今季ルノー移籍の新鋭がキャリア初優勝、トヨタのロッシも2位表彰台を獲得/TC2000第2戦

2024年4月23日(火)7時0分 AUTOSPORT web

 アルゼンチンの首都ブエノスアイレス郊外に位置する、南米を代表するトラックのひとつ、アウトドローモ・オスカー・ファン・ガルベスのうち、テクニカル設定となる“No.8”のレイアウトで開催されたTC2000第2戦は、今季よりTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアからルノー陣営アクシオン・エナジー・スポーツTC2000に移籍したファクンド・アルドリゲッティ(ルノー・フルーエンスGT)が、タイヤ交換を伴う今季初のスペシャル戦を制してシリーズ初勝利を飾っている。


 この2024年より段階的にB〜Cセグメント級のSUVをベースとした新車両規定の導入を予定するTC2000は、その歴史的転換点を前に特別フォーマットの1戦を開催。長らく開催地未定とされていた4月12〜14日の週末は、同国を代表するサーキットでの勝負が決まった。


 そんなスペシャルイベントを前に、今季よりFFツーリングカー復帰を果たした“5冠”王者のマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラTC2000)は、かつて2020年と2021年に連覇も記録したオスカー・ファン・ガルベスのNo.8レイアウトに関し「誰にも明かせない秘密がある」と語った。


「ブエノスアイレスのサーキットのなかでは、この『8』の方が中低速特性が優れていると思う。より速い設定の『9』とは異なり、コーナーはさらに遅く処理が難しいんだ」と明かした2006年、2007年、2011年、2013年、そして2020年のシリーズチャンピオン。


「それに『8』は再舗装後のグリップが良く、ドライブするには興味深いトラックでもある。路面状態に応じてマシンは全般的にうまく機能するし、予選とレースでの秘訣は“ロイテマン”と“アスカリ”の両コーナーをうまく乗りこなすことだ」


「とくにアスカリは特段に速いコーナーで、現在のクルマのパワーではフラット(全開)、あるいはほぼフラットに近い。つまり、このターンはレースにおいて防御と攻撃の両面においてオーバーテイクを生み出す重要な場所になる。ヘアピンでブレーキング勝負を掛けたり、ストレートで軌道を変えてパスしようとしたりすることで勝負の可能性が高まるからね」


 迎えたレースウイークは初日FP1こそYPFホンダRVレーシングのベルナルド・ラヴァー(ホンダ・シビックTC2000)が最速を奪うも、明けた土曜のFP2ではウエットコンディションのなかシリーズ“3冠”王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)がトップタイムを記録する。

かつてオスカー・ファン・ガルベスの“No.8”では連覇も記録したマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラTC2000)
予選ではシリーズ“3冠”王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)が最速を奪う
予選を前に、雨の影響でコースが小変更されることが決定。これがTGR陣営のリズムを乱すことに


■決勝ではロッシが先行するルノーに逆襲を挑む


 そして予選を前にした最後のFP3では開幕戦をトラブルで落としたロッシが、改めてTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアの117号車を最上位に並べるなど、ファクトリー支援を受ける3マニュファクチャラーの実力者たちが入れ代わり立ち代わりでの攻防をみせる。


 しかし13時40分の予選を前に、雨の影響でコースが小変更されることが決定し「ラファエラで空力テストを行い、コルドバでタイヤテストを行い、細部にわたる作業に集中してきた」と語るTGRAカローラは微妙な修正に翻弄され流れを失うと、宿敵の王者ペーニャが通算30回目のポールポジションを奪取する結果に。


 フロントロウ2番手にもルノー陣営のフィゴ・ベッソーネ(ルノー・フルーエンスGT)が並び、ロッシはYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのダミアン・フィネンチ(シボレーYPFクルーズ)の隣、2列目4番手に留まった。


 日曜午前11時20分。チャンピオンシップ順位に応じたハンディキャップ・タイムペナルティが適用され、ベッソーネの先導で始まった40分+1周の決勝は、義務付けられたタイヤ交換のタイミングをどう図るかが焦点に。


 降り続く雨のなか、この特別フォーマットに関して隣国SCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”で活躍を演じた経験も踏まえ「これまでTC2000のあらゆるタイプのレース状況と形式で戦ってきたし、ブラジルでは通常タイヤ交換を伴うフォーマットで良いレースが行われるから、このアイデアは気に入っている」と語ったロッシが、先行するルノーに逆襲を挑む図式となる。


 しかし、チャンピオンのさらに上をいく奇策で早めの作業を済ませたルノーのアルドリゲッティが主役に躍り出ると、後半スティントも“プッシュ・トゥ・パス”を活用し、修正が施されたレイアウトで追い抜きの機会を封じていく。


 これでトップチェッカーを受けたアルドリゲッティがシリーズ初優勝を決め、トラック上の2番手にはチームメイトの王者ペーニャが続いていたが、レース中のオーバーテイクで他車との接触があり、この際のペナルティで11位に降格。これでロッシが2位を譲り受け、3位には自身初表彰台の中南米ルーキーカップ登録マティアス・カプロロ(ルノー・フルーエンスGT)が続く結果となった。

初日FP1最速のYPFホンダRVレーシング、ベルナルド・ラヴァー(ホンダ・シビックTC2000)もトップ10入りを逃す結果に
ファクンド・アルドリゲッテ(ルノー・フルーエンスGT)が実に参戦46戦目にしての初優勝を達成した
「僕らはチームとして、あらゆる状況に備えなければならない」と惜敗のロッシ


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