“3度”のゴール取り消しに泣いたビジャレアル…選手が怒りのあまりVAR機材を破壊、クラブ会長も判定に不満
2025年4月21日(月)18時41分 サッカーキング
頭を抱えるビジャレアル指揮官 [写真]=ムツ カワモリ
20日にラ・リーガ第32節が行われ、ビジャレアルはレアル・ソシエダを本拠地『デ・ラ・セラミカ』に迎え入れた。現在5位とチャンピオンズリーグ出場圏内のビジャレアルは、6位ベティスとの直接対決を制した勢いのままに連勝を目指した中、7分にFWジェレミ・ピノが先制点を挙げると、その後は一度逆転されたものの、60分にFWアジョセ・ペレスが同点ゴールをマーク。そして68分、DFフアン・フォイスの柔らかいパスに抜け出したピノのループシュートで再逆転に成功…かと思われたが、オフサイドの判定に。さらには84分にMFパプ・ゲイェが、後半アディショナルタイムにMFカール・エタ・エヨングがゴールネットを揺らしたが、これらもゴール取り消しとなった。結局、“3度”の幻のゴールに泣いたビジャレアルは、2−2と勝ち点2を落としている。
そんな試合後、事件は起きた。『アス』によると、判定に納得のいかないビジャレアル側が、クアドラ・フェルナンデス主審を始めとする審判団に対して説明を求めていた中、イリアス・アコマシュがVAR機材を破壊したとのこと。目下長期離脱中の同選手は、この試合もスタンドで観戦をしていたのだが、試合終了とともにピッチにまで降りてきていたようだ。
事の詳細について、クアドラ・フェルナンデス主審が提出した報告書では、「試合終了後、ビジャレアルに所属する選手で出場登録されていなかったイリアス・アコマシュが、私のところまで近づいてきて叫んだ。『これは恥だ、恥だ!』と。チームメイトとコーチ陣に引き剥がされるまで、その場から離れようとしなかった」という。そして「彼がドレッシングルームに戻る際には、VARのモニターを強く叩き、地面に投げ倒した。会社の技術者が破損を確認している」と書かれていることを明らかにした。
また『アス』は、アコマシュに処分が科されるだろうと指摘。数試合の出場停止処分に加えて、金銭的な罰則も下される可能性があると併せて伝えている。
なお試合後、ビジャレアルの名物会長であるフェルナンド・ロッチ氏も、2つ目と3つ目の判定に対する不満を吐露。この両方は、現場の判断によりゴールが取り消しになったのだが、ロッチ会長は「5ゴールを決めたのに、2点しか認められなかった。素晴らしい試合をした選手たちには祝福を送る。理解できないのは、VARが有効なツールとして機能していることを示す2つのプレーが、そもそも確認されなかったことだ」とVARが介入するべき事象だったと強調。続けて「これらの発言は、ビジャレアルのためだけではない。(リーグ全体の)レベルを上げるためであり、私たちだけでなく全員のために言っている」と述べている。