開幕前テストはレコード更新クックのホンダが最速。1秒差に18台がひしめく/BTCC
2025年4月17日(木)18時10分 AUTOSPORT web

各陣営の慌ただしい2025年体制&車両カラースキーム公開に続き、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権では恒例の開幕前公式テスト“メディアデイ”が4月15日のドニントン・パークで開催された。
そのプレシーズン最終セッションとなる公式テストでは、1年ぶり復帰のホンダ陣営ワン・モータースポーツが、ジョシュ・クックのドライブでFK8型ホンダ・シビック・タイプRをタイムシート最上位に送り込んでいる。
新しい完全再生可能エネルギー時代の幕開けとなる今季エントリーリストには24台が名を連ね、うち16名ものドライバーがすでにBTCCの表彰台頂点を経験。早朝のフォトセッションではチャンピオン経験者4名が最前列に陣取った。
BTCCのシリーズオーガナイザーであるTOCAは、このオフ期間に最新の規則とレギュレーションを発表し、約2年の供与で幕を閉じた共通ハイブリッド機構の廃止に代わる、100%完全持続可能燃料の導入を宣言した。
ただし全車両のパワーブースト出力は2024年と同等で、ブースト展開形式も従来と同じまま。追加のパワーサージはブーストのみで発生する。これにより車両は約55kg軽量化され、ターボチャージャーの配置は従来どおりということもあって機敏性が向上。すでに各地のオフテストでは軒並みレコード更新の結果が出ており、2025年仕様モデルは歴代最速のNGTC規定ツーリングカーとなっている。
そのブースト作動に関する情報は、各車両のサイドウインドウに設置されたLEDライトとITVのライブTVグラフィックでファンに提供されるが、タイミングモニター上での作動展開情報は削除され、チーム間での戦略的な駆け引きにも大きな影響を与えることが予想される。
「2025年BTCCシーズンに向けて、4名の元チャンピオンと驚異的な16名の優勝者を誇る、エキサイティングで才能豊かなラインアップを発表できることを大変光栄に思っている」と語ったのは、おなじみBTCC最高経営責任者(CEO)を務めるアラン・ゴウ。
「BTCCの取り組みは留まることを知らず、ご存知のとおり新シーズンに向けトラック内外で数々の改良を行ってきた。なかでも100%完全持続可能な燃料への移行は間違いなくもっとも重要な進歩で、これまでと変わらず高いレベルの競争力、パフォーマンス、興奮を維持しながら、より持続可能な方法でマシンの軽量化と、ダイナミクスの向上という新たな利点も享受できるようになった」と続けたゴウ。
「また週末のあらゆる瞬間をYouTubeで世界中にライブ配信することを発表できることは、選手権にとってもうひとつの大きな節目であり、BTCCを熱烈に応援するファンの皆様にとっても素晴らしいニュースだろう」
こちらも恒例のフィルミングを経て、午後から始まったセッションにはエクセラーエイト・モータースポーツのマイケル・クリースを除く23台が参加。そんななか、ブランクを経たFK8シビックRのシートに座るクックが終盤にかけて連続してタイムを上げ、シリーズ4冠王者アシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)の予選記録を更新。そのサットンをわずか0.003秒差で抑えて1分7秒438のベストタイムを記録し、ドニントンでのNGTC最速記録を樹立した。
「久しぶりのホンダ・シビック・タイプRの感触は良いね。今日のセッションでは多くの変更を加え、良い進歩を遂げることができた」とFK8型の手応えを語ったクック。
「何がうまくいったのか、何がうまくいかなかったのかを評価し、来週は適切なタイミングで戻ってこられるようにする必要がある。いつものことながら、非常に接戦になることは分かっているが、このままシビックで上位争いに加われることを願っている」
総合で2位のサットンに続き僚友ダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)がトップ3に入り、クリス・スマイリー(リスタート・レーシング/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が本家エクセラーエイトのトム・イングラム(チーム・ヴェルツ/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)を上回る結果に。トップタイムから1秒圏内に合計18名のドライバーが並ぶなど、今季2025年のBTCCも激戦を予感させる最終テストとなっている。