リーグ・アンで客席から投げ込まれたコインが副審の頭部直撃…連盟は非難、勝ち点剥奪可能性も

2025年4月21日(月)23時36分 サッカーキング

スタンドから投げ込まれたコインがラムニ副審の頭部に直撃 [写真]=Icon Sport via Getty Images

 リーグ・アン第30節のサンテティエンヌとリヨンのゲームで、メフディ・ラムニ副審がスタンドから“襲撃”を受けた件について、FFF(フランスサッカー連盟)が声明を発表した。

 ローヌ・アルプ地域圏に本拠を置くサンテティエンヌとリヨンによる“デュルビ・デュ・ローヌ”にて、“事件”が起こったのは、同試合のキックオフからおよそ44分が経過したころ。サンテティエンヌが1点をリードしたなかで迎えた、リヨン側のスローインの場面、何者かによって投げ込まれた物が、ラムニ副審の頭に直撃した。フランスメディア『RMCスポーツ』によると、投げ込まれた物はコインだったという。

 危険を察知したフランソワ・ルテクシエ主審は、即座に試合の中断を決断。両チームの選手をドレッシングルームに引き上げさせた。ラムニ副審が治療を受ける傍らで、主催側のサンテティエンヌ、リーグ・アンの担当者はこの事件の調査もスタートさせた。

 およそ35分間の中断を経て、試合は再開。ラムニ副審は意識が朦朧としていたものの、大きなケガなどはなく、鎮痛剤を飲んだ末、自ら試合の再開が可能であると主張。サンテティエンヌ側は「もし再び投擲物が投げ込まれるような事態が起こった場合、試合は即刻中止となる」と宣言した上で、試合は再開された。なお、現時点で犯人は特定されていない。

 最終的には2−1でサンテティエンヌの勝利に終わったが、『RMCスポーツ』によると、現地時間23日に予定されているリーグ・アンの懲戒委員会にて、サンテティエンヌ側に大幅なペナルティが科される可能性があるようだ。最も軽いペナルティであっても、次回のホームゲームにおける一部スタンドの閉鎖、もしくは無観客での開催が検討されているという。今季、サンテティエンヌはホームゲームを2試合残しているが、双方ともに無観客での開催となることも考えられる。

 一方で、最悪のケースでは、サンテティエンヌの勝利が取り消される、もしくは勝ち点剥奪の処分を受ける可能性もあるとのこと。過去、2021−22シーズンのリーグ・アン第14節では、当時マルセイユに所属していた元フランス代表FWディミトリ・パイェ(現:ヴァスコ・ダ・ガマ)に、対戦相手のリヨンサポーターが投げ込んだボトルが当たり、およそ2時間の中断の末に中止となる事件が起こったことがある。試合は後日に無観客で再開され、リヨン側は勝ち点「1」の剥奪処分を科されていた。当時に近いペナルティになる可能性も低くはない。

 なお、現時点でサンテティエンヌはリーグ・アンで降格圏の17位につけており、15位のアンジェとの勝ち点差はわずかに「3」。残り試合数が3つであることを考慮すると、このペナルティがサンテティエンヌの残留可否に与える影響は非常に大きくなりそうだ。

 一連の事件を受けて、FFFは20日に声明を発表。次のような言葉で、攻撃的行動を批判した。

「FFFは、2025年4月20日(日)に『スタッド・ジェフロワ・ギシャール』にて行われたサンテティエンヌとリヨンの試合において発生した、副審への耐え難い攻撃を、断固として非難する。当連盟は、フランス全国選手権(3部相当)のクヴィイーとルーアンの一戦に続いて、このような襲撃を週末に2度も受けている審判団とメフディ・ラムニ氏との連帯を表明する」

「常に、審判には尊敬と配慮を持って接さなければならず、肉体的・道徳的尊厳を攻撃することは耐え難い。FFFは、サッカーに携わるすべての人々に対し、倫理的かつ責任ある行動をとるよう呼びかける」


【ハイライト動画】試合はサンテティエンヌの勝利で終わったが…

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