神宮を沸かせた剛腕守護神の「没落」に広まる波紋 NPB128セーブ“韓国レジェンド”が詐欺罪で懲役8か月「許すべきではない」

2025年4月26日(土)16時0分 ココカラネクスト

ヤクルトの絶対的守護神としても君臨したイム・チャンヨン氏。母国である韓国球界でも名の知れたレジェンドだけにスキャンダルへの波紋は広まっている。(C)Getty Images

 日韓両球界で異彩を放ったレジェンド守護神に法の裁きが下った。

 4月24日、大手通信社『聯合ニュース』をはじめとする韓国主要メディアは、かつてヤクルトやカブスでプレーしたイム・チャンヨン(林昌勇)氏が、同国裁判所から懲役8か月を命じられたと一斉に報じた。

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 まさかのスキャンダルだった。イム・チャンヨン氏は、2019年12月にフィリピンで行った違法賭博のためにA氏から借りた1億5000万ウォン(約1630万円)のうち、8000万ウォン(約868万円)を返済しなかったために詐欺容疑で訴追されていた。

 現役時代の栄光は今も色褪せない。韓国プロ野球では通算760試合に登板して130勝86敗、258セーブ、19ホールド、防御率3.45を記録。2008年に移籍したヤクルトでは12年までの5シーズンで、238試合11勝13敗、128セーブ、21ホールド、防御率2.09をマーク。変則のサイドスローから投じる最速160キロを超える豪速球で打者をねじ伏せる投球で、日本の強打者たちと真っ向勝負を挑む姿は神宮を沸かせた。

 韓国代表としてもワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に二度も出場したほか、アジア大会や00年シドニー五輪などで絶対的守護神として君臨。19年3月に現役引退を表明してからも、韓国プロ野球の40周年を記念した「レジェンド40」に名を連ねるなど、国内外で知られた名投手だった。

 しかし、引退後にイム・チャンヨン氏は自らの蛮行でキャリアに泥を塗った。

 現役だった2016年に賭博容疑で起訴、そして21年に詐欺容疑で罰金刑に処されていた同氏は、22年にも常習賭博で懲役6か月(執行猶予2年)と罰金300万ウォン(約19万円)の重刑を科されていた。今回の判決に対して報道陣の取材で「自分は全て返済していた。(判決は)受け入れ難い」と反論したレジェンドだが、自身の極度のギャンブル依存症がふたたびスキャンダルを招いてしまった感は否めない。

 無論、韓国メディアでは“逆風”が強まる一方だ。経済紙『ファイナンシャルニュース』は「レジェンドの没落」と銘打った記事を掲載。その中でA氏がイム・チャンヨン氏から「妻の株式を処分して三日後に返済する」と言われながら、実際には返済がされなかった事実を「(返金する)意思や能力がなく、詐欺容疑が成立するには十分だった」と指摘。

 さらに同紙は量刑を言い渡した裁判所の声明も紹介している。

「被告人が被害金を全額返金しておらず、許すべきではなかった。ただ、ギャンブル資金に使われることを知りながら被害者がお金を貸した点は考慮した」

 いずれにしてもショッキングな出来事によって晩節は汚れてしまった。ここから信頼を回復するのは容易ではないが、48歳の名守護神はいかにギャンブル依存を克服していくのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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