札幌はまだまだ強くなる。“ミシャ式”と昨季までのスタイル、融合の先にある歓喜

4月22日(日)10時20分 フットボールチャンネル

“ミシャ式”にとらわれない戦いを見せる札幌

 明治安田生命J1リーグ第9節が21日に行われ、北海道コンサドーレ札幌は浦和レッズと対戦し0-0で引き分けた。今季から就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもと、チームは新たなスタイルの習得に取り組んでいる。少しずつ形になり始めているが、彼らの武器はそれだけではない。(取材・文:青木務)

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 公式戦4連勝中のチーム同士の対戦は、スコアが動かぬまま終了した。「どちらも負けたくないという強い想いが出た試合だと思う。どちらもよく走り、戦ったゲームだと。引き分けという結果は妥当だと思う」と振り返ったのは、今季から北海道コンサドーレ札幌を率いているミハイロ・ペトロヴィッチ監督だ。

 主導権を握ったのは浦和だった。ボールを動かしながら、相手の隙を狙っていく。だが、札幌はゴールを許さなかった。27分にはPA内に走り込んだ柏木陽介にシュートを打たれるも、DFが懸命に足を出してブロックしている。アウェイチームは相手に翻弄されながらも、水際で防いでいた。

 キャプテンの宮澤裕樹は「チームとして粘り強く戦うことができた」と手応えを口にした。21歳の進藤亮佑もこう語っている。

「最悪、崩されてもゴール前でやられなければ失点しないという割り切りは持ちつつ、厳しく戦えたと思う。ゼロで終われたのは、これからも継続していきたい。今日に関してはもう少し、チャンスを多く作りたかったです。ビルドアップの部分で安定してやれれば、もう何個かチャンスを作れたと思う。コーナーキックの数も今日は2回と少なかったですし、もうちょっと自分たちの時間を増やしていかないといけない」

 札幌は現在、4勝3分2敗の4位と好調だ。ペトロヴィッチ監督が就任したことで、“ミシャ式”と呼ばれる特殊なスタイルも導入されている。最終ラインからボールを動かし、サイドや中央からゴールを目指す。

 的確なビルドアップやコンビネーションによる崩しは浦和やサンフレッチェ広島にまだ及ばないが、就任3ヶ月と日が浅い。今後さらに向上するはずだ。

 独特な戦い方を習得している最中だが、チームは勝ち点を上積みできている。“ミシャ式”にこだわるだけでなく、状況に応じたプレーができているようだ。

ショートパスはあくまで手段のひとつ

「今年はかなりサッカーが変わったけど、去年までの特徴であるクロスからのゴールというのは今年も継続してやれている。ミシャさんのサッカーに加えて、去年の四方田(修平=現ヘッドコーチ)さんのサッカーも合わさって、かなりいいチームになっているんじゃないかなと」

 19歳の菅大輝は、これまでの札幌らしさと現在のサッカーが融合していると述べた。

「自分たちが約束事やイメージを共有しながらプレーして、それが合った時というのは本当にチャンスになっている。その回数をこれから増やしていけばゴールももっと生まれると思うし、試合ももっと支配できるんじゃないかと思っている。ミシャさんのサッカーをやりつつ、去年までやってきたことも忘れずにやっていければいいかなと思います」

 さらに、進藤は今季のサッカーに関して「ボールを繋ぐというのは目的ではないので」と、きっぱりと言い切っている。

「ゴールを奪うとなった時に前線の高さとか、サイドの突破力やシンプルなクロスもチャンスになってくると思う。融合という意味では、チャンスになる確率が高いプレーをしていくことが重要ですし、それを監督は求めている。ボールを大事にしながらも、それは手段でしかないということを忘れずに。目的はゴールを奪うことだというのを大事にしてやっていきたいです」

 また、前節の柏レイソル戦で逆転ゴールを決めた都倉賢は「ミシャのサッカーになってテクニカルな部分が注目されがちですが、球際の強さだったり、セカンドボールを拾うことなどは最低限やらなきゃいけない部分」と、その試合の後に述べていた。

 ペトロヴィッチ監督体制になって、流麗なサッカーもどんどん身についていくだろう。だが、札幌が培ってきた良さを捨て去る必要もない。堅い守りや粘り強さ、前線の高さを活かした攻撃は今季もよく見られる。

 ビルドアップに詰まった時、前線のターゲットマンをシンプルに使うことで相手のプレスを回避するだけでなく、そのままチャンスに繋げることができる。ショートパスはあくまで手段のひとつであることが、全員に共有されているのだ。

 今後さらに錬度を高めていくであろう“ミシャ式”と既存のスタイルが完全に合わさった時、北海道コンサドーレ札幌はどのようなチームになっているだろうか。

 リーグに旋風を巻き起こす力を秘めているのは間違いない。

(取材・文:青木務)

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