トラブルにより約1年ぶりのノーポイント「明らかに4位になれた」と王者坪井/SF第4戦
2025年4月20日(日)21時59分 AUTOSPORT web

4月20日にモビリティリゾートもてぎで行われた2025スーパーフォーミュラ第4戦。前日の第3戦に引き続き、太田格之進、牧野任祐のDOCOMO TEAM DANDELION RACING勢がワン・ツー・フィニッシュを飾ったが、ライバルたちは悔しさを味わう1戦となった。
なかでも2年連続チャンピオンを狙う坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)は、予選15番手から一時は表彰台も狙える位置まで追い上げていたが、シフトコンプレッサーのトラブルで後退。最終的にノーポイントに終わった。
■「作戦としては良かった」1周目ステイアウト
前日の第3戦では12番グリッドから追い上げて4位フィニッシュを飾った坪井。予選でのペース改善を狙って第4戦に臨んだが、Q1Aグループ8番手となり、まさかの敗退となった。
「路面温度が下がったのでアタックするタイミングを間違えたかなとは思いますが、それにしても予選のパフォーマンスは全然なかったです」と坪井。
「アタックするタイミングが違ったとしても(Q1を)通れるくらいのパフォーマンスがないと、ポールは獲れないかなと思います。それも踏まえて(パフォーマンスが足りない)要因はまだ見つかっていないので、見つけていきたいなと思います」と、現状では予選でのペース改善が急務という状況ようだ。
そこから決勝スタートを迎えた坪井は、チームメイトのサッシャ・フェネストラズが前を走っていたこともあり、1周目のセーフティカー導入時はステイアウトを選択。
「『そうなった場合はステイアウトもあるよね』という話は事前にしていました。ただ、思った以上にステイしたクルマがいた。僕的にはひとりだけステイする予定でしたけど、やっぱり考えることはみんな一緒だったかなと(苦笑)。15番手スタートだったので、ギャンブル的なことがあっても良いなかなと。でも、実際にはいいところにはいけていたと思うので、作戦としては良かったのかなと思います」
そう坪井も語るとおり、レース再開後はピットストップを終えた後続メンバーを引き離す勢いをみせたが、「牧野選手、岩佐(歩夢)選手とはジリジリと離れていたので、そこのコンマ1〜2秒の差はあったのかなと感じます」と坪井。
それでも後続との差は順調に広げており、最終的に4位あたりに入れる計算が立っていたが、16周目に突然ギヤが変わらなくなる症状が起きた。原因はシフトコンプレッサーだという。
「昨日の岩佐選手と同じような症状だったのかなと思います。ギヤがスタックしてしまった。1回目ピットに入った時にいろいろと対処したら戻ったので急いでレースに戻ることを選択したんですけど、また同じ症状が出てしまったので……もう1回ピットに入りました」
何度かピットストップを繰り返してトラブルを解消した坪井は5周遅れでチェッカーフラッグを受けたが規定周回数に満たず、完走扱いとはならなかった。
彼がポイントを獲れなかったのは2024年の開幕戦鈴鹿以来、約1年ぶりのこと。
「走っていれば多分4位くらいだったと思います。15位スタートで4位だったら今日も万々歳かなというレースだったのかなと思うんですけど、1年やっていればトラブルだったり、こういう思いをすることはあるので、それがたまたま僕にこのタイミングで来たというだけなので、しょうがないです」
とはいうものの、チャンピオン獲得のためにポイントを獲り続けることの重要性を知る坪井は「明らかに4位になれたレースだったので残念ですね。苦しい時にポイントを獲るということは大事なので、この失った8点は大きいなと思います」と、肩を落としていた。
■4位入賞のフェネストラズ。予選は良好も課題は決勝ペース
一方、第3戦で8位、第4戦では4位に入る活躍を見せたチームメイトのフェネストラズ。今季、シリーズ復帰となった彼は、とくにもてぎで表彰台間近という結果を手にできたことを前向きに捉えていた。
「もてぎはトムスがあまり得意としていないコースで、今まで8番手や9番手ということが多かったけど、その中で予選・決勝ともに良い場所で終えられたのはポジティブだ。もちろん勝つために来ているのだから、これで満足はできない」とフェネストラズ。
今回は予選でもコンスタントにQ2進出を果たし、第3戦・第4戦ともに5番グリッドを獲得していたが、決勝レースでは両日ともタイヤのデグラデーションに苦しんだという。
「基本的には第3戦と似たような症状だった。そこから改善はしているけど、まだ足りない。もちろん僕自身も改善しなければいけないけど、クルマの部分でももう少しやっていきたいところがある。今回は鈴鹿からもてぎにかけてステップを踏めたことは確認できたけど、まだ難しく感じるところはあるから、4位が最大限の結果だったと思う」
レースペースに関しては深刻な表情であったが、「今日はポイントをたくさん獲れたことは本当に良かった。これを次のオートポリスに続けたい」と最後にフェネストラズは笑顔を見せた。