帰ってきて!アルビレックス新潟を救える現役OB選手3選【J1リーグ2025】
2025年4月22日(火)14時0分 FOOTBALL TRIBE

一部チームを除き第11節までの日程を終えた2025明治安田J1リーグ。上位は消化試合数にバラつきがあるものの勝ち点3差に8チームという混戦模様で盛り上がりを見せるなか、J1復帰3シーズン目を迎えているアルビレックス新潟は現在最下位に勝ち点で並ぶ19位と窮地に立たされている。第9節のヴィッセル神戸戦で今季初勝利を挙げたもののここまで1勝5分5敗。得点こそ奪えているが失点がかさみ、思うように勝ち点を積み上げられないままシーズン序盤戦を終えようとしている。
昨2024シーズンを見ても、序盤戦で5連敗のあった北海道コンサドーレ札幌や同じく6戦未勝利などで苦しんだサガン鳥栖が最終的に降格しており、開幕から8戦白星のなかった今季の新潟にとっては決して他人事とはいえず早急な立て直しが求められることは間違いない。
そんなチーム状況だからこそ、かつて在籍し今はJリーグの他クラブに所属する選手たちを頼りたくなるファンやサポーターも多くいることだろう。もちろん、現実的に今すぐ補強で彼らを呼び戻すことは難しいが、頼りにしたいと感じてしまうのは十分にうなずける。ここでは、過去に新潟に在籍した選手のうち、今の新潟に居れば必ずや状況を好転させられる選手を3名紹介していく。

酒井高徳(ヴィッセル神戸)
現役の新潟OB選手の中で最も経験値の高い選手と言えばDF酒井高徳で間違いないだろう。下部組織出身で2008年にトップ昇格が発表されると、2009シーズン開幕戦のFC東京戦でリーグ戦に初出場。翌2010シーズンからは出場機会も増え、2011シーズン終了後に海外移籍を果たすまでの間に新潟ではリーグ戦74試合に出場し1ゴールを挙げている。
2011年末にドイツのVfBシュツットガルトへ期限付き移籍し、2013年には完全移籍。その後はシュツットガルトで計4シーズンを過ごしたのち同じくドイツのハンブルガーSVへ完全移籍している。ハンブルガーではキャプテンも務め、2017/18シーズンにクラブ史上初の2部降格という苦境も経験しながら翌2018/19シーズンまで過ごし、2019年8月にヴィッセル神戸へ移籍となってJリーグ復帰を果たしている。神戸加入後は、2021〜2022シーズンでリーグ戦全試合に出場を果たし、2023、2024シーズンのJ1連覇にも大きく貢献。残念ながら今季は開幕戦の負傷で一時戦列を離れた(現在は復帰)が、34歳となった今でもJ1の舞台で輝きを放ち続けている。
国内、海外での経験に加え日本代表としての経験も豊富な酒井。近年の新潟は主力選手が相次いで海外移籍するなどなかなか戦力を維持できない状況が続いている。当然のことながら、移籍していった選手たちはチームを牽引するような選手ばかり。だからこそ、海外クラブでキャプテンまで務めた酒井がもしも新潟へ帰って来れば、必ずや多くの経験をチームに還元し立て直しに一役買ってくれるのではないだろうか。

本間至恩(セレッソ大阪)
2022シーズン途中に新潟から海外移籍したMF本間至恩も、ファンやサポーターが帰還を願う選手の1人ではないだろうか。2017〜2018シーズンの2種登録を経て下部組織からトップ昇格を果たした本間は、2019シーズンは途中出場が多いながらも28試合に出場し3ゴールをマーク。翌2020シーズンにはスタメンに定着し、2022シーズンに移籍するまでゴールやアシストで攻撃を牽引した。
2024年7月に浦和レッズへ完全移籍で加入しJリーグ復帰を果たしたが出場は3試合に留まり、今季途中にセレッソ大阪へと期限付き移籍しここまで2試合に途中出場している。
切れ味鋭いドリブルからの強烈なシュートや丁寧なラストパスが持ち味。サイドでボールを持てば、積極的な仕掛けでチャンスを演出できる能力を持っている。一度は海外へ送り出した逸材だが、国内復帰を果たしかつ所属先で出番が限定されているのであれば、ぜひとも戻ってきてほしいと願うのはファンやサポーターの心理として当然のことだろう。C大阪での活躍のほどはまだこれからだが、いずれにしても新潟を苦境から救えるOB選手と言えば今後も真っ先に名の挙がる存在に違いない。

渡邊凌磨(浦和レッズ)
昨2024シーズンより浦和レッズで活躍するMF渡邊凌磨も、過去に短期間だが新潟に所属していた選手の1人だ。ドイツのインゴルシュタットでキャリアをスタートさせたが出場機会は思うように得られず、2018年7月に新潟へ完全移籍で加入。2019シーズンには23試合に出場し4ゴールをマークするなど活躍して当時J2の新潟を支えた。
近年では2021シーズンに移籍したFC東京で主力として活躍。3シーズンでリーグ戦76試合に出場し12ゴールという数字を残し浦和へと移籍。移籍初年度の昨季は38試合すべてに出場して6ゴールと、なかなか上昇のきっかけを掴めず苦しんだクラブでも数字を残して見せた。
複数のポジションを高いレベルでこなすユーティリティ性や豊富な運動量が武器だが、最大の持ち味はシュートの威力と精度だ。2023シーズンのJ1第8節セレッソ大阪戦でのゴールは同年のJ1最優秀ゴールに輝いており、記憶に新しいものでは今季第8節の清水エスパルス戦で見せたGK棒立ちの美しいミドルシュートと両足から鮮やかなシュートをゴールに叩き込む技術を持つ。毎年のように主力の流出がありながらも、今季も下位に沈むチームの中では得点力を維持している新潟。しかし、勝利のためには中盤でのユーティリティ性と圧巻の飛び道具を持つ渡邊こそ、今のチームが求める存在と言えるのではないだろうか。