ジダンの再来!ジュード・ベリンガムのプレースタイルまとめ

2025年4月17日(木)18時0分 FOOTBALL TRIBE

ジュード・ベリンガム 写真:Getty Images

2023年からレアル・マドリードに所属するイングランド代表MFジュード・ベリンガム。プレーに貫禄があり、なんの前提知識もなければ20代後半の脂ののった選手のように見えるところだが、実はまだ21歳だ。


多くの偉業を成し遂げたマドリードのレジェンド(2001-2006、監督2016-2021)でもある元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンと、プレースタイルがよく似ているとされ、マドリードでは同じ背番号5番を背負うベリンガム。クラブがジダンの再来を期待している現れだろう。


ここではベリンガムのプレースタイルをまとめ、ジダンとの類似点を挙げてみよう。




ジュード・ベリンガム 写真:Getty Images

究極の万能型MF


ベリンガムは、身体能力が高く技術力があり戦術眼にも優れ、中盤のどこでも高いパフォーマンスを発揮する。右利きだが左足のキックも得意。点も取れればアシストもできて、守備が強固なのだから言うことがない。


ゆるい感じを好むようで、ソックスのふくらはぎ部分に切れ目を入れて、脚への圧力を和らげていることも特徴的だ。


パワフルながらも柔らかいドリブルでは、状況に応じてシザース(フェイントテクニック)をすることがあるが、左右に身体を大きく振るというよりは、滑らかに自然体でフェイントを繰り出す。相手と五分五分の体勢に持っていければ十分で、あとはスピードとフィジカルでねじ伏せられるため、あえて相手の体勢を大きく崩す必要がない。


走るストライドは大きいがボールタッチが細かく相手の動作がよく見えており、さり気なく相手の逆をつく。間合いを寄せると股抜きされるし、体当りすると弾き飛ばされる。大げさなテクニックを披露するわけではないが、抜群のセンスで身体を入れ替えて突破していく。


身長が186cmあり空中戦の競り合いにも強い。ゴール前では両足と頭、どこからでも得点を狙える。ペナルティエリア付近ではミドルシュート。中盤では決定的なラストパスを繰り出す。弾丸のように強烈な勢いのあるボールを打ったかと思えば、山なりのループ、足のインサイドやアウトサイドで回転をかけた変化球などを巧みに使い分ける。


高い身体能力は守備で直に生きてくる。素早いインターセプトやデュエルでの激しいタックルは見事だ。


ジュード・ベリンガム 写真:Getty Images

求めに応じてポジションも戦い方も変幻自在


ユース時代から飛び抜けた能力があり、各世代のイングランド代表としてプレーしてきたベリンガム。イングランド代表選手の多くが、クセが強いプレミアリーグでプレーしているため、他の欧州主要リーグで培ったベリンガムの経験は貴重だ。


クラブでは2019年、当時EFLチャンピオンシップ(2部リーグ)だったバーミンガム・シティの対ポーツマス戦(8月9日、EFLカップ)でクラブ史上最年少出場記録を樹立するとレギュラーに定着した。


バーミンガム(2019-2020)でつけた22番は「攻撃的MFの10番」「ボックストゥボックスMFの8番」「守備的MFの4番」をあわせた数字になっている。ボルシア・ドルトムント(2020-2023)でも同じ22番だった。ベリンガム自身がそれを自覚し、目指しているということだろう。そして現在はマドリードでジダンの5番を継承する。


代表でもクラブでも、各監督は意図する戦術の中、キーになると考えるポジションでベリンガムを起用する。チーム、監督、対戦相手、試合によって、起用されるポジションや戦い方が変わる。それだけ、ベリンガムはプレーに深みがあるということだろう。アンカーや左サイドMF、トップ下、さらに前がかりのFWのようなポジションでも機能する。




ジネディーヌ・ジダン 写真:Getty Images

生きる伝説ジダンとの類似点


プレーメーカーには技巧派が多いなか、ジダンもベリンガムも強靭なフィジカルと体幹を特徴とする珍しいタイプだ。強力な身体と長い脚をダイナミックに動かしながらも、足元ではインサイド・アウトサイドと繊細にボールを操るベリンガムの仕草は、ジダンにそっくりである。


違いを挙げると、ジダンのほうが身長が1cm低い185cmで、体重は5kg重く80kgある。ジダンのほうが重心が低く体の芯が太い。そしてベリンガムのほうが若干、身のこなしが軽い印象がある。


マルセイユ・ルーレット(ジダンがマルセイユで習得したスピンするテクニック)の使用頻度は、ジダンよりベリンガムのほうが少ない。


ジダンは、走らせるよりも中盤の中央でどっしりと構えて起点になるプレーをするほうが生きる。ベリンガムは、中央で起点も作れば、スピードを生かしてサイドや相手ディフェンスラインの裏へ飛び出して突破する動きも同様に得意だ。


ジダンはセントラル・ミッドフィルダーといってもいいが、ベリンガムはそれでは収まらず、ウインガーやセカンド・ストライカーのようなプレーもみせる。あえて一言で表現するならば、ユーティリティ・ミッドフィルダー(万能型MF)といったところだろう。


指導者としても大きな実績を挙げたジダンは、現役時代にピッチ上で優れた司令塔でありカリスマがあった。ベリンガムはまだ若いが、自然とボールが集まりチームを統率していく存在になっていくだろうか。将来、歴史がジダンとベリンガムという2人の巨星を振り返ることになるだろう。

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