インディカー開幕戦で違反が発覚。勝者ニューガーデン含むペンスキー勢が失格、オワードが繰り上がりウイナーに

2024年4月25日(木)0時19分 AUTOSPORT web

 4月24日、NTTインディカー・シリーズは、3月9日から10日にかけてアメリカ・フロリダ州のセント・ピーターズバーグ市街地にて開催した第1戦『ファイアストン・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ』の決勝レースにて、チーム・ペンスキーから出走した3台のマシンに違反が発覚し、2台の失格と、1台に10点の獲得ポイント減算を決定したと発表した。


 今回失格となったのは、チーム・ペンスキーから出走し、開幕戦で優勝を飾っていたジョセフ・ニューガーデンと3位となっていたスコット・マクラフランの2台だ。この裁定により、順位が変更となり、2位フィニッシュとなっていたパト・オワード(アロウ・マクラーレン)が繰り上がりで優勝となった。

2024年NTTインディカー・シリーズ第1戦セント・ピーターズバーグ 表彰式


 さらに、同チームから出走し4位となっていたウィル・パワーに対しては10点の獲得ポイントが減算されている。


 今回明らかにされた情報によると、第2戦ロングビーチが行われた21日、インディカー公式団体はウォームアップ走行が行われる直前に、チーム・ペンスキーがルール違反を犯した可能性があることを発見した。


 その可能性をもとに、インディカーは第1戦セント・ピーターズバーグのデータを徹底的に解析。その結果、チーム・ペンスキーがオーバーテイク・システムを操作し、レーススタートおよびリスタート時にプッシュ・トゥ・パスを使用できるようにしていたことが明らかになった。


 インディカーのルールブックによれば、レーススタートおよびリスタート時には、代替スタート/フィニッシュラインに到達するまではプッシュ・トゥ・パスを使用することはできない。(記事末尾にレギュレーションの原文記載アリ)


 ニューガーデンとマクラフランについては、再スタート時にプッシュ・トゥ・パスを使用することで競争上の優位性を得たと判断され、失格の裁定が下った。残るパワーについては、アドバンテージを得た事実はないと判断され、ペナルティポイントの加算という裁定となった。

2024年NTTインディカー・シリーズ第1戦セント・ピーターズバーグ 失格となったジョセフ・ニューガーデン(左)と繰り上がりで優勝となったパト・オワード(右)


 また、3台のエントリーすべてに2万5000ドル(約387万5250円)の罰金が科せられ、開幕戦セント・ピーターズバーグのレースに関連する賞金はすべて剥奪されている。


 インディカー・シリーズのジェイ・フライ社長は今回の件について「インディカー・シリーズにおいて、チャンピオンシップの誠実さは極めて重要だ」と語る。


「セント・ピーターズバーグでは違反は検出されなかったが、ロングビーチでのウォームアップ中に不正操作を発見し、その場で直ちに対処した」


「そしてその後、参加しているすべての車両がレギュレーションに準拠していることを確認した。バーバー・モータースポーツ・パークで行われる第3戦からは、今回のような違反を阻止するために新しい技術検査手順が導入されることになる」


 今回の裁定についてチーム・ペンスキーのチーム代表のティム・シンドリックは、チームの公式SNSにて「不運なことに、ハイブリッドテストの際にインストールしていたプッシュ・トゥ・パスのシステムを取り除くことができていなかった」とコメントしている。


「このソフトウェアが、リスタート時に許可されていないプッシュ・トゥ・パスの作動を可能にしていた。そして、ジョセフ・ニューガーデンの2号車とスコット・マクラフランの3号車が、リスタート時に許可されていないタイミングでシステムを作動させてしまっていた」


「チーム・ペンスキーは、インディカーによって適用されたペナルティを受け入れる」




■2024年NTTインディカー・シリーズ第1戦セント・ピーターズバーグ 決勝(4月24日発表)
































































































































































































































































Pos.No.DriverTeamEngineLaps/GapsSP
15P.オワードアロウ・マクラーレンC1003
212W.パワーチーム・ペンスキーC1.14388
326C.ハータアンドレッティ・グローバルH2.34574
410A.パロウチップ・ガナッシ・レーシングH3.891513
560F.ローゼンクヴィストメイヤー・シャンク・レーシングH6.49232
67A.ロッシアロウ・マクラーレンC7.873215
79S.ディクソンチップ・ガナッシ・レーシングH8.384311
821R.ヴィーケイエド・カーペンター・レーシングC10.92257
914S.フェルッチA.J.フォイト・エンタープライゼスC15.131614
1027K.カークウッドアンドレッティ・グローバルH16.675518
116C.アイロットアロウ・マクラーレンC20.799216
124K.シンプソンチップ・ガナッシ・レーシングH21.654123
1330P.フィッティパルディレイホール・レターマン・ラニガンH24.905426
1415G.レイホールレイホール・レターマン・ラニガンH26.783422
1566T.ブロンクビストメイヤー・シャンク・レーシングH32.560517
1678A.カナピノフンコス・ホーリンガー・レーシングC34.212620
1718J.ハーベイデイル・コイン・レーシングH41.433227
1845C.ルンガーレイホール・レターマン・ラニガンH50.822612
1920C.ラスムッセンエド・カーペンター・レーシングC1Lap21
2051N.シーゲルデイル・コイン・レーシングH1Lap25
218L.ルンドクヴィストチップ・ガナッシ・レーシングH3Laps19
2277R.グロージャンフンコス・ホーリンガー・レーシングC18Laps5
2328M.エリクソンアンドレッティ・グローバルH48Laps6
2441S.R.ロブA.J.フォイト・エンタープライゼスC67Laps24
2511M.アームストロングチップ・ガナッシ・レーシングH75Laps10
262J.ニューガーデンチーム・ペンスキーC100Laps1
273S.マクラフランチーム・ペンスキーC100Laps9


当該レギュレーション
 Rule 14.19.15. An indicator to enable Push to Pass will be sent via CAN communication from the timing and scoring beacon on board the Car to the team data logger. This signal must be passed on to the ECU unmodified and uninterrupted during all Road and Street Course Events.
※編集部訳
 規則 14.19.15 プッシュ・トゥ・パスの使用状況を管理するインジケーターの情報は、マシンに搭載されたタイミングおよび計測ビーコンからCAN通信を介して、いかなる変更や切断なしにECUに転送される必要がある


 Rule 14.19.16. Race Starts and any Race Restart that occurs before the lap prior to the white flag or prior to three minutes remaining in a timed Race Event will have the Push to Pass system disabled and will be enabled for a given Car once that Car reaches the alternate Start/Finish line.
※編集部訳
 規則 14.19.16 レーススタート時およびリスタート時(最終周を示すホワイトフラッグの前や時間制レースの場合は終了3分前よりも前に行われるもの)には、プッシュ・トゥ・パスが無効となり、そのマシンが代替スタート/フィニッシュライン到達すると、そのマシンに対して使用が有効となる


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