新生クプラEKSが体制発表。エクストロームを軸にジェネ、ブロンクビスト、タンベイ起用へ/ETCR

2022年4月26日(火)7時25分 AUTOSPORT web

 創設2年目の2022年より、新たにFIA eツーリングカー・ワールドカップへと進化を果たすTCR規定派生の電動ツーリングカー選手権に向け、初年度王者マティアス・エクストローム率いる新生クプラEKSがドライバーラインアップを発表。昨季はクプラ×ゼングー・モータースポーツでチームメイトを務めたジョルディ・ジェネに加え、トム・ブロンクビストやエイドリアン・タンベイが新たに加入し、自身もエースとしてタイトル防衛に挑むこととなった。


 2021年は2台のセアト・クプラe-Racerをシェアし、ミケル・アズコナやダニエル・ナジー、ジェネらとともに初年度のPURE ETCRに参戦したエクストロームは、ハンガリーに拠点を置くゼングー・モータースポーツとのジョイントチームで、この初モノ尽くしのシリーズを戦った。


 そしてクプラの本拠地でもある第2戦のスペイン、モーターランド・アラゴンで総合優勝となる“キング・オブ・ジ・ウイークエンド”を獲得すると、開幕戦を含め全5戦中4戦で表彰台に登る安定した戦いぶりでポイントを積み重ね、改めてのレース強者ぶりを披露。


 ツーリングカーやGTにラリークロス、オフロード・クロスカントリーに氷上ドライブと、あらゆるマシンを乗りこなしてきた多才ぶりを遺憾なく発揮し、わずか4ポイント差ながらヒョンデ(旧ヒュンダイ)・モータースポーツNのジャン-カール・ベルネイを降して初代チャンピオンの称号を手にしている。


 そんなエクストロームは、ジョイントチームを解消したゼングーの後を引き継ぎ、自らが組織したWorldRX世界ラリークロス選手権のチャンピオンチーム、EKSでの新規エントリーを決断。クプラの“電動大使”も務める男が、新たにFIA格式のワールドカップ・ステータスを与えられたシリーズに向け盤石の体制で挑む準備を進めている。


「そんなFIA eツーリングカー・ワールドカップに向け、こうしてエキサイティングなドライバーラインアップを発表できることをうれしく思うよ」と語るのは、そのエクストロームに全幅の信頼を寄せるクプラ・レーシングの技術開発責任者であるチェビー・セラ。


「トム・ブロンクビストにエイドリアン・タンベイのふたりを、初めてオール・エレクトリック・シリーズに加えるのは非常に特別なことだ。彼らは才能に溢れたドライバーだし、うまく適応して非常に良い結果を出すと確信している」と続けたセラ。


「そしてエクストロームとジェネには豊富な経験があるばかりか、レースに勝利するためのスキルも備わっている。すべてのチームが夢見る継続性が、ここにはあるんだ」


■アルファロメオを走らせるロメオ・フェラーリがひとりめのドライバーを発表


昨季はCupra X Zengő Motorsportで初代王座を獲得したクプラe-Racer
ともにDTMドイツ・ツーリングカー選手権経験者のトム・ブロンクビストやエイドリアン・タンベイが新たに加入する


 昨季は車両製作の都合で各マニュファクチャラーが2台の車両を持ち込み、フォーマットの運用によりグループ分けでシェアする方式を採用したが、今季のクプラEKSは4台のクプラe-Racer投入を計画。各ドライバーに1台の割り当てとなるだけに、新人ふたりにはより習熟の時間が与えられる環境が整う。


「僕のモチベーションも非常に高まっている。FIA ETCRは電動モータースポーツの新たな足跡と可能性を示してきたし、これは僕にとっても大きな経験になるだろう」と、初挑戦の電動シリーズに向け意気込むブロンビスト。


「この冒険のためクプラEKSに参加できたことを誇りに思う。僕らはチームとともに覚悟を決めて挑むつもりだし、目標は当然、勝つことだ」


 そのブロンクビストと同じくDTMドイツ・ツーリングカー選手権で戦って来たタンベイも「シーズンが始まるのが待ち切れない」と、新選手権への意欲を見せた。


「昨年、このチームは歴史を作ったと言える。そして僕の今季に向けた挑戦は、このFIA ETCRに足跡を残すことであり、その目標の達成するためにここへ来た。レースへの情熱には限界がないし、その熱量をこの素晴らしいチームと共有できるのも最高だ。そのことこそ、トラックでベストなパフォーマンスを発揮するカギになるだろうね」と語ったタンベイ。


 また、クプラEKSやヒョンデ・モータースポーツNに続き、2年目のシリーズ参戦を表明していたロメオ・フェラーリは、アルファロメオ・ジュリアETCRのレースシートにルカ・フィリピ残留を決めるとともに、ベルギー出身であるマキシム・マルタンの起用を発表。こちらもDTM経験者にリヤ駆動の電動ハイパワー・ツーリングカーを託す。


「ジュリアのような高性能電動マシンで、初めて自分自身の能力を測定できることに興奮しているよ。僕自身“ティントップ”の世界的カテゴリーで多くの経験があるし、このETCRでの新しい技術的挑戦により、明らかに好奇心と熱意が刺激される。非常に有能なメンバーが集ったチームと一緒に成長し、素晴らしい結果を得るのに貢献したいと思っているよ」と意欲を語ったマルタン。


 こうして2022年プログラムの一部を公表したロメオ・フェラーリだが、残るドライバーラインアップも近日中にアナウンスしたい、としている。

Romeo Ferrarisも、ルカ・フィリピの残留とベルギー出身、マキシム・マルタンの起用を発表
「過去のシーズンで学んだことをうまく活用し、今季はすべてのラウンドでトップで戦うこと」が目標だとチーム代表のミケーラ・セルッティ(右)

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