森島司がメモリアル弾…個性が噛み合った得点、アシストの川村拓夢「みんなが共通認識を持てた」

2023年4月25日(火)16時29分 サッカーキング

J1通算2万5000点となる節目のゴールを決めた森島 [写真]=三浦彩乃

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 サンフレッチェ広島は22日、明治安田生命J1リーグ第9節でFC東京をホームに迎えて1−2で敗れた。開始5分にFKから先制点を許すと、28分にはカウンターから失点。前半のうちに重い2点ビハインドを負い、反撃は1点にとどまったが、森島司の今季初得点は広島の個性が噛み合った鮮やかなゴールだった。

 38分、前から圧力をかける相手に対し、左ウイングバックの東俊希が自陣で冷静に相手1人をかわして前を向く。このとき、シャドーの森島は相手のセンターバックを引き付けてボールを受けに下がっていた。その空いたスペースにすかさずボランチの川村拓夢が走り込むと、そこに東の正確なロングパス。完全に相手の裏を取って決定機を作った。

 絶妙な動きを見せた森島は、「自分が引き出したスペースに拓夢がうまく走り込んでくれた」と話し、パスを出した東も、「(裏への飛び出しは)拓夢くんの良さ。僕は使ってあげる立場なので、ああいういい動きは見逃したくない」と先輩の動きをしっかりと捉えていた。

 持ち味の飛び出しを生かした川村も、「狙っていた形だった」と胸を張った。「東が持ったとき、森島選手がボールを受けに下がったところのスペースがすごく空いていた。みんなが共通認識を持てたいいシーンだった」

 狙いどおり抜け出した川村は、詰めてきた相手選手を押さえつつ、「最初は少し強引にでもフィニッシュで終わろうと思っていた」。ただ、後方に味方の姿が見えた瞬間に切り替えて、ペナルティエリア内で相手2人を引き付けてラストパス。「ちょっと後ろを見た時に広島の選手がどんどん追い上げているのが見えたので、僕がタメを作ろうと思った。いいアシストになった」

 決定機を託された森島は、「(ボールが)来るかなと思って走りました」と信じてゴール前に入っていた。「チャンスで決めたい思いがあって少し緊張した」というが、「相手が目の前に立っていたのはわかっていたので、サイドを狙おうと思って蹴りました」と狙い澄ましたシュートをゴール右隅に沈めた。

 東、川村、森島が共通認識を持ち、それぞれの強みを生かしたゴール。さらに、得点の場面では森島と同じように、FW満田誠とFWナッシム・ベン・カリファも二の矢、三の矢のようにペナルティエリア内へ猛追。直接ゴールには絡んでいないが、常に献身的に走り続ける2人の個性や、チームとしてのアグレッシブさも光ったシーンだった。

 森島にとって今季初ゴールは、30周年を迎えたJ1において通算2万5000点目のメモリアルゴールとなった。「記念のゴールを決めたことはないので素直にうれしいですけど、ほかにもチャンスがあったので決め切りたかった」と話し、「今季はまだ点を決められていなかったし、チャンスも去年ほど作れていなかった。今日1点取れたので、次からまた点を取ってチームに貢献したい」と得点量産へ意気込んだ。

 広島は1点を返したあとも攻勢を続けたが、引いて守る相手を崩し切れずに敗戦。攻守で課題はあったものの、悲観するような内容ではなかった。ミヒャエル・スキッベ監督は試合後の会見で、「負けたことを説明することが難しいぐらい、いいサッカーをしていた。今日のパフォーマンスは非常に満足している」とチームの戦いぶりを評価。森島は、「連敗しないことが大事だと思うので、しっかり強度を保ってやり続けたい」と切り替えて、4月29日に行われるセレッソ大阪とのアウェイゲームに目を向けた。

取材・文=湊昂大

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