「結構ヒートアップした」王者・坪井がQ2最後尾から4位に躍進。“打倒ダンデ”最右翼か/SF第3戦

2025年4月20日(日)6時45分 AUTOSPORT web


 4月19日、モビリティリゾートもてぎで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦。昨年王者の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)は、僅差となった予選Q2で最下位に沈むも、決勝ではペースと戦略を絡めてベストなレース運びを見せ、4位でフィニッシュしてダメージ・リミテーションに成功した。


■「鈴鹿が異例だった。もてぎは昨年と似た雰囲気」



 この日朝の予選、坪井はQ1Aグループを牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に次ぐ2番手で通過するも、その後のQ2ではアウトラップからグリップを感じられず、「残念な予選になってしまった」と12番手。


 さらに決勝スタート直後の1コーナーでは、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)と佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の接触を避けたことでも順位を失い、1周目終了時点で14番手にまで後退を喫した。


 中継映像では、チームメイトのサッシャ・フェネストラズに追いついた際、ピット戦略をしっかりと決めるようにチームに促す無線が流れた。基本的にはチーム内で前を走る陣営に戦略の選択権があるため、坪井はフェネストラズの37号車陣営の判断を促した形だ。


「早く決めてくれないと、僕もどこまでタイヤをマネジメントするのか、プッシュするのか、方針が変わってくるので。あの時は結構ヒートアップしましたけど(笑)、あとから冷静に考えると自分が(チームメイトより)前を走っていたとしたら、たしかに周りに合わせたいから、なかなか決められない気持ちは分かります」とレース後の坪井。


 フェネストラズとしては「前のクルマ(大嶋和也/docomo business ROOKIE)がピットに入ったら、自分は入らない」という意思をチームに伝えていたようだが、その状況が坪井には共有されていなかったとのこと。日曜の第4戦に向けては、そのあたりのチーム内でのコミュニケーションを円滑化し「ちゃんとインフォメーションが受け取れるようにしたい」と坪井は話す。


 結果的にはフェネストラズが大嶋の翌周となる11周目のピットインを選択したことで、坪井は反対に引っ張る戦略となったが、多くの車両が10〜11周目でピットに向かったことでクリーンエアを得ることができ、そこに元来の武器である決勝ペースの良さが組み合わさったことで、上位進出の好条件を得る形となった。


 20周目という出場全車のなかで最後のタイミングでピットへと向かった坪井は、残る13周でフレッシュタイヤの利を最大限に活かして前車を次々とオーバーテイク。最終的には岩佐歩夢(TEAM MUGEN)の脱落もあり、4位でフィニッシュすることに成功した。



坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)/2025スーパーフォーミュラ第3戦&第4戦もてぎ

 タイヤスペックが今季から変更となり、ロングランにおけるデグラデーションも全体的にやや目立ったもてぎの週末となったが、坪井は「鈴鹿が異例だったのではないですかね。思ったより落ちなかったのは寒かったのもあるし、路面改修もありましたから」と、タイヤのデグラデーションが少なかった開幕ラウンドを振り返る。開催時期とタイヤが変われど、今回のもてぎ戦に関しては「昨年と似たような雰囲気」を感じているという。


「去年からロングに関してはわりと手応えを持っていますし、暖かい時期のロングに関してはなおさら自信を持って走れています。とはいえフィーリング的には良くない部分もあるし、牧野選手はだいぶ速かったと思うので、そこに追いつけるように頑張っていきたいと思います」


 1周目の混乱に巻き込まれていければ「タラレバですが、表彰台に乗れていましたね」と坪井。予選ポジションを引き上げることができれば、いますぐにでもダンディライアン勢に襲いかかる存在になれそうな雰囲気を、昨年王者は醸し出している。

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