米国進出の意義に異論! 井上尚弥への日本開催批判に英識者が反発「アメリカで戦わなければ、真のスターになれないのか?」

2024年4月21日(日)7時0分 ココカラネクスト

圧倒的強さで、ライバルたちを次々と撃破し、日本のみならず、世界を熱狂させる。そんな井上に思わぬクレームが飛んでいる。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 井上尚弥(大橋)の強さを巡って思わぬ論争が起きている。それは「なぜイノウエはアメリカに進出しないのか」というものだ。

 以前から存在していた議論をふたたび白熱させたのは、元世界王者の“井上評”だった。去る現地時間4月12日に、米ボクシング専門YouTubeチャンネル『ProBox TV』に出演した元世界ウェルター級王者2団体王者のショーン・ポーター(米国)氏が、次のように説いたのである。

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「イノウエはスーパースターで、海外へ行く必要はないのだろう。だけど、彼がいわゆるボクシング界で、世界最高のスターになりたいならこっち(米国)での試合が必要だ。イノウエの目指しているゴールが何なのか、それは俺には本当にわからない。でも、ボクシングでは海を渡り、アメリカに来て、アメリカ人を倒して、ファンに注目してもらわなければならないんだ」

 21年6月にマイケル・ダスマリナス(フィリピン)とのWBA・IBFバンタム級タイトルマッチ以来、国内興行を続けている井上。米国でのタイトルマッチ経験こそあるものの、ポーター氏は「ボクシングの本場で力を証明しろ」と言わんばかりの持論を展開した。

 ポーター氏に同調する声は相次いだ。一方で、井上が莫大なる収入を生み出していることもあり、日本開催の“価値”を好意的に捉える識者もいる。

 英ボクシング専門サイト『Boxing News Online』は「イノウエはアメリカで戦わなければ、真のスターになれないのか?」と銘打った特集記事を掲載。そのなかで、元プロボクサーであり、現在はプロモーターとして活躍しているジェイミー・コンラン氏は、「私はポーターの意見には全く同意できない」と断言。その理由を次のように説いている。

「私はすでにナオヤ・イノウエは世界的なスーパースターだと思っている。彼は軽量級の選手をボクシング界のマップに載せた。そして、いまや誰もが彼を追随している。ポーターのような人たちの言いたいことは分かるよ。この業界がアメリカを中心に回っていると思っているんだ。でもね、PPVを含めた世界的な観客動員数は、イノウエがアメリカで戦う必要がないことを証明しているんだ」

 また、元WBO世界ミドル級王者のアンディ・リー(アイルランド)も、「イノウエはすでに世界最高だ」とキッパリ。「ポーターの指摘には同意できないね」とし、「日本ではチケットは常に完売しているし、それ自体がスターである証だ」と断言した。

「10年前、あるいは5年前には、アメリカでライバルを破らなければならないという議論はたしかにあった。でも、ボクシングを取り巻く状況は変わったんだ。いまやとてもグローバルなスポーツになり、あらゆる階級のビッグファイトがアメリカではなく、サウジアラビアやその他の国で行われている。日本もそのうちのひとつなんだ」

 アメリカで戦わずともスターである——。鵜の目鷹の目の識者たちがそう言い残すこと自体が、井上の唯一無二の価値を十分に物語っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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