佐々木朗希、今季初黒星の一方で感じさせた「確かな進歩」 シーズン完走へ向けていギアが上がり始めた

2024年4月25日(木)7時0分 ココカラネクスト

MLB挑戦を標榜する佐々木は着実に”成長”しているようだ(C)Getty Images

 今季初黒星こそ喫したが、確かな復調具合をうかがわせたロッテ佐々木朗希の今季4試合目の登板だった。4月23日に本拠地でのソフトバンク戦に先発。7回を投げて5安打3失点(2自責点)で、ハイクオリティースタートを3登板続けた。球数も3試合続けて100球超えとなる105球だった。

【動画】佐々木朗希が100球超えの熱投!初回を三者凡退に抑えたシーンを見る

 プロ5年目、なかなかエンジンのかかりが遅かった令和の怪物は、この試合で今季公式戦で初めて大台の球速160キロをマーク。最速は161キロだった。まずこの球速が大きな一歩目だ。

 過去3試合の最速は159→158→158と推移していた。加えて直球の平均球速は、156.2→154.1→153.1と右肩下がり。これには3試合目のマウンドが、相性のあまり良くない楽天モバイルパークというのも影響したかもしれない。

 それが23日のソフトバンク戦は、直球の平均球速も157.1と大きく上昇させた。佐々木にとって、最速の数字以上に、投球の大事なバロメーターとなってくるのがこの直球の平均球速。安定して高い出力を維持できていたことを物語る。

 昨季の佐々木の直球は、最速がドジャース大谷翔平と並び最速の165キロで、平均球速は12球団断トツの159.1キロだった。限界点はまだまだ上で、ソフトバンク戦の投球もその途上と言って間違いないだろう。

 過去3試合に比べて直球の出力が安定していたのは、投球フォームを試行錯誤してきた中で、ようやく自分に合うポイントを集められ始めたことが大きい。これまでは左肩の開きが早く、直球がシュート回転することが目立った。それが真っすぐの軌道で高めに伸びるようになり、直球でも数多くの空振りを奪えるようになっていた。

 課題として残ったのは、左打者の内角、懐を突く直球がまだあまり投げ込めていないことだろう。シュート回転は収まってきたが、それでもいい時に比べればまだ開きが早いのか、左打者の内角を狙ったと思われるボールも高めにいっていた。

 威力があるからそれでも空振りを奪えるのだが、伏線として作用したのが2失点した4回だった。先頭打者の今宮健太柳田悠岐と連打され走者をためたが、打たれたのはいずれもフォーク。1死一、三塁で近藤健介に先制を許した左翼線へのタイムリーも、フォークに踏み込まれて拾われた。内角を突けないことで、外のフォークにもバットが届く。力任せのストレートをストライクゾーンに放っておけばいい、ではなく、しっかりとした制球と配球ができていれば防げた連打だった。

 吉井理人監督は投球のたびに「どんどん良くなっている」「調子はまた上がってきた」と前向きな言葉を並べてきた。パーフェクトゲームを4月に達成した2022年、そして3月にWBCがあった2023年と、いずれも佐々木の圧倒的な投球は春先にみられた。悪く言えば、そこからは疲労をためて尻すぼみのシーズンとなっていった感も拭えない。2022年は後半戦3勝止まりで、2023年は0勝だった。まだ若く発展途上の右腕にとって、レギュラーシーズンを完走することが、まず果たすべき大きな課題。そこへ向けて徐々にギアを上げ、シーズンのペース配分という意味でも1ステージ上の舞台で戦っていく。そんな期待をさらに高めさせる、今季1敗目だった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「黒星」をもっと詳しく

「黒星」のニュース

「黒星」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ