カッレ・ロバンペラが初日の全ステージ最速。初WRCのカナリアスでトヨタがトップ5独占/第4戦
2025年4月26日(土)8時56分 AUTOSPORT web

4月25日、スペインのカナリア諸島に属するグラン・カナリア島にて、2025年WRC世界ラリー選手権の第4戦『ラリー・イスラス・カナリアス』のデイ1が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップに立った。TGR-WRTのレギュラードライバーである勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合5番手につけている。
第3戦サファリ・ラリー・ケニアから約1カ月が経ち、一行は第4戦の舞台となるグラン・カナリア島へ集結した。ここでWRCイベントとしてのラリーが行われるのは初めてのことだ。
このラリー・イスラス・カナリアスは、ステージの路面は全域がターマック(舗装路)となり表面もスムースなため、サーキットレースのような攻めの走りが求められるラリーとして開幕前から注目されてきた。
迎えた開幕日はスペシャルステージ(SS)1〜6までが実施され、SS総距離は計118.84kmとなる。全クルーは、今大会が初の使用となるハードコンパウンドをメインタイヤとして選択。SS1スタート時の天候は曇りとなり、20度前後の気温のもとで選手権首位のエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)からアタックを開始した。
村の生活道路と峠道を繰り返す壮観なSS1でトップタイムを記録したのは、シェイクダウンから好調のロバンペラとなった。さらに2、3番手にはエバンス、セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続き、TGR-WRTがラリーを席巻し始める。
SS2は標高が1000mを超える区間もあり、雲のなかを走る場面では路面にウエットパッチも見受けられたが、それでもTGR-WRT勢の好調は健在だった。なかでもペースの良いロバンペラがトップタイムを連続で記録。SS3のころには天候も回復し、TGR-WRT勢は流れるような走りでステージを攻略した。
さらに若手育成チームのTGR-WRT2のサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)や、今大会は4台目での出走となる勝田も続き、トヨタGRヤリス・ラリー1がトップ5に並ぶ結果となった。
基本的にターマックラリーでは、インカット走法(舗装面よりも内側を走ってタイムを稼ぐ方法)によって路面に土や泥が撒かれることが多く、走行順によってタイムに影響が出る展開が多くみられるが、今大会のSSではインカット走法のできる箇所がほとんどなく、あまりタイム差への影響は見られない。
そして、午後のループステージでもロバンペラのペースは衰えず、午前の再現かのようにトップタイムを連発。最終的にこの日すべてのSSでステージウインを飾ってみせた。
また2、3番手のオジエとエバンスらもロバンペラのペースに近づき、安定して上位にならんだ。デイ1終了時点での総合タイム差は、首位ロバンペラのリードが26.8秒。2番手オジエと3番手エバンスの差は9.6秒だ。
総合4番手にはパヤリ、5番手には勝田が続いたことでTGR-WRTはトップ5を独占。現状、WRCイベントとして初開催となった『ラリー・イスラス・カナリアス』へ向けての準備がもっとも実を結んでいるチームとなっている。
総合6〜8番手にはヒョンデ・シェル・モービスWRTの3台が並び、総合9、12番手にMスポーツ・フォードWRTの2台がつけるなど、今大会は陣営ごとの速さが順位にも見えるデイ1となった。
日本の勝田はTGR-WRTの4台目出走となり、マニュファクチャラー登録とは異なるポジションでの走行となる。デイ1はトップの3台とくらべるとアンダーステアに苦戦していた様子だが、ヒョンデ勢の3台を抑える総合5番手をキープした。
明日のデイ2は、舗装面がさらに荒いものになるとの話もあり、タイヤマネジメントも注目の要素となりそう。SS7からSS13までの全7本が実施されるデイ2のSS総距離は、124.08kmとなる予定だ。