【EXILE CUP 2025 レポート】初出場の暁星アストラジュニアが決勝大会へ!新設のガールズリーグは武里SCガールズが優勝!…『EXILE CUP 2025』関東大会

2025年4月21日(月)13時0分 サッカーキング

EXILE CUP 2025 関東大会を制した暁星アストラジュニア [写真]=須田 康暉



 2025年4月13日、小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会『EXILE CUP 2025』の関東大会がコーエィ前橋フットボールセンター(群馬県)で行われた。今大会は、2025年9月14日にアシックス里山スタジアム(愛媛県今治市)で開催される決勝大会に向けた予選のひとつ。全国10会場で予定されている予選大会が、この関東大会からスタートすることになる。

 2025年大会の大きなトピックとしては、女子選手で構成されたチームによる「ガールズリーグ」の発足が挙げられる。男女を分けない「オープンリーグ」、女子のみの「ガールズリーグ」と二つのカテゴリーに整理することで、女子選手へさらに多くの活躍の場を提供しようという試みだ。大会を主催する株式会社 LDH JAPANで地域共生・社会貢献事業を担うSocial Innovation Officerを務める橘ケンチさん(EXILE / EXILE THE SECOND)は、「今回で13回目を迎えますが、年々女子選手の存在感が高まっていました。我々は社会貢献のテーマとして<Dreams for Children>を掲げており、男子だけでなく女子のアスリートにとっても将来を描くきっかけになればうれしく思っています」とガールズリーグ設立の意図を語った。

 この日はあいにくの雨模様。開会式には橘さんのほか、LDH JAPANからラモス瑠偉さん、ガールズ・パフォーマンスグループLucky²の佐藤栞奈さんと佐藤妃希さんが登場した。橘さんが「チーム一丸となって決勝大会の今治を目指してもらいたいと思います」と激励し、ゲストのラモス瑠偉さんは「ゲームの中で一番かっこいいプレーにトライしてほしい」とエールを送った。EXILE TETSUYAさん監修のもと日本サッカー協会が開発した「クラッキ!ダンス」でウォーミングアップを終えると、いよいよ試合がスタート。オープンリーグでは44チームが4チームずつ11ブロックに分かれて予選リーグを行い、16チームが決勝トーナメントへ進む。ガールズリーグは8チームによる総当たりというレギュレーションだ。


 オープンリーグで目を引いたのは前回大会で準優勝のフウガドールすみだエッグス(東京都墨田区)だった。個々の能力の高さに加え、スペースを作り出す戦術的なプレーも巧み。ハーフタイムに戦術ボードを用いて微修正を施し、さらに試合の主導権を握る姿は小学生とは思えないほどだった。予選リーグは3戦全勝、26得点0失点と圧巻のパフォーマンスで突破した。

 予選リーグを終えると、短い休憩を挟んで16チームによる決勝トーナメントへ。ここからグッとレベルが上がり、1回戦では神栖サッカークラブジュニア(茨城県神栖市)が3−0で前回大会王者F.S.オーガ(千葉県市川市)に勝利した。F.S.オーガは2度のセレクションを経て「精鋭を連れてきた。本気で連覇を狙いにきた」と監督が語ったメンバーで臨んだというが、今大会のレベルの高さを感じさせる結果となった。

 フウガドールすみだエッグスは決勝トーナメントでも盤石の戦いぶりで決勝戦へ進む。もうひとつの山では、暁星アストラジュニア(東京都千代田区)が存在感を示した。個人の質に頼るチームも多いなか、暁星アストラジュニアは2セットのローテーションを組み、多種多様なセットプレーを使いこなす。時間と戦況を見てフィールドの4人を総入れ替えしながら、プレーの質を落とさない戦いぶりは出場チームのなかでも異彩を放っていた。

 決勝は昨年のリベンジを狙うフウガドールすみだエッグスと、大会初出場の暁星アストラジュニアの顔合わせとなった。お互いにむやみに前から捕まえにいくわけではなく、ゾーンを組んで相対する慎重な立ち上がり。まずはミドルシュートをサイドネットに突き刺した暁星アストラジュニアが先手を取る。後半も暁星アストラジュニアが立ち上がりに追加点を奪うが、そこからフウガドールすみだエッグスが積極的にシュートを狙う姿勢でペースをつかんだ。ロングシュートで1点を返すと、さらに強烈なシュートのこぼれ球を押し込んで試合を振り出しに戻した。延長戦でも決着はつかず、試合はPK戦に委ねられることとなった。

 PK戦ではお互いに1人ずつが決めたところで、暁星アストラジュニアのGK神先桐吾(かんざき・とうご)くんが立ちふさがる。相手の2番手のシュートに対し、ギリギリまで我慢して会心のストップ。「自信はありました」という守護神が続くキッカーのシュートを弾き出すと、神先くんを中心に歓喜の輪が広がった。

 暁星アストラジュニアは暁星小学校の児童で構成されたチーム。フットサルを専門とする坂本宏喜監督は「基礎的な戦術をかみ砕いて授けたうえで、最終的な判断は選手に託すというスタイル」と語る。サインプレーもセットごとに決めて、「コーナーキックで10種類弱、キックインで5、6種類、キックオフやクリアランスも準備していました」という緻密さが、初出場で初優勝という快挙につながった。

 神先くんは準決勝も含めて3本のPKをストップ。ミドルシュートへの鋭い反応やコーチングでもチームを支えた。大会を振り返り、「けがをしたチームメイト、ここに来られなかったチームメイトのために頑張りました」と語った優しい守護神は、「優勝できてうれしかったです。全国大会でも絶対に勝ちます」と力強く宣言してくれた。

 一方、ガールズリーグは参加8チーム総当たりのリーグ戦で行われ、地元群馬県のアレグリア新町SCガールズ(高崎市)、エストレーラFC境クリアンサ(伊勢崎市)が攻守にバランスの取れたプレーで勝点を伸ばした。そんななか、優勝を果たしたのは7試合を6勝1分無敗で終えた武里SCガールズ(埼玉県春日部市)。ガールズリーグが立ち上がると知り、いの一番に応募したという川元修一監督は、5年生主体のチームで初代女王に輝き「フットサルの練習を重ねてきたので、優勝できてとても良かったです」とホッとした様子だった。主将の堀切実桜さんは「自分たちは強いんだと自信を得ることができました」と喜び、チームメイトも口々に「絶対に優勝します」「今日戦った選手たちの分も背負って頑張ります」と決勝大会への意気込みを語った。

 雨が降りしきるなか、関東大会は予定どおりに終了。橘さんは「なんとか乗り越えられてホッとしています」と胸をなで下ろし、「ものすごく見ごたえのある試合を展開してくれた」と笑顔で語った。初の試みとなったガールズリーグは「トライアンドエラーのさなかですが、いい手応えを感じました。もっとブラッシュアップしたり、規模の拡大ができたりしたら」と今後の展開を見据えた。ラモス瑠偉さんは「雨の中でも一生懸命走っている姿に感動しました。毎年レベルが上がっていて、簡単に勝てる大会じゃなくなっているよね」と満足気にコメントした。

 佐藤栞奈さんは「一生懸命な姿に感動しました。実際に試合を見て、シュートが入ったときにみんなで喜ぶ姿とか、逆に負けちゃったときは悔し涙を流している選手の姿とか、子どもたちのサッカーへの思いがたくさん伝わってきました」、佐藤妃希さんは「決勝が終わる頃には2人で涙目になっていました。私はガールズリーグが始まると聞いて、すごく楽しみにしていました。同じ女性として、女性が活躍できる場所、自分の力を発揮できる場所があるのは、すごくうれしいことだと思います。ガールズリーグが今後、日本全国からたくさんの選手が集まる場になっていったらうれしいです」と大会を振り返った。

取材・文=小杉 正貴 写真=須田 康暉

サッカーキング

「関東」をもっと詳しく

「関東」のニュース

「関東」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ