まさに“異次元”、稀に見る大差で山下健太がぶっちぎり。王者坪井はQ1敗退【第4戦予選レポート】
2025年4月20日(日)10時45分 AUTOSPORT web

4月20日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の公式予選がモビリティリゾートもてぎで行われ、山下健太(KONDO RACING)が2番手に0.5秒以上の大差をつけてポールポジションを獲得した。これで自身3度目のポール獲得となったが、山下は3つすべてをこのもてぎで獲得。ミドルフォーミュラ時代に走り込んだホームコースで速さを見せつけた形となった。
2位は太田格之進、3位には牧野任祐と、前日の第3戦でワン・ツー・フィイッシュを飾ったDOCOMO TEAM DANDELION RACING勢が上位に並んでいる。
■前日からコンディション一変
前日の晴天からコンディションが変わり、モビリティリゾートもてぎの上空はどんよりとした空模様。朝からやや湿ったひんやりとした空気に包まれた。
9時10分からのQ1A組は坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、太田、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が出走。気温20度、路面温度24度というコンディションで10分間のセッションがスタートした。
前日とのコンディションの違いを考慮してか、セッション開始と同時に全車がピットを離れコース状況の確認に向かう。アウト/インで戻ってくるドライバーと、1周計測してからピットへ戻ってくるドライバーと半々に分かれたが、それぞれタイヤを履き替えてコースイン。
ディフェンディングチャンピオンの坪井からタイムアタックに入っていく。計測されたラップタイムは1分32秒727。暫定トップに立つものの、野尻が1分32秒306、太田が1分32秒060と次々にタイムを塗り替え、坪井はポジションを下げていく。さらにオサリバンが坪井を上回って3番手に入り、大湯、フラガが1分32秒前半のタイムで2番手に入ってくると、坪井は6番手に。そして小出が1分32秒516で5番に入ると、坪井は7番手にドロップし、まさかのQ1敗退ゾーンに入ってしまった。
坪井はまだチェッカーを受けていなかったのでチャンスは残っていたものの、すでにペースを落としておりタイム更新はならず。最後にチェッカーを受けた福住が1分32秒619で6番手に滑り込んだことで、坪井はQ1を8番手で終えることになった。また、福住のアタックまでは6番手で持ちこたえていたオサリバンもこれで7番手に下がり、もてぎ大会は2戦ともにQ1敗退。以下坪井、高星、小高、Jujuの5名がここで予選を終えることになり、太田、フラガ、大湯、野尻、小出、福住がQ2に駒を進めた。
続くB組には、山下、牧野、野中誠太(Kids com Team KCMG)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、小林利徠斗(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、平良響(KDDI TGMGP TGR-DC)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が登場。
こちらのグループは全車がアウト/インでピットに戻りタイヤを交換。残り6分半で全車がコースに戻りタイヤのウォームアップを開始する。
最初にアタックに入ったのは岩佐。1分32秒218がターゲットタイムとなるが、牧野が1分32秒195でこれを上回りトップを奪還。山下、大嶋が3番手と4番手に続いた。金曜日のフリープラクティスで総合トップを飾った阪口が1分32秒484で大嶋を上回り4番手に。この時点でQ1突破ライン上にいたのは三宅だが、ここでルーキーの小林が1分32秒735をマークし三宅から6番手を奪う。参戦2戦目にしてQ1突破かと思われたが、続く佐藤が1分32秒622で約0.1秒小林を上回り6番手に滑り込んだ。
ただし、その佐藤もフェネストラズが1分32秒229で3番手に上がってきたことでノックアウト。前日の第3戦をオープニングラップで終えていただけに挽回を誓った今日の第4戦だが、Q1突破は叶わなかった。B組のリザルトは、牧野、岩佐、フェネストラズ、山下、阪口、大嶋の6名がQ2進出。佐藤、小林、野中、三宅、平良がここで予選を終えることとなった。
■全セクター最速。異次元の走りで山下がPP獲得
Q2はQ1と比べて時間が短いこともあり、全車がセッション開始と同時にコースに出るとそのままタイヤのウォームアップに入っていった。残り時間が1分ほどになったところでフラガからアタック開始。12台が一定の距離をあけてコントロールラインを通過していき、一度ピットスルーを挟んで最後尾に移り、クリアスペースでタイヤウォームアップを行っていた小出が残り時間1秒でアタックを開始した。
まずはフラガが1分32秒199で暫定トップ。これを牧野が1分31秒963で上回り逆転する。野尻、岩佐のTEAM MUGENの2台は1分32秒台にとどまり逆転はならず。そして、セクター1から牧野のタイムを上回り全体ベストを並べた山下が1分31秒399をマーク。唯一1分31秒台前半のタイムをたたき出しトップに躍り出た。続いて戻ってきた太田は1分31秒903で牧野を破ったものの、山下には及ばず2番手。最後に小出が1分32秒619でタイムを記録し、これでセッション終了となった。
山下が太田に対し0.504秒と圧倒的な差をつけて、自身3度目のポールポジションを獲得。2位には太田、3位には牧野とDOCOMO TEAM DANDELION RACING勢が並び、阪口、フェネストラズ、イゴールと続くトップ6となった。
37周で争われる第4戦の決勝レースは、このあと14時55分にフォーメーションラップのスタートが切られる予定だ。