ネリは「イノウエを地に落とす存在」米メディアが井上尚弥の“苦闘”を予測 まさかのパンチ力不足を提言「バンタム級に専念を」

2024年4月26日(金)16時0分 ココカラネクスト

ネリ戦を前に勝利は揺るぎないとする下馬評を集めている井上。しかし、そんな怪物に異論が飛んだ。(C)Getty Images

 決戦へのリミットが迫っている。来る5月6日に東京ドームで行われるボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥と、元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)によるタイトルマッチだ。

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 現時点でアメリカを含めた“大衆”の下馬評は、2年ぶりの防衛戦に挑む井上の有利と見る向きが強い。昨年1月にスーパーバンタム級に転級した怪物は、7月にスティーブン・フルトン(米国)を8回TKOで撃破すると、約5か月後にはマーロン・タパレス(フィリピン)にも快勝。瞬く間に同階級を統べ、史上最速となる2階級での4団体統一の偉業を達成。世界的な声価を一気に高めた。

 対するネリも直近4戦4勝。井上よりも先にスーパーバンタム級でキャリアを重ねてきた実績を考えても地力はある。

 ゆえに「悪童を侮るべからず」という指摘も飛んでいる。米ボクシング専門メディア『Boxing247』は、この試合を「スパイシーな対決になる」と断言。かつて日本で2度の試合を実施(2戦とも違反を犯すスキャンダルは起こしたが……)し、山中慎介氏から連勝を飾ったネリの実力を「不祥事を説明は問題ではなかった。ネリの方がヤマナカよりも若く、より強く、優れたファイターだった」と強調。「ネリはパワーも、スピードも、体躯もあり、イノウエのタイトル保持を終わらせることもできる」と期待を寄せた。

 井上の苦闘を予測する同サイトは、「イノウエは確かに優秀だが、階級を上げるごとに、対戦相手にスペシャルな存在はいなくなっている」と断言。さらに昨年12月に10回KO勝ちを収めたタパレスとの一戦についても「タパレスは他のスーパーバンタム級のファイターたちほどパワフルには見えなかった」と指摘し、「この試合は、モンスターのパンチが過去3階級で戦ってきた時のようなパワーを持っていないことを暗に示した」と論じている。

 そして、「ナオヤはタパレスに勝ち、パウンド・フォー・パウンドの上位にランクされることになったが、多くのアメリカ人は彼の対戦相手たちのレベルに不満を覚えている。ゆえにクロフォード(現WBAスーパー・WBC・WBOスーパー世界ウェルター級統一王者)と並び評されるボクサーになるのは、今以上にもっと努力する必要がある」と辛口な評価を下した『Boxing247』は、こう続けている。

「ネリはモンスターを倒し、イノウエを地に落とす存在になるかもしれない。そうなった時点で、イノウエは再戦の可能性を忘れ、それほど打撃も強くないバンタム級での戦いに専念する方がいい考えかもしれない」

 今回のような米メディアからの辛辣な提言を本人が見聞きし、それに動じることなどないだろう。ただ、日本との因縁も深く、何かと騒動が尽きない曲者の番狂わせを論じる周囲の喧騒を黙らせるべく“怪物”が沸々と燃えているのは間違いない。こういう煽られ方をした時こそ、井上は恐さを発揮する。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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