

あれだけのパワーヒッターですが、5番アイアンの代わりに「ミズノプロ FLI-HI 」というアイアン型UTを入れているのも面白い点です。苦手な番手だけソール幅が広く低重心ヘッドで球を上げたいのでしょう。また、7Wに「APEX UW」というショートウッドを入れている点は意外ですね。おそらくUTが苦手でFWの方が打ちやすいのだと思います。「APEX UW」はFWの割にはコンパクトヘッドでアイアンの延長で打てるモデルだといえますね。

原プロのセッティングでアマチュアに参考にしてほしくない点があります。PWの代わりに単品ウェッジの「ゾディア プロトタイプ」を入れている点です。PGAツアープロなども行うセット術ですが、単品ウェッジはアイアンモデルよりも高重心になり、フルショットでのスピンが増えてしまいます。

片山晋呉プロは、アイアンセットの延長のAW（50度）を入れてます。アイアンのフルショットと100Y前後のフルショットでのスピン量のフローを変えたくないからなのです。単品ウェッジは超上級者だけでいいというのが、私の持論です。アマチュアは片山プロと同じようにPWはアイアンモデルを使う方が得策です。

【原英莉花のギアセッティング】
1W：キャロウェイ パラダイム Aiスモーク◆◆◆ MAX（9度、LIN-Q ブルーEX 5S）
3W：ヤマハ RMX VD（2021年）（15度、ジ・アッタスV2 6S）
5W：キャロウェイ エピック SPEED ◆◆◆（18度、ジ・アッタスV2 6S）
7W：キャロウェイ APEX UW（21度、ジ・アッタスEZ370 65S）
5U：ミズノ ミズノプロ FLI-HI (2019年）（アッタスFF 85）
6I〜9I：ミズノプロトタイプ（アッタスFF 85）
45・49・55・58度：ゾディア プロトタイプ（アッタスFF95）
PT：オデッセイ ホワイト・ホットOGロッシー プロトタイプ
BALL：ブリヂストン ツアーB X
※開幕時のセッティング

■原英莉花
はら・えりか／1999年生まれ、神奈川県出身。18年のプロテストで合格。2019 年に「リゾートトラストレディス」でレギュラーツアー初優勝。20年にはメジャー初勝利を飾る。長身を生かしたパワフルなショットが武器。NIPPON EXPRESSﾎｰﾙﾃﾞｨﾝｸﾞｽ所属

■吉田 智
よしだ・さとし／クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」（渋谷区）でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている

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