アストンマーティンでの「新たな挑戦」を歓迎するドルディ。スパ24時間の勝利は大きな転機に
2025年4月18日(金)13時37分 AUTOSPORT web

マティア・ドルディは、アストンマーティンのワークスドライバーとしてWEC世界耐久選手権に参戦することで「新たな挑戦を探求する」ことができ、よりグローバルな舞台でレースをする機会を得ることができたと語った。
このイタリア人ドライバーは、アウディで数年にわたるキャリアを積んだ後、昨年アストンマーティンのワークスドライバーに加入。ブリティッシュブランド初年度のスパ24時間レースで総合優勝を果たすと、WECではハート・オブ・レーシング・チームの新ラインアップにも選ばれた。
26歳のドルディは、先月に行われたカタール1812kmレースでWECデビューを果たし、イアン・ジェームス、ザック・ロビションとともにLMGT3クラスで6位に入った。
アウディ時代はバサースト、キャラミ、ヤス・マリーナといったサーキットでインターコンチネンタルGTチャレンジに何度か参戦した以外は、おもにヨーロッパでのレースが中心だったドルディだが、WECへの参戦は彼の視野を広げる機会になった。
「アウディでは多くの経験を積んだけど、プログラムには少しの制約があったかもしれない」とドルディはSportscar365に語った。
「たとえば、当時はGTEマシンもなかったし、LMGT3のようなレースにも参戦していなかった。そのときに比べると、アストンマーティンに移籍すれば、WECやIMSA(ウェザーテック・スポーツカー選手権)を含め、より多くのレースに参戦できるチャンスがあると分かっていた。今年はデイトナ24時間にも出場したしね」
「もちろんハイパーカーは将来の目標のひとつだけど、新たな挑戦を模索することも目標のひとつだった。だから急いではいない。他のステップに進む前に、この選手権全体で経験を積みたいと思っている」
「すべては一歩ずつだけど、新しい選手権でもう少しレースをすることが目標だった。新しい人たち、新しいチームと戦うことができたから、本当に嬉しいよ」
24時間レースの経験が複数回あるドルディだが、デイトナ24時間、アジアン・ル・マン・シリーズ、そしてヨーロッパ・ル・マン・シリーズでLMP3マシンを短期間走らせたことを除くと、WEC特有の“マルチクラスレース”の経験は比較的少ない。
さらに、WECでドルディがドライブするアストンマーティン・バンテージAMR LMGT3には、他の選手権と比べていくつかの重要な違いがあり、それにも対応しなければならなかった。
「LMGT3のレギュレーションに合わせたクルマだから、明確に違う部分もあるんだ」とドルディは語る。
「トルクセンサーが少し変わったし、もちろんタイヤも違う。また、基本的には耐久レースだから、ハイパーカーとの混走も考慮しないといけない。これは他のシリーズにはないことだから、いちばん重要だと思っている」
「そして長い距離を走るから、とにかく生き残らないといけない。僕はこれまでヨーロッパでレースをしてきたから、他の地域では数回しか走ったことがない。今までの経験を活かせるとも思っているけど、学ぶこともたくさんあるんだ」
アストンマーティンに加入してからのキャリアはまだ浅いものの、コムトゥユー・レーシングでマルコ・ソーレンセン、ニッキー・ティームとともに優勝したスパ24時間レースは、ドルディにとって大きな転機になった。
「マルコとニッキーという、アストンマーティン・レーシングでもっとも経験豊富なふたりと組めたことは本当にうれしかった」とドルディ。
「本当に素晴らしいレースで、アストンマーティンにとってもひさびさの勝利だった。僕のキャリアにおける新たな、そして願わくば長い章の始まりとしては、最高の勝利だったと思っている」