“隠れた新人王候補”オリックスのドラ1・麦谷祐介に感じる伸びしろ

2025年4月24日(木)16時20分 ココカラネクスト

走攻守三拍子揃った麦谷が開幕からアピールを続けている(C)産経新聞社

 宗山塁(楽天ドラフト1位)や西川史礁(ロッテ1位)、渡部聖弥(西武2位)と、パ・リーグの新人野手が開幕から存在感を示している。

 彼らの共通点といえば大卒からのプロ入り。新社会人と同じ年齢でレギュラーの一角を担ったりしているのだ。そして、同じ大卒野手にはまだ新人王候補が隠れている。その一人がオリックスのドラフト1位・麦谷祐介だ。

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■初出場でサヨナラ生還の「持ってる男」

 麦谷はいわゆる「走攻守三拍子揃った」タイプの外野手。左打席からシャープなスイングを繰り出し、脚力と肩はプロの中でも上位レベルと言って差し支えない。プレーの躍動感、爆発力で観る者を惹きつける、魅力的な選手である。

 ルーキーイヤーの今季はオープン戦で打率.261と結果を残し、開幕1軍をつかんだ。3月28日の楽天との開幕戦(京セラドーム大阪)、同点で迎えた9回に代走でプロ初出場。若月健矢のサヨナラ打により初得点を記録し、「持ってる男」ぶりを見せた。

 4月3日のオリックス戦(ZOZOマリン)、「9番・中堅」でプロ初スタメン。6回に均衡を破る適時三塁打を放ち、これがプロ初安打&初打点に。俊足好打の麦谷らしい初安打となった。

 4月10日のソフトバンク戦(京セラD)では延長戦で強肩発動。同12日の楽天戦(楽天モバイルパーク)でプロ初盗塁。15日の西武戦(京セラD)では初の1番起用に応える2得点と、着実にプロ野球選手としての階段を登っている。

 その後スタメンで出る機会はないものの、開幕から首位を走るオリックスに欠かせぬピースになっているのは間違いない。

■自らの居場所を切り開く

 仙台で生まれ育ち、中学時代は東北楽天リトルシニアの一期生。ドラフト1位でプロ入りと、エリート街道を歩むイメージがあるかもしれないが、麦谷はむしろその逆。自らの居場所を切り開いてきた印象だ。

 高校は健大高崎に進むも部に馴染めず中退。地元・宮城の大崎中央に2年生から編入し、当初は「野球はもういいかな」と後ろ向きだったものの、新たな球友と汗を流して心を入れ替えた。実戦では持ち前の運動能力の高さを発揮し、大学は同じ東北の富士大に進んだ。

 富士大では1年春からレギュラーに入ると、3年時には全国大会で青山学院大の二枚看板、常廣羽也斗(広島)と下村海翔(阪神)から本塁打をマーク。この頃には攻守のスケールの大きさにプロのスカウトから熱視線が送られていた。

 現状は出たり出なかったりを繰り返しているが、出たら爪痕を残すのが麦谷の凄いところ。必ずや近い将来オリックスの屋台骨を担うだろう。今後の活躍次第では新人王の可能性だって十分ある。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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