Juju、初日はトラブルに苦戦。大会前は欧州LMP2とフォーミュラで特訓、F2王者との差が自信に
2025年4月18日(金)19時31分 AUTOSPORT web

4月18日(金)〜20日(日)にかけて、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されている2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3・4戦『2025もてぎ2&4レース』に参戦している、Jujuこと野田樹潤(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)。
Jujuにとって、2024年末に発足した新チームのTriple Tree Racingとともに迎える2ラウンド目となる今大会は、18日(金)午前のフリー走行1回目(FP1)では1分34秒658という自己ベストタイムで22台中20番手、午後の2回目(FP2)では1分36秒590で22番手という走り出しとなった。
■「流れが良くない」初日に。ヨーロッパでの特訓が活きるポイントは
そのなかでも、計20ラップを周回したFP1の終盤では、ビクトリーコーナー(最終コーナー)の内側のグラベルにはみ出る場面が見られたが、マシンに「ブレーキトラブルが起きていた」ことが原因であったとJujuは明かした。
トラブルの詳細はチームが特定中とのことで、午後はさらに良くない感触になってしまったという。またFP2の終盤に見られたアタック合戦では、他車の集団に引っかかったことでうまくアタックができず、「全体の流れがあまり良くない」初日になってしまったと振り返った。
ただ、トラブルを抱えたなかでの走りとしては「タイムは悪くない」と感触を語るJuju。トラブルが解消された状態で走ることができればポジションも上げられるのではないか、との手応えも得られたようだ。
さらにJujuは、もてぎ大会を前にヨーロッパで3週間ほどドライビングのトレーニングに取り組み、「『ワールドシリーズ』で使用されていた」(Juju)ルノーのフォーミュラマシンと、LMP2マシンで走行を重ねた。
訪れたサーキットとマシンについては、スロバキアのスロバキア・リンクでオーストリアのHSエンジニアリングが持つWR4.5(700馬力以上のパワーを持つフォーミュラマシン)をドライブし、ベルギーのスパ・フランコルシャンではアルガルベ・プロ・レーシングの持つLMP2マシンに乗り込んだという。
スーパーフォーミュラでは、大会以外のスケジュールにおいて、同型マシンを使用してレースの舞台となる国内サーキットで習熟走行をすることが禁止されている。そのため、こうした海外でのトレーニングを取り入れているJujuに、今回乗ったそれぞれのマシンでの手応えを聞いた。
まずは、ビッグフォーミュラマシンであるWR4.5での走り込みについて、ターゲットは『スーパーフォーミュラの予選でのアタック』と、『体力面』を鍛えることに集中したという。
「スーパーフォーミュラで2レースを行う週末では、朝に予選が行われることも含めて予選が難しいポイントだと感じています。なので、スーパーフォーミュラとはマシンもタイヤも異なりますが、アタック一発でタイムをまとめるためのトレーニングになりました」
「さらに、パワーステアリングが搭載されていない車両なので、(重いハンドルでの走行は)体力面のトレーニングにもなりましたね」
さらに、F1やWEC世界耐久選手権の舞台であるスパ・フランコルシャンで乗ったLMP2マシンについては、SFへ活かすトレーニングであることはもちろん、「いろいろなクルマに乗れるチャンスがあるなら挑戦したい」という気持ちもトレーニングに取り入れる理由のひとつだった。
加えて、今回乗り込んだアルガルベ・プロのLMP2マシンは、同チームからELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズを戦っている2023年FIA F2の王者テオ・プルシェールも乗り込んだ車両とのことで、直接タイムを比較することができたそうだ。Jujuによるとタイムは「ほとんど差がなかった」とのことで、自信を得ることができた様子だ。
明日19日(土)の第3戦へ向けては、ヨーロッパでのトレーニングも活かすべく「まずは予選を頑張りたいです」と語る。
「明日は、まずはクルマがトラブルなく走ってくれるのが1番ですが、このもてぎ大会まで一生懸命取り組んでくれていたので、そこは大丈夫だと思います。第3戦で、まずは予選を頑張りたいですし、その後の決勝は作戦なども含めていいレースができるようにしたいと思います」
Jujuにとって、自身2度目となるスーパーフォーミュラもてぎラウンド。今回はブレーキトラブルを抱えながらの難しい初日となったが、明日19日(土)の第3戦ではヨーロッパで鍛えた走りを見せ、自己ベストリザルトを更新することができるだろうか。