好投を続くのになぜ批判? 菅野智之に米メディアが疑念を抱く「6.42」の意味「衝撃的。実力よりも幸運に恵まれてきた」
2025年4月22日(火)6時0分 ココカラネクスト

オリオールズでエース級の働きを見せている菅野。(C)Getty Images
35歳のオールドルーキーが好投を続けている。今季からオリオールズの一員となった菅野智之だ。
現地時間4月17日に行われたガーディアンズ戦では、7回(87球)を投げて、被安打5、2失点、3奪三振、無四球の好投。3回に2者連続本塁打を打たれて失点こそ喫したが、コーナーに多彩なボールを投げ分けて老獪にまとめた。
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他でもないブランドン・ハイド監督が「価値がある」と認める活躍を見せている菅野。ここまで4先発で2勝(2敗)を挙げ、防御率3.43、WHIP1.29とまずまずの成績を記録。チーム防御率5.43と“投壊”状態が指摘されるオリオールズにあっては、貴重な先発の柱と言える。
いわば“助っ人”として好スタートを切った菅野。開幕前に米メディアで「効果的な投手ではない」といった否定的な意見を頂戴していたことを考えれば、「よくやっている」と評価できる。しかし、球団が獲得に大枚を叩いた影響からか。現地メディアでは好投を続けてもなお懸念されている。
オリオールズの専門サイト『Birds Watcher』は「最初の4先発の成績は、紙面上では堅実に見える。しかし、よくよく見ると、波乱の兆しがすぐそこまで来ているのかもしれない」と菅野の投球内容を疑問視。細かなスタッツを分析し、「根底に深い亀裂が潜んでおり、大きく後退する可能性がある」と断じた。
まず、同メディアが苦言を呈したのは、奪三振率の低さ。あくまでスモールサンプルに過ぎないが、菅野のそれは「3.43」。これは規定投球回を満たしているMLB先発投手88人の中で最下位とお世辞にも高いとは言えない。
この数字の低さを「空振り三振が支配的な意味を持つ今日の野球において大きな危険信号だ」と断言する同メディアは、「今は仮面が剝がれていないが、パワー不足は無視できない」と糾弾。さらに投手が打たれた種類や打球結果から予測される防御率を示す指標「xERA」が6.42と高い点について「衝撃的な数値だ。つまり、スガノはこれまで実力よりも幸運に恵まれてきたと言える」と断じた。
スタッツをまとめる限り、文字通り打たせて取る投球で、信頼と勝ち星を掴んでいる。NPB時代に異彩を放った制球力が功を奏している菅野だが、どこまでメジャーの強打者たちに食い下がれるか。現地メディアの辛辣な声をぎゃふんと言わせる投球を期待したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]