ジョーカーアップデートの成果。ポルシェ963がフロントサスペンションの改良によりイモラの高縁石で躍動

2025年4月19日(土)20時0分 AUTOSPORT web


 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージング・ディレクターを務めるジョナサン・ディウグイドによると、シーズンオフに投入した“エボ・ジョーカー”は2025年WEC世界耐久選手権第2戦『イモラ6時間レース』におけるポルシェ963の縁石対応力に貢献したとのことで、開幕戦より良いパフォーマンスを発揮できることを期待している。


 ドイツのメーカーは、WEC第2戦イモラの走行初日にフェラーリ勢のペースには及ばなかったものの、サーキットの一部でドライバーが大きく縁石を利用する全長4.909kmのイモラ・サーキットで、ポルシェ963が優れた順応性を示した。



「縁石の乗り越えに関して非常に満足している。これは昨年のポルシェ963の強みではなかったからね」とディウグイドはFP3の開始前に語った。


「私たちが行ったいくつかのアップデートが貢献したと思っている。ドライバーたちは非常にアグレッシブな縁石を使用した走りをすることができたし、タイヤの摩耗も良好だった。この調子で最善を尽くす」


 ディウグイドによると、シーズンオフに実施されたポルシェ963の新フロントサスペンションコンポーネントを中心とした“ジョーカーアップデート”が、WECとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権が行われる複数のサーキットで効果を発揮しているという。


「縁石やバンピーなサーキットで、昨年は得ることができなかったマシンの柔軟性を高めることができた」と彼は説明する。


「間違いなくセブリングとロングビーチでは効果があった。IMSAでのパフォーマンスは、ジョーカーアップデートとマシンパフォーマンスを最大限に引き出したことによる結果だと思っている」


「また、チーム側でもイベント前の準備が非常にうまく進んでおり、利用可能なツールを最大限に活用して、万全の状態で臨めている」


「週末は長いように感じるが、もしクルマがうまく走らなければ短く感じることになる。だから、最初からペースよく走行できていることは良いことなんだ」



5号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ) 2025年WEC第2戦イモラ

■アップデート効果はドライバーも体感


 また、ローレンス・ファントールはSportscar365のインタビューで、イモラでのマシン全体のセットアップが2024年と比べて進歩したことに同意した


「昨年よりも間違いなく良くなっている。これはアップデートによるものでもあるし、この12カ月間の経験によるところも大きいだろうね」とファントールは語った。


「IMSAとWECで多くのレースが行われ、ダンパーなどの開発がさらに進んだんだ。この成果は両方をミックスしたかたちで、大きな進歩を遂げることができた」


 しかしディウグイドは、アップデートが一定の成果を上げているにもかかわらず、開幕戦で10位と11位に終わったポルシェ・ペンスキー・モータースポーツにとって、WECイモラはふたたび厳しいレースになると予想している。


「練習走行を見た限りでは、まだ5番手か6番手くらいだろう。フェラーリはカタールと同じように、依然として他を大きく引き離していると思う。彼らは良い仕事をしている」とディウグイド。


「日曜日のレースではベストを尽くす。カタールより少しでも良い結果を得て、チームのミスを修正できればと思っているが、全体的にまだペースが足りないと感じている」


 また、チームがIMSAでこれまで無敗記録を維持していることから、戦略面で何か活かせる点はあるかと問われたディウグイドは、使える「ツール」はすべて活用すると答えた。


「IMSAチームは順調に機能していて、セブリングとロングビーチでの勝利はピットワークと戦略の成果だった」と彼は語った。


「WECプログラムは、カタールの戦略は良かったが、レース終盤にタイヤを“トリプルスティント”せざるを得ない状況に追い込まれ、それがうまくいかずにポジションを落としてしまった」


「全体として(WECでは)IMSAよりもペース面で少し遅れている。使えるすべての“ツール”を活用して戦っていきたい」



2台のポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ) 2025年WEC第2戦イモラ

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