マンU、2部コヴェントリーに3点差を追い付かれるも…PK戦で激闘制す、2季連続でFA杯決勝へ

2024年4月22日(月)2時32分 サッカーキング

一時はヒヤリも、マンUがFAカップ決勝へ [写真]=Getty Images

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 FAカップ準決勝が21日に行われ、コヴェントリーとマンチェスター・ユナイテッドが対戦した。

 現在はチャンピオンシップ(2部)に身を置きながら、準決勝まで進んできたコヴェントリー。5回戦までは2部以下のクラブとの戦いが多かったものの、その5回戦では快進撃を続けていたメイドストーン・ユナイテッド(6部)相手に5−0と力の差を見せつけた。準々決勝では、後半アディショナルタイムの2得点で、ウルヴァーハンプトン(1部)相手に3−2と逆転勝利。現在チャンピオンシップでは2連敗中で、昇格プレーオフ圏外の8位に甘んじているが、大舞台で“ジャイアントキリング”を起こせるだろうか。

 一方のマンチェスター・ユナイテッドは言わずと知れたイングランドの名門。これまでに12回のFAカップ優勝を誇っている。今大会では、3回戦でウィガン(3部)を2−0で、4回戦でニューポート・カウンティ(4部)を4−2で、5回戦で1部のノッティンガム・フォレストを1−0で撃破。準々決勝では延長戦までもつれ込む激闘の末、リヴァプールを4−3で破り、2シーズン連続の準決勝進出。現在プレミアリーグでは4試合未勝利で7位となっているが、勢いを取り戻す一戦としたい。

 そんなマンチェスター・ユナイテッドは、ブルーノ・フェルナンデス、マーカス・ラッシュフォード、ラスムス・ホイルンドといった面々がスターティングメンバーに並んだ。ケガ人が続出している関係もあり、カゼミーロが本職ではないセンターバックに入っている。一方で、コヴェントリー所属の坂元達裕は負傷のためメンバーから外れた。

 聖地『ウェンブリー・スタジアム』でキックオフを迎えた一戦は、立ち上がりからコヴェントリーが低い位置でブロックを組み、まずは守備を考慮して試合に入る。マンチェスター・ユナイテッドは19分にカゼミーロからのロングフィードでラッシュフォードが抜け出し、チャンスを迎えるも、決め切ることはできない。コヴェントリーもカウンターで虎視眈々とチャンスを狙ったが、スコアは動かずに時間が経過する。

 均衡が破れたのは23分だった。マンチェスター・ユナイテッドは最終ラインでボールを持ったハリー・マグワイアが敵陣中央へパスを差し込むと、前を向いたスコット・マクトミネイが右サイドへ展開。ボールを受けたアレハンドロ・ガルナチョをディオゴ・ダロトがフリーランニングで追い越し、最終ラインとGKの間に低弾道のクロスボールを送り込むと、最後はマクトミネイがダイレクトで押し込んだ。

 前半も終盤に差し掛かると、徐々にコヴェントリーが前へ出るシーンも作れるようになる。40分には敵陣でドリブルを仕掛けたジョシュ・エクルズが、ペナルティエリア右まで進入し、GKと最終ラインの間へグラウンダーのボールを入れるも、ここは味方と合わず、ダロトにクリアされる。

 ピンチを凌いだマンチェスター・ユナイテッドは前半アディショナルタイム、右サイド深い位置を取ったダロトの折り返しから、ラッシュフォードが右足を振り抜くも、強烈なシュートはGKブラッドリー・コリンズに弾き出される。だが、このプレーで右コーナーキックを獲得すると、B・フェルナンデスの放ったボールからマグワイアが得意のヘディングでゴールネットを揺らす。マンチェスター・ユナイテッドが2点をリードして前半を終えた。

 後半に入ってもマンチェスター・ユナイテッドが攻撃へ出る時間が続き、59分には決定的な3点目をゲット。自陣右サイドからガルナチョがドリブルで持ち運び、中央へ預けると、ボールを引き取ったB・フェルナンデスが左へ繋ぐ。ボールを受けたラッシュフォードが縦へ仕掛けて切り返しを狙うと、1度は阻まれたものの、こぼれ球を拾ったB・フェルナンデスが左足でシュート。相手に当たってディフレクションしたボールがゴールへ吸い込まれた。

 コヴェントリーとしては難しい展開となってしまったが、71分には反撃へ転じる。敵陣中央で背後からのボールを収めたカラム・オヘアが右サイドへ散らすと、フリーでボールを受けたファビオ・タヴァレスがクロスボールを供給。ニアサイドでフリーになっていたエリス・シムズがダイレクトボレーを沈め、コヴェントリーが1点を返した。

 勢いに乗るコヴェントリーは続く79分、ミラン・ファン・エヴァイクが背後のスペースへボールを入れると、左サイドへ流れたシムズがボールをキープ。時間を作ってから中央へ切り込み、横へ渡すと、サポートしていたカラム・オヘアがミドルシュートを放つ。この一撃がアーロン・ワン・ビサカに当たってゴールに吸い込まれ、コヴェントリーが1点差まで詰め寄った。

 一時はマンチェスター・ユナイテッドにとって余裕の展開かと思われながら、終盤はコヴェントリーが同点を目指してゴールに迫る場面を作り出すなど、試合は最後まで手に汗握る展開に。最後まで諦めないコヴェントリーは後半アディショナルタイム、敵陣でクリアボールを拾ったヴィクター・トープが左サイドへスルーパスを送ると、ハジ・ライトが左足でクロスボールを送る。ファーサイドへ詰めていたルイス・ビンクスがダイレクトで合わせると、このシュートがワン・ビサカの腕に直撃。主審は迷わずペナルティスポットを指差し、コヴェントリーにPKが与えられた。

 キッカーを務めるのは、PKに繋がるクロスボールを上げたライト。GKアンドレ・オナナの逆を突く一撃をゴール右下に蹴り込み、コヴェントリーが土壇場で試合を振り出しに戻した。

 このPKにより、試合は延長戦に突入。延長前半の序盤にはマンチェスター・ユナイテッドがビッグチャンスを構築。94分、敵陣で相手のミスからボールを拾ったホイルンドがボールを持ち運び、ボックス右へ走り込んでいたアマド・ディアロへボールを繋ぐと、マイナスへの落としからB・フェルナンデスが右足一閃。強烈な一撃はクロスバーを叩いた。

 その後は基本的にマンチェスター・ユナイテッドが押し込みながらも、コヴェントリーもカウンターを中心に一歩も引くことなく、五角の戦いを披露。延長後半に入ると、コヴェントリーが怒涛の攻撃へ。113分、カウンターの流れから前線でシムズがボールを収めると、落としを受けたオヘアが左へ繋ぐ。走り込んできたライトが左足を振り抜くも、シュートはわずかに枠を外れる。続く116分には、ゴール前でうまく反転したシムズが思い切り良く右足で狙ったが、今度はクロスバーに嫌われた。

 さらに延長後半アディショナルタイム、コヴェントリーはオヘアからのスルーパスでライトが左サイドを抜け出すと、ニアサイドへ飛び込んだトープがダイレクトで押し込む。土壇場でコヴェントリーが試合をひっくり返したかと思われたが、ここはライトのポジションがオフサイドと判定され、得点は認められなかった。

 結局、120分間を経過しても試合の決着はつかず、勝負の行方はPK戦に委ねられる。先攻のマンチェスター・ユナイテッドは、1人目キッカーを務めたカゼミーロが真ん中にチップキックを狙ったが、GKコリンズが駆け引きを制する。その後はマンチェスター・ユナイテッド3人目のクリスティアン・エリクセンまで全員が成功。一方でコヴェントリーは3人目のオヘアが放ったキックがGKオナナの好セーブに阻まれる。マンチェスター・ユナイテッド4人目のB・フェルナンデスはゴール右下に流し込むと、コヴェントリー4人目のベン・シーフが蹴った一撃は枠を外れる。決めれば勝利が決まるマンチェスター・ユナイテッドは、5人目に登場したホイルンドがゴール右下に強烈な一撃を叩き込み、勝敗が決した。

 この結果、勝利したマンチェスター・ユナイテッドが、2シーズン連続の決勝進出を決めている。コヴェントリーは健闘も、クラブ史上初の優勝を果たした1986−87シーズン以来のファイナル行きとはならなかった。

 昨日行われた準決勝のもう1試合では、マンチェスター・シティがファイナル行きの切符を掴み取っており、マンチェスター・ユナイテッドは昨季の“リベンジ”を目指して、5月25日に『ウェンブリー・スタジアム』に乗り込むこととなる。

【スコア】
コヴェントリー 3−3(PK戦:4−2) マンチェスター・ユナイテッド

【得点者】
0−1 23分 スコット・マクトミネイ(マンチェスター・ユナイテッド)
0−2 45+1分 ハリー・マグワイア(マンチェスター・ユナイテッド)
0−3 59分 ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)
1−3 71分 エリス・シムズ(コヴェントリー)
2−3 79分 カラム・オヘア(コヴェントリー)
3−3 90+5分 ハジ・ライト(PK/コヴェントリー)

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