サンフレッチェ広島の新戦力は期待以上?活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】
2025年4月18日(金)14時0分 FOOTBALL TRIBE

昨季は優勝したヴィッセル神戸と勝ち点4差の2位でシーズンを終えたサンフレッチェ広島。直近3シーズンはいずれも3位以内と安定した強さを誇り、あとは優勝を成し遂げるのみというなか迎えた今季も序盤戦から白星先行で現在1試合未消化ながら首位と勝ち点2差の暫定6位につけている。
そんな広島だが、この冬は大きな別れの季節でもあった。昨季途中にチームに加わったFWゴンサロ・パシエンシアやキプロス代表で昨季は8ゴールを挙げたFWピエロス・ソティリウら最前線の外国籍選手が軒並みチームを去り、さらに中盤で存在感を放っていたMF松本泰志も浦和レッズへ移籍と戦力の流出が複数発生した。
しかし、それでも今季これまでと変わらず上位争いを繰り広げているのは新戦力の活躍による部分が大きい。ここでは、一部の戦力流出があった広島を支える新加入選手たちの活躍ぶりを5段階で評価する。なお、リーグ戦で出場機会のない選手および開幕後に加入した選手は対象外とした。

MF田中聡
評価:★★★★★
昨夏開催されたパリ五輪。ボランチの候補であったMF田中聡は残念ながら18名の中に入れず悔しい落選を味わった。しかしリーグ戦での活躍は目覚ましく、昨季は湘南ベルマーレのJ1残留にも大きく貢献した。そんなチームの心臓として躍動した田中だったが、今冬活躍の場を広島へ移すことを決めた。湘南にとっては大きな痛手となったが、その分広島から見れば大いに期待が膨らむ補強となったのは言うまでもない。
実際に開幕を迎え、田中は期待通りの活躍を見せ続けている。中盤で豊富な運動量を武器に広い範囲をカバーし相手の攻撃の芽を摘み取るなど、特に守備面で重要な役割を果たしている。新天地で早速実力を十分に発揮している田中。その働きぶりとさらなる成長が期待できる点も含めて評価を「5」とした。

FW中村草太
評価:★★★★★
今季広島へ加入した大卒ルーキーの1人FW中村草太。昨年は明治大学の主将として22試合無敗での優勝に貢献した。個人としても得点王とアシスト王の両方を獲得しMVPに輝いている。まさに鳴り物入りで広島へ加わった今季、近年上位争いを続ける強豪クラブで堂々たるデビューを果たしている。
2月8日の富士フィルムスーパーカップでいきなり出場機会を得ると、明治安田J1リーグ開幕戦の町田ゼルビア戦で途中出場から初ゴールをマーク。第4節にもゴールを挙げており、現時点で2ゴール1アシストと早くもチームにフィットしている印象だ。途中出場が多いながらも目に見える結果を残し、ルーキーとは思えない存在感を放ち続けていることから評価を「5」とした。

FWジャーメイン良
評価:★★★★☆
昨夏のFW大橋祐紀の海外移籍に続き、冬にも得点源であった複数の外国籍選手がチームを離れた広島。そんな広島が今季新たな得点源として期待を寄せて獲得したのがFWジャーメイン良だ。ジャーメインは昨季リーグ戦で日本人トップタイとなる19ゴールをマーク。最終的に降格したジュビロ磐田で圧巻の得点力を発揮し、絶対的な存在として躍動していた。
高い得点力はもちろんのこと、前線で起点となれる身体の強さに背後へ抜け出すスピード、強烈な左足のシュートと多くの武器を搭載。残念ながら今季リーグ戦では現時点で1ゴールのみに留まっているものの、昨年ゼロだったアシストを早くも1つ挙げるなど攻撃の歯車としては役割を果たしていると言えよう。期待された得点については課題が残るが、攻撃のピースとしてチームへの貢献度が高いことから評価を「4」とした。

MF菅大輝
評価:★★☆☆☆
昨季の最終盤である12月7日に、2024シーズン限りで北海道コンサドーレ札幌との契約満了が発表されたMF菅大輝。去就が注目されるなか新天地としたのは広島だった。札幌で主に左サイドのウイングバックとして主力を務め、日本代表としての経験もある菅。広島での初陣となった富士フィルムスーパーカップでは、途中出場でいきなりアシストを挙げ華々しいデビューを飾っていた。
精度と威力を併せ持つ左足と上下動を繰り返す運動量が持ち味。広島の左サイドでは昨年MF東俊希が多くの試合に出場し、そのキック精度の高さで多くのチャンスを演出していたが、菅の加入によりポジション争いは一層熾烈なものとなっていることだろう。現時点ではベンチスタートが多いことから評価を「2」としたが、直近3試合ではスタメンを掴んで2つの勝利に貢献しており、これをきっかけとしてさらに序列を高めることができるか注目だ。

MF井上潮音
評価:★☆☆☆☆
中盤のかじ取りができる存在として横浜FCより広島へ加わったMF井上潮音。同じく新加入のMF田中聡や昨夏広島に帰ってきたMF川辺駿、U-20日本代表のMF中島洋太朗と強力なライバルを前にここまで出場は唯一先発した第4節の古巣・横浜FC戦のみとなっている。昨季はJ2で28試合に出場し横浜FCのJ1復帰にも大きく貢献したが、新天地では定位置を掴めていないことから評価を「1」とした。